INSIGHT CUBE 共創インタビュー|インタビュー実施日:2026年4月27日
インタビュイー(左):株式会社快活フロンティア FiT24 販売促進部 リーダー 藤井 大志 氏
インタビュワー(右):株式会社グラッドキューブ マーケティングDX事業部 シニアマネージャー 廣石 高幸
「快活CLUB」「コート・ダジュール」、24時間ジム「FiT24」を全国展開する株式会社快活フロンティア。2024年度、同社マーケティング担当の藤井様は、長年お付き合いしていた広告代理店の乗り換えを決断した。当時の課題は、検索広告中心の「広告の進行屋」的運用では、減少の傾向にあった入会数を止められなかったこと。スモールスタートでの並走比較を経て当社グラッドキューブに切り替えた結果、FiT24の媒体CPAは半分・入会数は対前年比右肩上がりへと反転、現在では3事業の包括支援へと拡大している。
「広告のCPAだけが正義じゃない」という確信のもと、藤井様が築いてきたものとは何か。

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はじめに
まず快活フロンティア様の事業について教えてください。どのような顧客に、どのような価値を提供している会社ですか?
藤井 様:
当社は「快活CLUB」「コート・ダジュール」「FiT24」など、街の生活インフラに近い店舗型サービスを全国展開している会社です。私が現在、主に担当しているのは24時間ジムの「FiT24」で、フィットネス需要が拡大する一方で過熱競争の続くマーケットの中で、入会獲得と既存会員の継続率を両輪で伸ばしていくことに責任を持っています。
店舗ビジネスならではの特徴として、各店舗の収支構造・キャパシティ・商圏の質がそれぞれ全く異なります。本社で一律のメッセージを出すだけでは決して成長しない、店舗ごとの事情を緻密に読みながら投資配分を変える、これがマーケティングの大前提だと考えています。

1. 「広告の進行屋」を超えた関係を求めて:代理店乗り換えの決断
——2024年度、長くお付き合いしていた前代理店からグラッドキューブへの切り替えを決断されました。当時の課題はどこにあったのでしょうか。
藤井 様:
正直に言うと、前の代理店さんも頑張ってくださっていたんです。広告上の数値も、悪いと一刀両断できるレベルではなかった。ただ、入会の数値が悪かった。そこが課題でした。
広告のCPAだけ見ていれば一見成立しているのに、事業のP&Lに落ちてこない。要するに「広告の進行屋さん」だったんです。月次のレポートが届いて、運用は粛々と回っている。でも、課題に対して一緒に解決策を考えてくれるパートナーではなかった。検索広告の入会だけ追いかけていても、事業全体の入会曲線は変えられない。2024年度、ここを変えないと2025年度はもっと厳しくなる、そういう危機感から、代理店の乗り換えを決断しました。
——数ある広告代理店の中から、グラッドキューブを選ばれた決め手は何だったのでしょうか。
藤井 様:
選定基準は2軸ありました。1つは「数値」。前代理店とグラッドキューブを並走させて、近い数値、できれば上回る数値を出してほしい。11月からスタートして、1月に全店舗で同じキャンペーンを打つタイミングがあったので、そこで横並び比較をしようと考えました。2つめが「コミュニケーション」。前の代理店時代、PDCAが本当に回らなかった。こちらから「これやってください」と投げるだけ。返ってこない。これでは事業のスピードに広告が追いつきません。
1月の比較結果は、実は数値の差は、極端に大きくはなかったんです。それでも決めたのはグラッドキューブ。なぜかというと、当時担当くださった担当者さんとの「阿吽の呼吸」がすでにできていたんです。前の代理店だと、わからないことを聞いて1〜2週間返事がないことがあった。グラッドキューブはすぐ返ってくる。これは本物だなと思いました。
1月にP-MAXをやりましょうという動きを、こちらが提案する前に持ってきてくれた。事業側が「次はこれをやりたい」と言わなくても、勝手に提案が降ってくる。「そこまでやってくれるのか」と衝撃でした。前の代理店が私にとって最初に出会った代理店だったので、この差はとんでもなく大きく見えたんです。

2. 「CPAだけが正義じゃない」 :伴走型運用への転換
——切り替え後、まず大きく変わった価値観は何でしたか。
藤井 様:
前の代理店時代は、CPA至上主義でした。CPAが下がっていれば優秀、上がっていれば要改善、それだけ。でもグラッドキューブに変わってから、見るべきところはそこだけじゃないという価値観が広がっていったんです。Googleの検索ボリュームの推移も見せてもらって、「あ、認知が伸びていれば、後から指名検索が増えてCPAは勝手に落ちるんだ」と。CPAだけ見ていた頃の自分が、今思うと窮屈だった。
当時の代理店からは「示唆」が来なかったんですよね。「この月はこういう状況だから、こういう打ち手をしましょう」というインサイトがゼロ。バナーを作りたいと思っても、わざわざ別の代理店さんに発注していた時期もありました。それぐらい、手の数が足りなかった。グラッドキューブはこの真逆で、「定例会で提案ゼロは作らない」とルール化しているそうで、お腹いっぱいになるくらいの提案が毎回出てくる(笑)。
——切り替えから3か月後に、当時のグラッドキューブ担当者が退職したとき、不安はありませんでしたか。
藤井 様:
正直に言うと、めちゃくちゃ焦りました(笑)。属人的に動いてくれていた感覚があったので、「変わったらダメになるんじゃないか」と。でも蓋を開けてみたら、別にそんなことはなかった。後任の担当者さんもベテラン、もう一名もスピーディ。秀でたメンバーが入ってきて、結果が落ちないどころか、むしろ伸びた。「これは個人芸じゃなくて組織で見てくれているんだ」とわかった瞬間、逆に信頼が上がりました。

3. 媒体CPAを「半分」にした、運用の常識破壊
——FiT24の媒体CPAは結果として半分まで下がっています。何が一番効いたのでしょうか。
藤井 様:
1つの魔法ではなくて、いくつかの「常識崩し」の積み重ねでした。私から見て一番大きかったのは、「現場のキャパシティと広告投資を連動させる」という発想です。会員が満員に近い店舗にお金を突っ込むのは無駄、まだ余裕がある店舗にこそ広告を寄せるべき。当たり前のようで、当時は誰もやっていなかった。
店舗ごとの会員充足率、マシンの稼働状況、時間帯別の混雑具合をリアルタイムで連携して、キャパが限界に近い店舗はブレーキ、余裕がある店舗にアクセル。さらに、現場の「生の反応」来店したお客様が何に反応して入会を決めたのか、定量データには表れにくい体感値を運用に戻すループも回り始めた。これは前の代理店時代には絶対になかったループです。
判断のスピードも変わりました。担当者さんとのやり取りで、「予算どれくらいで?」と聞かれて、こちらも「ざっくりこのレンジで」と即返せる関係。「やろうとしたら、大体いくら必要なんですか?」じゃなくて、ざっくり感のキャッチボールが成立する。これがあるから、店舗が赤字に転落しそうなときも、広告で予算を吸いすぎて止めを刺すようなことが起こらない。最終的に黒から赤に転落するのを防げているんです。負担が少ない。
——エリアターゲティングについても、固定観念が外れたと伺っています。
藤井 様:
そう、私はもともと「店舗から半径●km」という円ターゲティングしか頭になかったんです。ある地方店舗で、海沿いに広告が配信されているのを見て「これ、海に広告蒔いてるじゃん」と。そのときに担当者さんから「ピンの位置を変えるだけで改善できますよ」「円って一つだけじゃないんです、複数指定できるんですよ」と言われて、衝撃でした。
「もう少し道沿いの、こっち側の人も取りたい」と話したら、「では円を3つにしましょう」と。それまで自分の頭の中で勝手に固定していた前提が、ぱらぱらと崩れていきました。地図上の1kmと、体感的な1kmはまったく等しくない。大幹線道路、踏切、駅の乗り換え動線、これらが「物理的・心理的な障壁」として効いてくる。これまで取れていなかった層が取れるようになって、それがCPAを半分にできた要因の1つだと思っています。
あと、いわゆる「ホワイトスペース」競合ジムが手薄なのにトレーニング需要がある層の発掘もしていただきました。「設備の質を重視する層は、多少の距離があっても納得できるジムに通いたい」という需要があるんですよね。そこを取りに行ったら、滞在時間が長く、利用頻度が高い、つまりLTVの高いユーザーが入ってくれた。これは想定外の収穫でした。

4. 売上・会員数・KPIへの影響「土台固め→再投資→転換点」
——具体的な数値での成果を教えていただけますか。
藤井 様:
私が追っているのは入会数です。もちろん広告だけが要因ではないですが、2024年度期中までは下がり基調だったものが、2025年から完全に右肩上がりに転じました。これは、特定の魔法の1施策ではなくて、いくつかのフェーズの積み上げです。
フェーズで分けると見えやすい。最初は土台固め、適正予算ラインを把握する期間。その上で再投資が始まって、転換点が来た。個店ごとの対策もあるし、退会率の抑制まで話を広げられたのも大きかった。広告の調整や手法だけで終わらず、「総合格闘技」みたいに組み合わせてもらった印象です。
1施策が天才的というより、数と頻度と決定速度の総合点で他社を引き離している、というのが私の感覚です。「夏に向けた訴求」とか、業界の人にとっては基本かもしれない打ち手も、全部漏らさず実行に乗せ切れているかどうかで、数字って大きく変わるんですよね。
——日々の意思決定でも変化はありましたか。
藤井 様:
「この店舗は前期末で赤字着地しそう」となれば、広告予算をかけすぎてはいけない。黒字着地できるはずが、広告が止めを刺して赤字に転落することだけは避けないといけない。担当者さんとのやり取りで、ざっくりレンジ感のキャッチボールがすぐ成立するので、判断スピードがまったく違います。
苦戦している店舗には「勝負すべきか、引くべきか」、戦略的な判断を定例会で常に握る。フランチャイズではなく直営で本部機能が集約されているので、店舗ごとのダッシュボードを集約して見られるのも、意思決定スピードに効いています。
単なる広告屋さんじゃなくて、「うちの会社に入り込んでもらう」という関係性です。座席があってもおかしくないくらい、経営目線を持ってもらえている感覚があります。

5. 3事業包括支援へ :成功モデルの横展開と、これからの挑戦
——今期から、FiT24に加えて快活CLUB・コートダジュールへも支援を拡大されました。
藤井 様:
これは私から提案させていただきました。費用面と連携面で考えると、事業部別に代理店をバラバラに発注しているより、1社にまとめた方が圧倒的に合理的なんです。連携も取りやすいし、費用も安くできる。「どうせなら快活フロンティア全社、巻き取ってください」と廣石さんに投げました(笑)。
「この会社より、グラッドキューブのほうが絶対いい」という確信があったんです。実際、グラッドキューブは事業ごとに専属チームを敷いてくださっていて、リソース分散による品質低下も起こっていません。再現性については何の心配もしていない。これまでのやり方を見ていれば、結果は自然についてくると思っています。
——最後に、今後グラッドキューブに期待することを教えてください。
藤井 様:
遠慮なく言わせてもらうと(笑)、1名、専属で弊社に人材を置いてほしいです。それから、広告は毎年、入会数で前年比を超えていってほしい。これは本当にハードルが高いお願いだとわかっています。フィットネス業界は、数千店舗規模の新規参入が次々入ってくる過熱市場ですから、前年を超え続けるのは大変なんです。
でも、グラッドキューブはこの2年、「不可能を可能にしてくれた」という感覚です。知らない世界をたくさん見せてもらいました。これからは広告以外にも手を伸ばしてもらえると、もっと大きな存在、放したくない存在になります。入会数だけじゃなくて、売上にも踏み込めるところまで来てほしい。
引き続き、よろしくお願いします。

編集後記
本記事におけるインタビューワーは、ご支援初期段階から伴走させていただいておりますが、藤井様は「広告のCPAだけが正義ではない」というシンプルな構造説明をすぐに腹落ちしてくださり、媒体画面の中だけに閉じない設計へと一気に意思決定を変えてくださいました。
当社からの新しいご提案や体制変更に対しても、常に前向きに取り組んでいただいた結果、媒体CPA50%抑制・入会数対前年比右肩上がりへと反転という、業界の過熱競争下では極めて稀な成果に繋がっています。
「単なる広告屋ではなく、うちの会社に入り込んでもらう」藤井様のこの一言に、これからの広告代理店の存在意義が凝縮されています。
その根底には、媒体CPAという「広告の中だけで完結する指標」ではなく、店舗ごとのP&Lという「事業の数字」を見る視座が一貫して存在していました。店舗のキャパシティと広告投資を連動させる、地図上の半径ではなく心理的距離で商圏を引き直す、現場の生の反応を運用に即時フィードバックする。1つひとつは「言われてみれば当たり前」のことの積み上げでしたが、これを全店舗・全期間にわたって執念深く実行し切る、それが結果に直結したのだと、改めて感じています。
過熱競争下の店舗型ビジネスにおいても、事業のKPIを共有できるパートナーと組むことで、確かな成長は描ける、そのことを示す貴重な事例となりました。
改めてこの度は、インタビューへのご協力をいただき、誠にありがとうございました。
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