【記事の要約(ここだけでもポイントは掴めます)】
- LLMOA(エルモア)で計測した 11 サービス分野のうち 9 サービス分野で、生成 AI に言及されたときの上位掲載率は50% を超える。一方、そのうち 7 サービス分野は言及率自体が 30% 未満にとどまる
- 「評価の質」はすでに高いのに、「登場する回数」がボトルネックになっているという構図が、サービス分野を問わず繰り返し現れている
- 残る 2 サービス分野は、計測期間中に一度も自社名が登場しない「会話に不在」の状態だった
- 改善の優先順位は「語られ方を良くする」ことではなく、「登場する機会そのものを増やす」ことにある
自社の AI 検索対策を評価する際は、まず言及率と上位掲載率を分けて確認することが最初の一歩です。
本記事のデータは 2026 年 8 月時点の 「LLMOA(エルモア):グラッドキューブ提供」 計測データに基づいています。生成 AI の回答は各プラットフォームのアルゴリズム変動によって短期間で変化するため、今後同様の傾向が続くとは限りません。集計対象は 11 サービス分野(BtoB 6 サービス分野・BtoC 5 サービス分野)で、内訳は SaaS、製造業(2 分野)、印刷業、広告代理店、情報通信業、スマートフォンアプリ、ホテル・宿泊、ローン・金融、介護、スポーツ施設です。サービス分野の数が限られるため、ここで示す傾向はあくまで参考値としてお読みください。
なぜ AI 検索で「出れば1位」なのに「出現率」は低いのか
9サービス分野で言及時の上位掲載率は50%を超える

LLMOA(エルモア)で計測した 11 サービス分野のデータを見ると、9 サービス分野で「生成 AI に言及されたときの上位掲載率(1 位、または 3 位以内に入る割合)」が 50% を超えていました。
中には、言及さえされれば必ず 1 位で紹介されるサービス分野も含まれています。AI が自社について語る内容そのものには、大きな問題がないケースが大半です。
7サービス分野は言及率自体が30%未満にとどまる
一方で、同じ 9 サービス分野のうち 7 サービス分野は、そもそもの言及率(AI の回答に自社が登場する割合)が 30% 未満にとどまっていました。
「AI の回答に登場しさえすれば高く評価される」状態と、「AI の回答にほとんど登場しない」状態が、同じサービス分野内で同時に起きているということです。改善すべきは評価の中身ではなく、登場する回数そのものです。
AI 検索における「会話に不在」とは何か|言及ゼロだった2サービス分野の実態
残る2サービス分野は計測期間中、一度も自社名が登場しなかった

9 サービス分野とは別に、計測期間中に生成 AI の回答へ自社名が一度も登場しなかったサービス分野が 2 サービス分野ありました。
これは「順位で負けている」状態ではなく、そもそも AI の回答という土俵に上がれていない状態です。上位掲載率を改善する施策と、この「会話に不在」の状態を解消する施策は、取り組む順序も内容も異なります。
この構図はなぜ起きるのか
AIの「評価」と「そもそも候補に挙げるか」は別の仕組みで決まる
生成 AI が回答を組み立てる際、「どのブランドを候補として挙げるか」と「挙げたブランドをどう評価し、何位で紹介するか」は別々のプロセスで決まります。
前者は AI がどれだけ幅広い情報源から自社の情報を拾えているかに左右され、後者はその情報がどれだけ具体的で説得力があるかに左右されます。
この 2 つを分けて考えないと、「評価は良いのに登場しない」という状態を見落とすことになります。

コンテンツの質を上げる施策と、露出機会を増やす施策は別物として扱う必要がある
「AI からの評価が好意的だから対策は十分」と判断してしまうと、実際に改善が必要な「登場機会の少なさ」を見過ごします。
コンテンツの質を磨く施策(語られ方の改善)と、露出機会を増やす施策(プロンプトカテゴリの拡張・第三者メディアへの掲載など)は、目的も効果測定の指標も異なるため、別々の取り組みとして計画する必要があります。

AI 検索対策、何から着手すべきか

まず自社の言及率と上位掲載率を分けて計測する
AI 検索での可視性を評価する際は、「言及率(登場する回数)」と「上位掲載率(登場したときの評価)」を必ず分けて数値化します。
この 2 つを合算した単一のスコアだけで判断すると、どちらに課題があるかが見えなくなります。
上位掲載率がすでに高い場合は、露出機会への投資を優先する
上位掲載率がすでに高い場合、優先すべきはコンテンツの語られ方をさらに磨くことではなく、AI が拾える情報源の幅を広げることです。
- プロンプトのカテゴリを増やして計測範囲を広げる
- 第三者メディアへの掲載を増やす
といった「露出機会そのもの」への投資が効果に直結しやすくなります。
第三者メディア掲載による AI の引用率は非常に高く、LLMOA(エルモア)の別調査では自社サイトの AI 回答率が「8.7%」というデータもあります。
LLMOA (エルモア)で「出現」と「評価」を分けて計測する
「AI にどう評価されているか」と「AI の回答にそもそも登場しているか」は、まとめて計測すると見分けがつきません。

グラッドキューブの LLMOA(エルモア)は、言及率・上位掲載率・語られ方・成果への接続を分けて計測し、どこにボトルネックがあるかを可視化します。
まずは自社の課題が「評価」なのか「登場機会」なのか、確認するところから始めてください。
まとめ:ボトルネックは「評価」ではなく「登場回数」
以下、本記事の内容まとめです。
- LLMOA で計測した 11 サービス分野のうち 9 サービス分野で、言及時の上位掲載率は 50% を超える。一方 7 サービス分野は言及率自体が 30% 未満にとどまる。
- 残る 2 サービス分野は計測期間中、一度も自社名が登場しない「会話に不在」の状態だった。
- AI の「評価」と「そもそも候補に挙げるか」は別の仕組みで決まるため、対策も分けて考える必要がある。
- 対応の第一歩は、言及率と上位掲載率を分けて計測し、上位掲載率がすでに高い場合は露出機会への投資を優先すること。
AI 検索対策の優先順位を間違えないために、まず自社のボトルネックが「評価」なのか「登場回数」なのかを見極めてください。
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→ 「自社で28日間・2,133回 AI 検索の可視性を計測した結果」を公開。LLMOA(エルモア)のサンプルレポートで見る「計測から改善まで」の全プロセスを解説しており、本記事の「出現」と「評価」を分けて計測する考え方の実例を確認できます。
→ AIの回答根拠、自社サイトは平均8.7%だけ|LLMOA(エルモア)が計測した8業種データが示す『第三者メディア依存』の実態を解説。本記事の「出現機会」の課題とあわせて、AI検索可視性のもう1つの構造的な問題を確認できます。
よくある質問(FAQ)
- Q. 「言及率」と「上位掲載率」の違いは何ですか?
- A. 言及率は、生成AIの回答に自社ブランドがそもそも登場する割合です。上位掲載率は、登場した回答のうち何回1位(または3位以内)で紹介されたかの割合です。この2つは別の要因で決まるため、分けて計測する必要があります。
- Q. なぜ「出れば1位」なのに「出現率」が低いという状態が起きるのですか?
- A. AIが「どのブランドを候補に挙げるか」と「挙げたブランドをどう評価するか」は別々のプロセスで決まるためです。情報源の幅が狭いと候補に挙がる回数(言及率)が伸びず、情報の具体性が高いと評価(上位掲載率)は高くなる、という別々の仕組みが働いています。
- Q. 「会話に不在」とはどういう状態ですか?
- A. 計測期間中、生成AIの回答に自社名が一度も登場しない状態です。上位掲載率で負けているのではなく、そもそもAIの回答という土俵に上がれていない、より根本的な課題を示します。
- Q. この課題にはどう対応すればよいですか?
- A. まず言及率と上位掲載率を分けて計測し、どちらに課題があるかを特定します。上位掲載率がすでに高い場合は、コンテンツの語られ方を磨くよりも、プロンプトカテゴリの拡張や第三者メディアへの掲載など、露出機会を増やす施策を優先します。
参照・引用出典
- LLMOA(エルモア)で計測した 11 サービス分野(BtoB 6 サービス分野・BtoC 5 サービス分野)
※内訳:SaaS、製造業〈2 分野〉、印刷業、広告代理店、情報通信業、スマートフォンアプリ、ホテル・宿泊、ローン・金融、介護、スポーツ施設)の可視性データ(サンプル、匿名化済み)。




