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- 【記事の要約(ここだけでもポイントは掴めます)】
- 1. CADソフトで「目標 CPA を守る」ルールはなぜ成長の壁になるのか
- 2. CADメーカー・システムメトリックス社が直面した「CADソフトの指名検索の天井」と競合の脅威
- 3. インテントマッチへの完全移行で CADソフトの Google 広告の月間 CV が2倍になった理由
- 4. P-MAX との連携設計:CADソフトの需要を循環させる仕組み
- 5. CADソフトの成果:CPA 横ばいのまま CV 130% が意味すること
- まとめ:CADソフト広告で守っていた数値が成長に機能しているか、問い直す
- CADソフトの成長のその先を、グラッドキューブが伴走します
【記事の要約(ここだけでもポイントは掴めます)】
効率を守るための目標 CPA が、いつの間にか CADソフトの新規獲得の足かせになっているケースがあります。数値は守るものではなく、成長に合わせて見直すものです。
- CADソフト業界最大手が2017年にサブスクリプション方式へ移行したことで、乗り換えを検討する比較検討層が市場に生まれました。指名検索の外にいる層を取りにいかなければ、市場を競合の CADメーカーに渡す構造でした
- 完全一致・フレーズ一致の配信を停止し、インテントマッチ(部分一致)に完全移行したことで、検索広告経由の月平均コンバージョンが移行前の約2倍になりました
- CPA をほぼ横ばいに保ったまま、体験版ダウンロードのコンバージョン数を前年比 130% に伸ばしました。規模を拡大しながら効率を守るという、広告運用で最も難しいトレードオフを解決しました
自社の運用ルールがいまも成長に機能しているかを疑うことが、次の打ち手の入口です。
1. CADソフトで「目標 CPA を守る」ルールはなぜ成長の壁になるのか

「この CPA は絶対に超えない」。そのルールは、いつ作られましたか?
目標 CPA(顧客獲得単価:1件の成果にかかった広告費)を守ることは、利益を守ることと同義とされてきました。しかし AI が幅広い検索意図を学習し、最適なマッチングを見つけるには、一時的に効率が下がる学習期間を許容することが必要です。厳格な CPA の上限は、その学習の余地を奪います。
成熟した CADソフト市場で指名検索に依存するほど、この矛盾が深くなります。既存顧客はすでにブランド名で検索してくれます。しかし「まだ自社の CADソフトを知らない比較検討層」に届くには、AI が新しい検索意図を探索するための余白が必要です。CADメーカーが指名検索の外へ広がろうとするとき、その余白を長年のルールが塞いでいる。それが、システムメトリックス社が直面していた状況でした。
2. CADメーカー・システムメトリックス社が直面した「CADソフトの指名検索の天井」と競合の脅威

CADソフトの指名検索依存というボトルネック
自社ブランド CAD ソフト「IJCAD」などを展開する CADメーカー・システムメトリックス社は、指名検索(自社ブランド名を含む検索)から得られるコンバージョン(CV:問い合わせや資料請求など、目標とする行動)に成長の頭打ちを感じていました。
すでに自社を知っているユーザーには届く。しかし、まだ自社を知らない一般ワード検索層「CAD ソフトを比較検討している層」には届いていませんでした。CADソフト市場で指名検索に依存し続ければ、成長の天井は自社の知名度の規模で決まります。新規層への接点を広げなければ、市場そのものは広がらないという構造的な課題でした。
CADソフト業界のサブスク移行が加えた外圧
2021年、CADソフト業界最大手の競合が買い切り型からサブスクリプション方式へ移行しました。これはシステムメトリックス社にとって2つの意味を持ちます。第一に、最新の利用形態を求める既存ユーザーの流出リスクが高まったこと。第二に、乗り換えを検討する比較検討層が市場に生まれ、そこを競合の CADメーカーに先に取られる可能性が出たことです。
守りに入るほど、比較検討層は競合に流れる。攻めるしかない局面でした。
3. インテントマッチへの完全移行で CADソフトの Google 広告の月間 CV が2倍になった理由

完全一致・フレーズ一致を停止するという大きな決断
2023年10月、グラッドキューブは主要な検索広告キャンペーンの完全一致・フレーズ一致の配信をほぼ停止し、インテントマッチ(部分一致)に完全移行する提案を行いました。
インテントマッチとは、登録したキーワードと完全に一致しない検索に対しても、ユーザーの検索意図をくみ取って広告を配信できる仕組みです。たとえば「CAD ソフト 比較」というキーワードを登録していなくても、その意図に近い検索に広告が届きます。結果、検索広告経由の月平均コンバージョン数は移行前の約2倍に拡大しました。
目標 CPA を一時的に緩めることで AI が学習できた
この転換で最も難しかったのは、技術の設定ではなく「CPA の許容ラインを一時的に引き上げる」という意思決定でした。インテントマッチが効果を発揮するには、AI が新しい検索意図を学習する期間が必要です。その間、CPA が一時的に悪化することを将来への投資として受け入れる必要がありました。
システムメトリックス社がこの判断を下せたのは、グラッドキューブとの間に「短期の効率悪化を受け入れ、中期の成長に賭ける」という合意があったからです。ツールは誰でも使えますが、この合意こそが本事例で最も再現の難しい部分です。
4. P-MAX との連携設計:CADソフトの需要を循環させる仕組み

P-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーンとは、検索・ディスプレイ・YouTube・ショッピングなど Google の全チャネルに、一つのキャンペーンから広告を配信できる形式です。インテントマッチへの移行と並行して、P-MAX でも継続的なシグナル調整を行いました。
具体的には、過去の体験版ダウンロード完了者データや、CADソフトの比較検討層をとらえるカスタムインテントをシグナルとして投入し、検索広告で見つかった新しい需要の兆しを P-MAX にリアルタイムで反映し続けました。検索で発見した「まだ言語化されていない新規層の需要」が、P-MAX の精度向上へ循環する設計です。
また2024年2月には RSA(レスポンシブ検索広告:複数の見出し・説明文の組み合わせを AI が自動最適化する広告形式)の見出しへのキーワード自動挿入・画像表示オプションを最適化し、クリック率の向上も実現しました。同月に自社の CADソフトのサブスクリプションプランの移行が完了したことも、オファーの競争力向上に貢献しました。
Google Ads Scripts で AI 運用のブラックボックスを開ける

P-MAX は設定を任せると「何が効いているか」が見えにくいというジレンマがあります。グラッドキューブは Google Ads Scripts(管理画面の数値を自動で書き出す仕組み)を活用し、RSA アセット別の CV・CPA・ROAS の算出と、P-MAX のチャネル別配信比率の可視化を行いました。
数字が見えるから、次の判断が速くなります。透明性は「安心」だけでなく「意思決定のスピード」に直結します。このデータ基盤があってはじめて、大胆な投資判断を継続できました。
5. CADソフトの成果:CPA 横ばいのまま CV 130% が意味すること

本施策の主な成果(前年対比)
- 体験版ダウンロードのコンバージョン数:130%
- 検索広告経由の月平均コンバージョン数:約2倍(インテントマッチ移行後)
- CPA(顧客獲得単価):ほぼ横ばいをキープ
この 130% には3つの意味があります。
第一に、増えたのが「新規層」であること。 指名検索(すでに IJCAD を知っているユーザー)ではなく、一般ワードで CADソフトを比較検討している層、まだ自社を知らない層、が増えました。将来の顧客基盤が広がったことを意味します。
第二に、体験版ダウンロードが売上の最上流であること。 CAD ソフトのような検討期間の長い商材では、体験版を試し、社内評価を経て、稟議を通して導入に至ります。ここが 130% になるということは、数か月後・数年後の商談の母数が1.3倍に広がるということです。
第三に、CPA を維持したまま量を伸ばせたこと。 効率を落とさずに規模だけを拡大できる状態は、予算を増やせば成果もほぼ比例して増やせる状態でもあり、最も再投資しやすい形です。
CADメーカーが持ち帰れる3つの型

型1:KPI を投資の判断基準として見直す 守るべき数値を計画的に緩め、AI が学習できる期間をつくります。無制限ではなく、許容ラインを決めたうえでの緩和です。
型2:検索と P-MAX のフィードバックループ 検索で見つけた需要の種を P-MAX のシグナルに回します。片方の発見を、もう片方の加速に使う循環構造です。
型3:Scripts による透明性の確保 AI 運用を可視化し、何が効いていて何が効いていないかを切り分けられる状態をつくります。この基盤があってはじめて大胆な投資判断が継続できます。
まとめ:CADソフト広告で守っていた数値が成長に機能しているか、問い直す

「WEB 広告を通じて、飛躍的に認知度を上げることができ、国内では業種を問わず多くのお客様にご導入いただいております。今後は海外でも展開していけるよう準備を進めていきたいと考えております。」
――システムメトリックス株式会社 西本 様(出典:Google CASE STUDY、2025年)
本事例のポイントは、特定のツールを導入したことではありません。CADメーカーが長年守ってきた目標 CPA という数値を「成長のための投資判断基準」として見直し、AI が学習できる余地をつくったことにあります。
- インテントマッチへの完全移行:CADソフトの検索広告経由の月平均 CV が約2倍
- P-MAX とのシグナル循環:新規層への接点を全チャネルに拡張
- Scripts による可視化:AI 運用のブラックボックスを開け、意思決定を速くする
「効率は守れているのに規模が伸びない」「指名検索の外に届かない」と感じている CADメーカーなら、KPI そのものを疑うタイミングかもしれません。守っている数値が成長に機能しているか、その問いが、次の施策の起点になります。
CADソフトの成長のその先を、グラッドキューブが伴走します
「効率は守れているのに規模が伸びない」「新しい機能をどう使えばいいか分からない」「そもそも何が効いているのか判断できない」。そうした CADソフト広告運用の課題にこそ、グラッドキューブの強みが活きます。
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記事執筆:INSIGHT CUBE 編集部(株式会社グラッドキューブ)
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