単なる広告運用から「継続した事業成長」へ|大阪府住宅供給公社様と歩む、賃貸不動産マーケティングの実践

単なる広告運用から「継続した事業成長」へ|大阪府住宅供給公社様と歩む、賃貸不動産マーケティングの実践

【記事の要約(ここだけでもポイントは掴めます)】

大阪府住宅供給公社様の賃貸不動産サービス SMALIO のマーケティング支援は、広告運用の枠を超え、事業指標に向き合う「先回り型」の取り組みへと広がりました。広告・映像・SEO・UX 改善・AI 検索対策をつなぎ、広告費だけに頼らない賃貸物件の集客基盤づくりが動いています。

  • 指示待ちの代行ではなく、データから潜在課題を自ら「発見」し先回りして提案。賃貸稼働率という事業 KPI を軸に、半年〜1 年サイクルで改善を回しています。
  • 施策を「点」から「面」へ拡大。動画・SNS・キャラクター素材・入居者インタビュー動画を連動させ、指名検索数は過去 4 年で最大値を記録しました。
  • 181 記事を本体ドメインへ統合するプロジェクトが進行中(2026年9月完了予定/301 で評価継承・410 で不要ページ廃止)。schema.org 準拠の構造化データも整備し、AI 検索時代への備えを進めています。

1. はじめに:小さな広告運用から、賃貸不動産の「欠かせないビジネスパートナー」へ

賃貸不動産ビジネスにおける「成功」の定義は、広告管理画面上の数字を改善することに留まりません。真の成功とは、クライアントの賃貸事業そのものが中長期的に成長し続けることです。

グラッドキューブと大阪府住宅供給公社様とのお付き合いは、数年前に小さな規模で始まりました。当初は限られた範囲の広告運用からのスタートでしたが、私たちは指示を待つだけの代行業者にとどまることはありませんでした。賃貸物件の事業担当者と同じ目線で施策を提案し続けた結果、現在では賃貸不動産マーケティングの幅広い領域を担うビジネスパートナーへと役割が広がっています。

「代理店」から、賃貸事業の成長を共に創り出す「共創パートナー」へ。私たちがどのように広告の枠を超え、公社様の賃貸不動産事業の成長を後押しする「先回り型のマーケティング」を実践してきたのか。その取り組みの全体像をご紹介します。

2. 課題解決の起点を「指示」から「発見」へ:先回り型 PDCA という考え方

多くの広告代理店は、クライアントからの指示を受けて動く「受け身」の姿勢に陥りがちです。しかし、賃貸市場で競合がひしめき、入居希望者の行動が複雑になった現代では、その姿勢は機会損失を招くだけでなく、成果の頭打ちにも直結します。

私たちが大切にしているのは、データから潜在的な課題を自ら「発見」し、収益につながる機会を先回りして提示する「先回り型」の支援です。次の表で、その姿勢の違いを整理します。

次の表は、従来型(受け身)と先回り型で、支援のどこがどう変わるかを見比べるためのものです。

この表からわかるのは、見る範囲を「広告アカウントの中」から「賃貸事業全体」へ広げることが、成果の持続性を左右するという点です。クライアント自身が明確な課題として顕在化していない状態であっても、私たちは半年〜 1 年のサイクルで一歩先の潜在課題を提示し続けます。この「発見」が、停滞を打破し、次の成長につなげる起点になります。

3. 事業 KPI に直結する成果:賃貸稼働率を見据えた「攻め」のシステム

私たちが賃貸不動産マーケティング支援で見据えているのは、管理画面のクリック数だけではありません。公社様の事業の重要指標でもある「賃貸稼働率」(管理する賃貸住宅のうち、実際に入居されている割合)への貢献を、本質的なゴールと考えています。

私たちは常に賃貸稼働率を念頭に置きながら、市場の変動に左右されにくい集客基盤の構築を進めています。マーケティングが効果を上げた結果、時期によっては「募集できる賃貸物件が足りない」という、事業主にとって望ましい状態が生まれることさえあります。この成果は、単なる偶然ではなく、以下の「攻め」のシステムによって生み出されています。

  • 需要期の正確な捕捉:年間の引越し需要の波をデータから予測し、先行して予算と施策を投入。
  • 状況に応じた配信調整:実際の空室状況とリアルタイムに連動し、賃貸物件の埋まり具合に応じて配信を最適化する運用体制。

賃貸事業の課題を先回りして解決するこの仕組みが、単発のヒットではない「継続した事業成長」を支えていきます。

4. 3 年間で広がった「賃貸不動産の統合的マーケティング」の 4 つの階層

大阪府住宅供給公社様とのパートナーシップは、 3 年間で単なる「点」の施策から「面」の支援へと大きく広がりました。その広がりは、以下の 4 つの階層として整理できます。

Step 1 (Tactical):広告運用の精緻化

若年層とシニア層で賃貸ニーズが異なる点を踏まえ、キャンペーンやクリエイティブをターゲットごとに分けて最適化することで、獲得単価( CPA / 1 件の入居問い合わせ獲得にかかる広告費)を大きく改善しました。

Step 2 (Strategic):認知拡大とブランド力の活用

動画制作、 YouTube / TVer 広告、 SNS 、そして公社様が保有するキャラクター素材を戦略的に活用。この「認知の土台作り」により、指名検索数(ブランド名での検索)は過去 4 年間で最大値を記録しました。

Step 3 (Technical):技術基盤の再構築による防衛と攻め

大阪の賃貸市場での競合激化に伴う「クリック単価( CPC / 広告 1 クリックあたりの費用)の上昇」という課題に対し、広告だけに頼らない技術的な解決策を実行。分散していた Web 資産を評価の高いメインドメイン( osaka-kousha.or.jp )へ集約し、 SEO および AI 検索時代( LLMO )への適応に向けた基盤を整備しました。初期調査を終え、これから本格的に取り組みを進めていく段階にあります。

Step 4 (Experiential):ストレスのない物件探し体験の設計

LPO (ランディングページ最適化)の観点からの UX 改善提案。私たちは入居希望者の行動やデータをもとに離脱ポイントを特定し、賃貸物件を探すユーザーが迷わないサイト改善の具体的な方向性を提言します。実際の実装は制作パートナーと連携しながら進める体制を築いています。

5. 独自価値の創出:全国ポータルには真似できない「入居者の生の声」の映像化

大手不動産ポータルサイトとの厳しい競争のなかで、差別化の鍵となるのは「大阪の賃貸に特化した信頼感」と「入居者の生の声」です。この戦略に基づき、私たちは独自の立ち位置を築きました。グラッドキューブは企画・ディレクションから撮影、編集までを一貫して担当し、「実際の入居者様 3 組へのインタビュー動画」を制作しました。

  • 信頼の可視化:公社様と入居者の「距離の近さ」を、等身大の声を通じて表現。
  • ベネフィットの直感訴求:「初期費用・敷金ゼロ」といった公社ならではの賃貸物件の強みを、映像とナレーションで感情に訴えかける形で伝えました。
  • アセットの戦略的活用:公社様のキャラクター素材を各施策に連動させ、全国規模の競合には真似できない「地元大阪の公社賃貸」としてのブランドを強固にしました。

施策の中で制作した「実際の入居者様 3 組へのインタビュー動画」

6. 未来を見据えた技術基盤: AI 検索時代( LLMO )への適応とドメイン戦略

検索環境は今、大きな転換期にあります。従来のオーガニック検索トラフィックが減少傾向にある一方で、ChatGPT などの AI を経由したセッション( GEO / AIO )が台頭しています。賃貸物件を探すユーザーの入り口も、検索エンジンから生成 AI へと少しずつ広がりつつあります。

補足:GEO ・ AIO とは、わかりやすく言えば、 Google などの検索エンジンではなく、 ChatGPT のような生成 AI の回答のなかで自社の賃貸情報を見つけてもらうための最適化のことです。

私たちはこの変化を「リスク」ではなく「先行者利益を得る機会」と捉え、専任のLLMO (大規模言語モデル最適化)コンサルタントを軸に技術基盤の再構築に着手しました。その中核が、長年育ててきたオウンドメディアの資産を公社様本体ドメインへ統合する「コラム統合プロジェクト」です。

  • ドメインパワーの集約:分散していた旧メディア( danchi-dining.com )の 181 記事を、権威性の高い本体ドメイン( osaka-kousha.or.jp )へ統合。新カテゴリへ再配置し、301 リダイレクト(旧 URL から新 URL へ評価を引き継ぐ転送)で評価を引き継ぎ、不要なタグページは 410 (ページの明示的な廃止)で処理しました。被リンクや信頼性で数倍以上の差がある本体へ資産を集約することで、 AI や検索エンジンからの信頼を高めていきます。
  • 構造化データの実装( Schema.org ):「誰が発信した、何の情報か」を AI が誤解なく読み取れるよう、 schema.org 準拠の JSON-LD による構造化データの実装を推進。運営組織・サービス・記事・パンくず・よくある質問といった情報を機械可読な形で整備します。詳しい設計思想は次章で解説します。
  • ロングテール戦略:「公営住宅」「高齢者向け賃貸」「大阪 賃貸」など月間検索回数の多いクエリを網羅し、広告コストに依存しすぎない賃貸集客の基盤を構築しています。

7. 「 AI に引用される」ための設計図:構造化データという新しい標準対応

ドメイン統合や良質なコンテンツだけでは、 AI 検索時代の恩恵は十分に得られません。ChatGPT や Google AI Overviews は、見た目ではなく「機械可読な事実情報」で回答を組み立てるからです。

そこで整備するのが、schema.org 準拠の構造化データ( JSON-LD / ページ内容を AI や検索エンジンに意味づけして伝える記述形式)です。ページ情報に「これは運営組織」「これは著者と公開日」と意味づけし、 AI が正確に読み取れる形で渡します。公社様の案件では、旧形式のマークアップが約 2,450 ページ分残存する実態を調査で把握し、現行標準への置き換えを進めています。

設計の考え方は次の 3 つです。

  • 発信元を「公的機関」として明示する:運営組織(公社様)・サービス・サイトの関係性を構造化データで正確に定義。 AI が発信元を公的な賃貸住宅の供給主体として認識することが、引用時の信頼性シグナルになります。
  • 記事一本一本を「事実の集合」として構造化する:全記事に Article (記事情報)と BreadcrumbList (パンくず)を付与し、タイトル・公開日・更新日・発信主体を明示。 Q&A 形式の記事には FAQ の構造化データを適用します。
  • 「壊れない実装」を担保する:構造化データは、構文上の不備が一つでもあるとブロック全体が無効化されます。実際に既存ページで、わずかな記号の欠落によりマークアップが機能停止していた例も発見しました。 CMS が動的に情報を出力する際のエスケープ処理まで仕様化し、「実装したのに効いていない」事故を防ぎます。

こうした技術仕様は、一方的に「作って納品する」ものではありません。私たちが理想の仕様を設計・提示し、実装を担う制作パートナー、公社様の三者で協議しながら、実現可能な形へと詰めていきます。この共創のプロセスこそ、単なる代理店では担えない「事業パートナー」としての価値だと考えています。

広告で「集める」、映像で「信頼してもらう」、技術基盤で「 AI や検索エンジンに正しく理解してもらう」。この最後のピースまで踏み込むことで、賃貸物件の集客は広告費だけに頼らない形へと近づいていきます。

8. まとめ:全ての施策が連動する「成長の好循環」

私たちが大阪府住宅供給公社様と共に取り組んできたのは、単一の施策ではありません。広告、映像、 SEO 、 UX 改善が密接に連動し、互いを補強し合う一つの仕組みとして機能しています。この「成長の好循環」とは、一つの領域で得たデータと知見を、別の領域の改善へすぐに活かしていく連鎖を指します。

  • 質の高い集客:精度の高いデータをもとに、入居につながりやすい質の高い層を集客。
  • ブランドの信頼構築:映像とブランド検索の連動により信頼を構築。
  • 自然流入の底上げ: AI 時代に対応した技術基盤で賃貸集客を自動化。
  • 成果への転換:ストレスのない物件探し体験で、集めた関心を確実に入居へつなげる。

 賃貸不動産の Web マーケティングは、包括的な視点を持って初めて、賃貸事業を次のステージへ引き上げる力になります。「単なる広告運用」の先にある、中長期的な事業成長を共に創り出しませんか。グラッドキューブは、貴社の賃貸事業をマーケティングの面から支える、戦略的なビジネスパートナーであり続けます。

事業成長を見据えたマーケティングを、グラッドキューブが伴走します

「広告運用の先を見据えて、事業指標そのものを伸ばしたい」。
そうしたご要望にこそ、グラッドキューブの強みが活きます。

本記事で紹介した事業指標に直結する設計・データにもとづく改善・ AI 検索時代への対応( LLMO / AIO )まで、戦略立案から実行までを一貫してご支援します。

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記事執筆:INSIGHT CUBE 編集部(株式会社グラッドキューブ)

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