Google Workspace の動画制作アプリ「Google Vids」に、Google DeepMind が開発した最新のAIモデル「Veo」(動画生成)および「Lyria」(音楽生成)との統合が発表されました。このアップデートは、単なるツールの機能追加ではなく、企業における「動画」の定義とその制作プロセスを根本から覆す可能性を秘めています。
※なお、利用条件は Google Workspace のプランによって異なる場合がありますので、詳細は公式情報をご確認ください。
1. 背景:Google Vids で動画制作における「高い壁」がなくなる
これまで、企業がマーケティングに動画を活用するには、多額の外注費用・高度な編集スキル・膨大な制作期間という「3つの壁」がありました。

特に日本市場においては、質の高いコンテンツへのこだわりが強く、機動力よりも品質を優先した結果、SNS などのスピード感が求められる媒体では展開が遅れる傾向にあります。
ですが、Google Vids がこの状況を一変させる可能性があります。Google Workspace という、すでに多くの日本企業が導入しているプラットフォーム上で、ドキュメントを作成するように動画を生成できる環境が整いつつあるのです。
2. Google Vids によるドキュメントとしての「動画化」
本質的な変化は、「動画が特別なクリエイティブから、日常的なコミュニケーションツール(ドキュメント)に変わった」という点にあります。
Google Vidsは、ストーリーボードの構築・スクリプトの作成・ナレーション・Veoによる高品質な映像生成・Lyriaによる音楽生成をワンストップで作成することができます。

「何を伝えたいか」という意図さえあれば、技術的な習熟度に関わらず、ビジネスレベルの動画を従来と比較して大幅に短縮した時間で構成できるようになります。クリエイティブの「制作」という工程が、AIとの「対話」による「編集・ディレクション」へとシフトしたことを意味します。
3. Google Vids が企業のマーケティングにどう影響するか

「中低クオリティ」動画コンテンツの爆発的増加
TVCMのようなハイエンドな動画ではなく、SNS広告・製品マニュアル・社内向けナレッジ共有・営業資料の補足といった、これまでコストが見合わずにテキストや静止画で済ませていた領域が動画化できます。
情報伝達力においては、動画がテキストに比べて5,000倍あるとされているので、「動画ドキュメント」が当たり前になる日も近いのではないでしょうか。
ターゲットユーザーごとのパーソナライゼーションが深化
ターゲットごとに異なるメッセージを込めた動画を低コストで大量に生成できるようになります。
ABテストのサイクルは短縮され、データに基づいた最適化がより機動的に可能になります。
企業のインハウス化の加速と代理店の役割変化
簡易的な動画制作はマーケティングチーム内で完結するため、外部の制作会社や代理店には、より高度な戦略立案やAIでは代替できない「ブランドの世界観構築」が求められます。
4. 「動画制作を日常に」デジタルマーケティング責任者が取るべき具体的アクション
アクション①:動画制作フローの「内製・外注」の再定義
現在外注している動画案件を棚卸して、製品のハウツー動画・SNS用の広告・社内教育用コンテンツなどは、Google Vidsを活用した内製フローへと切り替える計画を立てるとよいでしょう。コスト削減とリードタイム短縮が見込めます。

Google Vids でInsight CubeのAIアバター説明動画を「バナー画像1枚」で一発出力しました。

一方、「Google スライド」から、AIアバターによるナレーションと音楽を追加した説明動画
音声もリップシンクも非常にスムーズ。このクオリティであれば、簡単なサービス説明動画は問題ない印象。
アクション②:「AIプロンプト」をマーケターの必須スキルに設定
Google Vids を使いこなす鍵は、AIに適切な指示を出す「言語化能力」です。

「動画を作れる人」を探すのではなく、「動画をAIに作らせる指示ができる人」を育成するのが急務です。
特別な動画制作・編集スキルは不要なので、経験値とプロンプトのシェアなどを行いながら、チームで体制を強化するのが得策です。
アクション③:営業・カスタマーサクセス部門との連携強化
マーケティング部門が作成した「Google Vids のテンプレート」を他部署にシェアしましょう。
チーム・組織でテンプレートを作成して、営業資料のように「営業動画」を制作できる体制を整えましょう。

例えば、営業担当者が顧客ごとにカスタマイズした動画メッセージを送ったり、CS担当者が解説動画を即座に作成する体制を構築することで、企業全体のCX(顧客体験)を底上げできます。
「動画を作れた」その先に——視聴者をCVへ導く体験設計
Google Vidsで動画制作のハードルが下がっても、「作った動画をどう届け、どうCVにつなげるか」という課題は残ります。
グラッドキューブが提供するSiTest Engage は、ノーコードで動画ポップアップ・ピクチャインピクチャ・AIアバターをWebサイトに簡単に実装できるプラットフォームです。
Google Vids で作成した動画素材を、サイト訪問者の行動・属性に応じて「最適なタイミング」で「最適な相手」に届ける仕組みを構築できます。
また、縦型のブランドストーリーを動画で表現したい場合は、YouTube ショート・Instagram リール・TikTokなどに対応した縦型ショートドラマ制作サービス Dra Vis(ドラビス)もご活用ください。
記事執筆:株式会社グラッドキューブ 佐谷 建斗
参照記事:https://blog.google/products-and-platforms/products/workspace/google-vids-updates-lyria-veo/(Google)


