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2026.10.9 | 更新日 : 2026.10.9

CTV(コネクテッド)広告で認知と成果数は増える?TVer広告の実データで検証

本記事のポイント
■ CTV(コネクテッドTV)広告(TVer広告)が認知施策に向く理由を、スキップできない配信環境から整理
■ ブライダル商材で実施した当社運用データを公開(完全視聴率92.8%/指名検索は前年比124.1%)
■ 認知の広がりと成果数の増加を指名検索・CVR・実集客の3点で評価する手順を提示

「CTV広告で認知は広がりそうだが、成果数まで増えるのか分からない」という相談をよくいただきます。直接の CV が発生しにくいため、社内で予算を通しにくいという方も多いのではないでしょうか?

CTV広告の代表的なメニューである TVer広告は、民放公式のテレビ配信サービスにスキップできない動画広告を配信できます。最後まで見てもらう前提の枠であるため認知施策と相性がよい一方、成果数への波及をどう測るかが課題になります。

本記事では、当社がブライダル商材で運用した TVer広告のデータをもとに、認知と成果数がどう動いたかを解説します。2026年1月と7月の2回の配信を、それぞれ前年同月と比較しました。数値はすべて前年同月比・比率で記載しています。

目次

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目次

CTV広告・TVer広告とは?認知施策に向く「スキップできない」配信環境

まず、今回の事例の前提となる CTV広告・TVer広告の特徴を整理します。

TVer広告の特徴は完全視聴を前提にした配信環境

TVer広告は、民放公式テレビ配信サービス「TVer」に動画広告を配信できるメニューです。番組の再生前や再生途中に広告が流れ、視聴者は広告をスキップできません。

この仕様により、15秒・30秒の訴求を途中離脱なく最後まで届けられます。数秒でスキップされる前提の動画広告とは、クリエイティブの設計思想が変わります。

TVer は、CM の有音完視聴率を84.6%と公表しています(参照:TVer「TVer広告とは」、マクロミル調べ・2024年11月時点)。音声ありで最後まで見られる枠だと考えると、ブランド訴求との相性を判断しやすくなります。

CTV 経由の視聴が伸びており、認知施策の受け皿として規模がある

TVer の2026年1月の月間ユーザー数は4,470万ユニークブラウザ(MUB)でした。月間動画再生数は6.3億回で、うちコネクテッド TV(CTV)が2.1億回を占めています(参照:TVer「2026年1月の月間ユーザー数 過去最高の4,470万MUBを記録」)。

再生の3分の1がテレビ画面経由という構成です。テレビ CM に近い見られ方を、運用型で量を調整しながら買えるのが CTV広告の位置づけになります。

YouTube広告との違いは「誰と見ているか」にある

YouTube はスマートフォンでの個人視聴が中心です。一方の TVer は、ドラマやバラエティを家族やパートナーと一緒に見る場面が想定されます。

結婚式のように2人以上で意思決定する商材では、この視聴シーンの差が検討の進み方に影響する可能性があります。ただしこれは当社の仮説であり、視聴環境を実測したデータではありません。

認知と成果数の両立を狙って CTV広告を実施した背景と設計


ここからは、当社が運用したブライダル事業者の事例をご紹介します。社名は非公開のため、業種と施策内容のみを記載しています。

課題はカテゴリで第一想起されず、成果数が頭打ちだったこと

広告主は、挙式・披露宴を提供するブライダル事業者です。検索広告と SNS 広告を中心に運用型広告を配信してきましたが、次の3点を目的に CTV広告を検討しました。

  • カテゴリ名で第一想起されるブランドの確立
  • これまでの配信ではリーチしきれていなかった潜在層へのアプローチ
  • 商戦期における集客力の強化

課題は、検討前の潜在層に接触する手段がなかったことです。検索広告は「探し始めた人」にしか届かないため、母数が増えないまま成果数が頭打ちになっていました。

TVer を選んだ理由は番組の親和性とターゲティング

媒体の選定では、音楽番組など視聴世帯人数の多い番組の配信割合に注目しました。結婚式の検討層と、そうした番組の視聴者層は重なりやすいと判断しています。

加えて、結婚式に関心のある層を指定して配信できる点が決め手になりました。テレビ CM では番組枠単位の指定にとどまりますが、CTV広告はユーザー属性や興味関心を指定して配信量を調整できます。

新規制作はせず、成果が出ていた既存動画2本を転用

配信したのは、制作会社が制作したブランド訴求の動画2本です。Meta広告などで成果の良かったクリエイティブを、そのまま TVer広告に転用しました。

この判断により、動画の制作費をかけずに新しい媒体を検証できました。配信は単月に集中させたスポット配信です。

認知施策は「媒体が合うか」と「クリエイティブが合うか」の2つが同時に変わると、結果の解釈が難しくなります。すでに他媒体で成績を確認できた動画を使うことで、検証する変数を媒体だけに絞りました。

CTV広告の配信実績|完全視聴率92.8%で認知の質を確保

2回の配信とも目標の完全視聴率90%以上を達成


配信実績は次のとおりです。いずれも当社が運用して取得した実測値で、配信ボリュームは1月を100とした指数で記載しています。

指標2026年1月(1/1〜1/31)2026年7月(7/1〜7/31)
完全視聴率92.8%91.2%
目標(90%以上)達成達成
配信ボリューム指数(1月=100)10078

※当社運用の実測値(2026年1月・7月配信分)。完全視聴率は再生完了数÷再生数で算出。

TVer広告の完全視聴率(当社運用の実測値) 0% 50% 100% 92.8% 2026年1月 91.2% 2026年7月 目標 90%

目標に置いていたのは完全視聴率90%以上で、2回の配信とも目標を達成しました。出稿した予算が「最後まで見られた回数」に変換できている状態です。

配信量は1月のほうが多く、7月は1月の8割程度でした。ブライダル需要が高まる年始にまとまった露出量を確保できた点が、後述する検索の動きにも関係していると考えられます。

なぜ完全視聴率を目標指標に置いたのか

認知施策の評価では、CV や CPA をそのまま媒体の成績にすると判断を誤ります。獲得指標は検索広告やサイト側の改善にも左右され、CTV広告だけの影響を切り出せないためです。

そこで今回は、配信の質は完全視聴率、成果数への波及は検索指標で見るという二段構えで目標を設計しました。完全視聴率は、媒体の配信品質を直接測れる数少ない指標です。

CTV広告の実施後、認知(指名検索)と成果数はどう動いたか

ここからは前年同月との比較です。前提として、この期間は広告費全体が前年を上回っており、指名キーワードへの出稿も増やしています。数値の変化を CTV広告だけの効果として切り出すことはできない点を、先にお断りしておきます。

認知の指標|指名検索ボリュームは1月が前年比124.1%

指名キーワード(ブランド名)の月間検索ボリュームは、1月が前年比124.1%まで伸びました。7月は前年比100.9%で、ほぼ前年並みです。

月間検索ボリュームの前年同月比(前年=100) 指名キーワード 一般キーワード 前年=100 124.1% 108.9% 2026年1月 100.9% 105.8% 2026年7月 ※参照:Google キーワードプランナー(当社調べ)。前年同月を100とした指数。

一方、結婚式関連の一般キーワードは1月が前年比108.9%、7月が前年比105.8%でした。市場全体も伸びています。

注目したいのは伸び幅の差です。配信量の多い1月だけ、指名検索の伸びが一般検索を上回りました。市場の自然増だけでは説明しにくい動きで、認知施策が寄与した可能性があります。

成果数の指標|指名キーワード広告の CV と CPA はどう変わったか

検索広告のうち、指名キーワードの成績を前年同月と比較しました。前年を100とした指数は次のとおりです。

指標2026年1月(前年比)2026年7月(前年比)
クリック数245.8%99.0%
広告費243.6%129.6%
CV 数約3.4倍約2.1倍
CVR3.14% → 4.36%2.67% → 5.64%
CPA71.5%(約28%改善)62.0%(約38%改善)

※当社運用の実測値。CVR のみ実数値、それ以外は前年同月を100とした指数で記載。

指名キーワード広告の CV 数と CPA(前年=100) CV 数(前年比) 前年=100 約3.4倍 1月 約2.1倍 7月 CPA(前年比) 前年=100 71.5% 1月 62.0% 7月 ※当社運用の実測値。前年同月を100とした指数。CPA は100を下回るほど効率が良い状態。

1月は成果数が前年の約3.4倍、CPA は約28%改善

1月はクリック数が前年比245.8%、CV 数が前年の約3.4倍に増えました。ただし、この期間は指名キーワードの広告費も前年比243.6%に増えています。

つまり成果数の増加は出稿量の拡大による部分が大きく、そのまま認知施策の成果とは読めません。評価すべきは効率のほうです。

出稿費を2.4倍にしても CPA が約28%改善しました。通常、出稿量を増やすと獲得効率は落ちやすいため、流入の質が保たれていたと考えられます。

7月は同じクリック数で成果数が約2.1倍、CPA は約38%低下

7月はクリック数が前年比99.0%と、ほぼ同水準でした。その一方で CV 数は約2.1倍、CVR は2.67%から5.64%へ上昇しています。

つまり、同じクリック数で成果数が2倍以上になりました。CPA は前年比62.0%で、約38%の低下です。流入の量ではなく質が変わったと解釈できる動き方です。

ただし、この期間は LP やターゲティングの改善も並行して進めています。動画で理解が進んだ状態で検索した層が増えた可能性はありますが、検索広告側の運用改善の寄与も小さくありません。

事業側の指標|実集客数は1月が前年比140.4%

広告指標だけでなく、実際の集客数も確認しました。1月の集客数は前年比140.4%と、前年を40%上回りました。

実集客数の前年同月比(2026年1月/前年=100) 100 2025年1月 140.4 2026年1月 前年比 140.4% ※広告主提供の実測値。前年同月を100とした指数。

なお7月は、同じ条件で集計した数値を取得できていないため比較対象から外しています。比較できないデータを無理に並べると、施策の評価そのものが歪みます。

前提条件|一般キーワード広告は配信量を意図的に絞った

同じ期間、一般キーワード広告のインプレッションは1月が前年比56.9%、7月が前年比29.6%と前年を下回りました。他キャンペーンの獲得効率が良かったため、予算配分を絞った結果です。

この配分変更により、アカウント全体の成果数のうち指名キーワードの比重が高まっています。数値の増減には予算配分の影響も含まれるため、CTV広告の効果とは切り分けて読む必要があります。

CTVの認知施策で成果数を増やすための効果測定のしかた

ここまでの数値を、他社でも再現できる考え方に整理します。

「指名検索 → CVR → 実集客」の順で確認する

認知施策の影響は、まず指名検索ボリュームに表れます。次に検索広告の CVR、最後に実集客や売上へと波及します。この順番で見ると、認知がどこまで成果数に届いたかを判断しやすくなります。

確認の順番見る指標今回の結果(2026年1月)
01 認知が広がったか指名検索ボリューム前年比124.1%
02 検討が進んだか指名キーワード広告の CVR3.14% → 4.36%
03 成果数・事業に効いたか実集客数前年比140.4%

今回の事例では、3つの指標がいずれも前年を上回りました。1つの指標だけで判断していたら、広告費の増加分と区別できずに終わっていた可能性があります。

因果を断定せず、前提条件を必ず併記する


認知施策の効果検証では、同時に動いている要素を洗い出しておく必要があります。今回の比較期間でも、次の4点が同時に変化していました。

  1. 広告費の増減:全体・指名キーワードとも前年を上回っています。出稿量が増えれば成果数も増えます。
  2. 季節性:ブライダルは年始が商戦期にあたり、市場全体の検索需要が伸びます。
  3. 運用改善:LP・入札・ターゲティングの改善が並行して進んでいます。
  4. 予算配分の変更:一般キーワードの配信量を絞っており、キャンペーン単位の数値が動きます。

これらを書き添えたうえで、「寄与した可能性がある」まで言い切るのが現実的な報告の形です。断定した報告は、翌期に数値が振れたときに説明がつかなくなります。

CTV広告で認知と成果数を増やすために確認したい5つのポイント


今回の運用を踏まえ、実施前に決めておきたい項目を5つに整理しました。

  1. KPI を認知指標で置く:完全視聴率やリーチを主指標にし、成果数は波及指標として別枠で見ます。
  2. 既存クリエイティブを転用できるか確認する:他媒体で成果の出ている動画があれば、制作費を抑えて検証できます。
  3. 指名検索と実集客まで測れる設計にする:検索ボリューム・CVR・来店数を配信前から取得しておきます。
  4. 配信月をまとめる:少額を長期間に分散させると、検索や成果数への波及が誤差に埋もれます。
  5. 検索側の受け皿を整える:指名キーワードの出稿と LP を先に整備し、増えた検索を取りこぼさないようにします。

特に5つ目は見落としやすい項目です。認知施策で検索が増えても、受け皿がなければ成果は他社に流れます。

◆ CTV広告・認知施策の支援事例(当社運用の実測値)

  • ブライダル|TVer広告のスポット配信(2026年1月:完全視聴率92.8%/指名検索ボリューム 前年比124.1%)
  • ブライダル|TVer広告の2回目の配信(2026年7月:完全視聴率91.2%/指名キーワード広告の CPA 前年比62.0%)
  • ブライダル|検索広告の運用(2026年1月:実集客数 前年比140.4%)

CTV広告・TVer広告に関してよくある質問(FAQ)

最後に、CTV広告の実施に関して Web 担当者からよく寄せられる疑問について FAQ 形式で回答いたします。

CTV広告はどのくらいの予算から実施できますか?

最低出稿金額は契約するプランや代理店によって異なります。本記事で紹介した事例では、単月に集中させたスポット配信で実施しました。

予算を決める際は、金額よりも配信期間の設計が重要になります。少額を複数月に分散させると検索や成果数への波及が確認しづらいため、1か月にまとめて配信する設計をおすすめします。

CTV広告のために動画を新しく制作する必要はありますか?

必須ではありません。今回の事例では、Meta広告などで成果の良かった既存の動画2本をそのまま配信しています。

ただし、TVer は音声ありで再生される環境です。無音視聴を前提にしたテロップ中心の動画は、音声設計を含めて作り直しを検討したほうが成果につながりやすくなります。

おわりに

今回の事例では、CTV広告で完全視聴率92.8%を確保し、指名検索と実集客が前年を上回りました。一方で広告費の増加や運用改善も同時に進んでおり、CTV広告だけの成果として切り出せるものではありません。

認知施策で成果数を伸ばしたい場合は、配信の質は完全視聴率、波及は指名検索と実集客で見るという二段構えで評価してみてください。動画広告の予算を社内で説明する際にも、この整理が使えるはずです。

CTV広告・動画広告の運用をお考えの方へ

グラッドキューブは、TVer広告をはじめとする CTV・動画広告の運用代行から、動画制作・サイト制作・LPO、さらに LLMOA(エルモア)を活用した AI 検索対策や ChatGPT広告まで、一気通貫の Web マーケティングを支援しています。

Google Premier Partner をはじめ、各種広告媒体の正規代理店・パートナーとして認定されており、自社の運用実績をもとにした総合的な広告プランニングを行っています。

「CTV広告を試したいが、効果を社内でどう説明すればよいか分からない」
「認知施策と獲得施策の成果を、つなげて評価できていない」
「LLMO/AIO 対策や ChatGPT広告まで含めて、総合的に獲得成果を底上げしたい!」

このようなお悩みをお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。専門スタッフが貴社の目標に合わせた最適な広告・マーケティングプランをご提案します。

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この記事を書いた人

柿木 亮佑

プロモーション統括本部マネージャー。 運用型広告のオペレーションを軸に、LPOやクリエイティブ・LPディレクションまでデジタルマーケティング全般を担当し、事業成長に直結する戦略立案から現場実装までを指揮する。 Google Premier Partner Awardsでは主要4部門で4年間にわたりファイナリスト選出・最優秀賞受賞に貢献。現在はAI活用によるマーケティングの自動化・高度化を推進している。

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