AI引用率の計測方法|生成AIの言及率を自社で測る4ステップ

AI引用率の計測方法|生成AIの言及率を自社で測る4ステップ

【記事の要約(ここだけでもポイントは掴めます)】

ChatGPT や Gemini、Perplexity といった生成 AI での引用・言及(いわゆる「AI 可視性」)は、専用ツールがなくても自社で計測を始められます。必要なのは4つのステップと、指標を正しく切り分ける視点です。

  • 自社でできる監査は4ステップに整理できます: ①SEO キーワードを AI 向けプロンプトに変換 → ②複数の AI エンジンで実行して回答を記録 → ③引用率・言及率・推奨率を算出 → ④ギャップリストと引用元の内訳を洗い出す、という手順です。
  • 「引用・言及・推奨」は段階が違います: AI が自社サイトを読んだか(引用率)、回答に自社名を書いたか(言及率)、選択肢として薦めたか(推奨率)は別々に決まります。1つの数字だけを見ても、どこで詰まっているかは分かりません。
  • SEO で1位でも、AI に推薦されるとは限りません: 検索順位は関連性や被リンクで決まりますが、AI は質問のたびに複数の情報源を組み合わせて回答を生成します。評価の仕組みが異なるため、順位対策と AI 対策はすでに別の作業です。
  • 監査は一度で終わりません: AI の回答は日々変わるため、単発の計測では意味を持ちません。継続的な計測と改善のサイクルに載せて初めて成果につながります。

本記事で紹介する監査手順は、Search Engine Journal が2026年9月4日に公開したフレームワークをもとに、株式会社グラッドキューブが LLMOA(エルモア)で計測した実測データ(2026年8月計測時点)を加えて再構成したものです。生成 AI の回答は各プラットフォームのアルゴリズム変動によって短期間で変化するため、記事中の数値は今後も同様の傾向が続くとは限りません。事例は個別企業を対象とした匿名化データであり、業種全体の傾向を代表するものではありません。

AI 時代の「SEO 全体像」については、以下の総論記事で解説しています。ぜひ併せてご確認ください。

AI時代のSEOとは|「SEOは終わった」は誤解、変わったのは評価のルール【2026年最新】


AI引用率・言及率を自社で計測する4ステップ

AI 可視性の監査は、専用ツールがなくても手作業で始められます。Search Engine Journal(SEJ)が2026年9月4日に公開した記事が、その具体的な手順を示しています。

まず前提として押さえておきたいのは、検索順位と AI での可視性は別物だという点です。従来の SEO は、キーワード関連性・被リンク・技術的なサイト構造を評価し、検索結果ページ上での順位を競う仕組みです。一方、生成 AI は質問のたびに複数の情報源を組み合わせて新しい回答を作ります。この違いが、「SEO では1位なのに、AI には推薦されない」という現象を生んでいます。

だからこそ、AI 側の可視性は AI 側の指標で測る必要があります。

前提|3つの指標は「段階」で理解する

AI 検索における自社の可視性は、次の3段階に分かれます。

  • 引用率(サイテーション率):AI が回答の根拠として自社サイトを参照した割合です。「読まれたか」を測ります。
  • 言及率(メンション率):AI の回答本文に自社名が登場した割合です。「名前が出たか」を測ります。
  • 推奨率(レコメンド率):検討すべき選択肢として提示された割合です。「薦められたか」を測ります。

この3つの指標は並列ではなく、順番にステップアップしていきます。読まれなければ名前は出ず、名前が出なければ薦められません。

一方で、引用率が高いのに言及率が0%というケースは珍しくなく、引用→言及には一定のハードルがあります。AI は「情報源として参照すること」と「回答に事業者名を書くこと」を別々に判断しているためです。どの段階で詰まっているかを知るために、3つを分けて測る必要があります。

またあわせて、競合との比較にはシェアオブボイス(Share of Voice)を用います。これは自社の言及回数を全ブランドの言及回数で割った、相対的な占有率の指標です。

なお SEJ のフレームワークは言及率・推奨率・シェアオブボイスの3指標で構成されています。本記事では、当社が LLMOA(エルモア)での計測を通じて重要性を確認した引用率を加えた4指標で解説します。引用率を見ないと、「そもそも読まれていない」状態と「読まれているが名前が出ない」状態を区別できないためです。

ステップ1|SEOキーワードをAI向けプロンプトに変換する

Search Console のパフォーマンスレポートから、直近3ヶ月で平均掲載順位10位以内の商業意図クエリを抽出します。「おすすめ」「料金」「比較」など、検討や購買につながる語を含むものが対象です。

それを、実際のユーザーが AI に問いかけるような自然な文章に書き換えます。単なるキーワードの羅列ではなく、業種・予算・具体的な状況を含めた「完全な質問文」にすることがポイントです。

例えば「CRM 比較」というキーワードであれば、「従業員50名の BtoB SaaS 企業です。営業6名で使える CRM を、月額費用と導入しやすさの観点で3つ教えてください」といった形に変換します。

ステップ2|複数のAIエンジンで実行し、回答を記録する

書き換えたプロンプトを、ログインを外した状態で各 AI エンジンごとに2〜3回ずつ実行します。アカウントの会話履歴が回答に影響するため、この条件は必ず守ってください。

そのうえで、次の6項目を記録します。

  1. 回答した AI エンジン
  2. 言及されたブランド名とその順序
  3. 自社ブランドの有無
  4. 上位3件以内に入っているか
  5. 引用されているドメイン
  6. 自社ドメインが引用されているか

同じ質問でも AI モデルによって結果は大きく変わります。当社が9業種を計測した際には、モデル間で言及率に平均12倍の差がありました。1つのプラットフォームだけで計測すると、実態を見誤ります。

詳細参考:同じ質問でも AI モデルによって言及率は平均12倍差|LLMOA(エルモア)が計測した9業種データで見るAIモデル間格差の実態

ステップ3|引用率・言及率・推奨率・シェアオブボイスを算出する

記録したデータから、次の4指標を算出します。計算式は以下の通りです。

指標計算式何が分かるか
引用率
(サイテーション率)
自社サイトが引用された回数 ÷ 実施したプロンプト数AI に情報が引用されているか
言及率
(メンション率)
自社名が登場した回数 ÷ 実施したプロンプト数AI がブランド名を言及したか
推奨率
(レコメンド率)
上位3件以内に入った回数 ÷ 実施したプロンプト数ブランドを選択肢として薦められたか
シェアオブボイス自社の言及回数 ÷ 競合全ブランドの言及回数競合に対する占有率

これらを AI エンジン別に算出したうえで、平均した複合スコアも併記すると全体像がつかめます。

ビジネスの成果に最も近いのは推奨率(レコメンド率)です。ただし、当社が11のサービス分野を計測した際には、「出現すれば1位に入るが、そもそも出現率が上がらない」という共通課題が確認されました。推奨率が低いのか、その手前の言及率で止まっているのかによって、打つべき手は変わります。

詳細参考:「出れば1位」でも「出現率」は上がらない|LLMOA(エルモア)が計測した11サービス分野データが示す共通課題

引用率と言及率は、必ずセットで確認する

言及率だけを見ていると、原因の切り分けができません。当社の計測では、次の2つのまったく異なる状態が、どちらも「言及率0%」という同じ数字になっていました。

  • 金融業(個人向け融資サービス・BtoC):引用率33.6%、言及率0%。読まれているのに名前が出ない状態です。
  • 製造業(計測機器分野・BtoB):引用率1.5%、言及率0%。そもそも会話に参加できていない状態です。

前者は既存ページでブランド名と情報を紐づける修正が有効ですが、後者はまず引用される情報源になることが先決です。打つべき施策が正反対になります。

詳細参考:AI に引用されているのに、なぜ社名は出てこないのか?|LLMOA(エルモア)データが示す「言及ゼロ」の2つの正体

ステップ4|ギャップリストと引用元の内訳を洗い出す

自社が検索順位10位以内にランクインしているにもかかわらず、AI の回答で言及されていないプロンプトを抽出します。これが「ギャップリスト」、つまり取りこぼしている検討機会の一覧です。

あわせて、引用されているドメインを次の6タイプに分類・集計します。

  1. レビューディレクトリ(BtoB向け:ITトレンド、BOXIL SaaS など/消費財向け:マイベスト、価格.com など)
  2. オンラインコミュニティ(Reddit など)
  3. 第三者のまとめ記事
  4. ニュース・プレスリリース
  5. Wikipedia などのリファレンスページ
  6. 自社サイト

これが「引用元の内訳(ソースミックス)」であり、次にどこへ手を打つべきかの判断材料になります。

当社が8業種を計測した結果では、AI の回答根拠のうち自社サイトが占める割合は平均8.7%にとどまりました。残りの9割以上は第三者メディアです。つまり自社サイトの改善だけでは、AI の回答に影響を与えられる範囲は限られます。

詳細参考:AIの回答根拠、自社サイトは平均8.7%だけ|LLMOA(エルモア)が計測した8業種データが示す『第三者メディア依存』の実態


手作業の監査には限界がある

複数モデル×複数プロンプトを日次で継続するのは現実的に難しい

ここまでの4ステップは有効な手法ですが、実際にやってみると負荷の大きさに気づきます。

複数の AI モデルに対して複数のプロンプトを実行し、回答内容を毎回記録・分類する作業を、日次や週次で継続するのは現実的ではありません。しかも AI 検索の露出状況は日々変化するため、単発の監査で終わらせては意味がなく、継続的な計測と改善のサイクル(PDCA)に載せる仕組みが必要になります。

この「計測はできても、そこから改善につながらない」という壁は、実際に手を動かしている企業が共通して直面する課題です。


LLMOA(エルモア)で計測から改善までを自動化する

4ステップの監査プロセスを、手動作業なしで日次実行できる

グラッドキューブの LLMOA(エルモア)は、前章までの4ステップ(プロンプト登録・複数エンジンでの監査・スコア算出・ギャップ抽出)を、ChatGPT・Gemini・Google AI Overview・Google AI Mode・Perplexity の主要5モデルを横断して自動化します。

プロンプト単位・日別での言及有無、採用順位、引用元、競合比較を継続的に記録するため、監査のたびにゼロから作業をやり直す必要がありません。

引用率・言及率・推奨率・引用元の内訳を、都度の手動集計なしで確認できる

本記事で解説した引用率・言及率・推奨率・シェアオブボイス、そして引用元の内訳(ソースミックス)は、本来であれば回答を都度記録し分類する手間がかかります。LLMOA はこれらを自動集計します。

実際に PDCA へつなげた分析事例では、28日間・2,133回の計測から、言及率29.7%という出現面の課題を起点に、語られ方・順位・成果への接続まで4つの視点で分解し、6ヶ月のフェーズ設計へ落とし込んだ記事を公開していますので、ぜひご覧ください。

詳細参考:「自社で28日間・2,133回 AI 検索の可視性を計測した結果」を公開|LLMOA(エルモア)のサンプルレポートで見る「計測から改善まで」の全プロセス

「そもそも自社が AI にどう引用・言及されているか分からない」という段階であれば、まず計測から始めることが第一歩になります。


まとめ:まず自社の現在地を、数字で切り分ける

以下、本記事のまとめです。

  • 自社でできる AI 可視性監査は、①プロンプト変換 → ②複数 AI エンジンでの実行 → ③引用率・言及率・推奨率の算出 → ④ギャップリストと引用元の洗い出し、という4ステップに整理できます。
  • 引用率(読まれたか)・言及率(名前が出たか)・推奨率(薦められたか)は段階が違います。1つの数字だけでは、どこで詰まっているかを特定できません。
  • SEO の順位と AI での可視性は、評価の仕組みが異なります。検索1位であっても、AI に推薦されるとは限りません。
  • 監査は単発で終わらせず、継続的な計測と改善のサイクルに載せて初めて意味を持ちます。

「言及率0%」という同じ数字でも、その裏側が「読まれているのに名前が出ない」のか「そもそも読まれていない」のかで、打つべき施策は正反対になります。

まずは引用率と言及率を分けて測り、自社がどちらの状態にあるかを確かめてください。そのうえで、単発の監査で終わらせず継続的に改善へつなげられるかどうかが、成果の差を分けます。

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よくある質問(FAQ)

Q. AI引用率とは何ですか?どう測定しますか?
A. AI 引用率とは、生成 AI が回答を組み立てる際に、自社サイトの URL を根拠として参照した割合です。測定は、①SEO キーワードを AI 向けプロンプトに変換する → ②複数の AI エンジンで実行して回答を記録する → ③引用されたドメインを集計する、という手順で行います。回答本文に社名が登場した割合である「言及率」とは別の指標なので、分けて計測する必要があります。
Q. 引用率と言及率はどう違いますか?
A. 引用率は「AI が自社サイトを読んだか」、言及率は「AI が回答に自社名を書いたか」を測ります。AI はこの2つを別々に判断しているため、引用率が33.6%あるのに言及率が0%というケースが実際に発生します。この場合は、ページ内でブランド名と情報が紐づいていないことが原因です。
Q. 「言及」と「推奨」の違いは何ですか?
A. 言及は、AI の回答内でブランド名が登場している状態です。推奨は、買い手が検討すべき選択肢として実際に提示されている状態を指します。言及される頻度が高くても、推奨される頻度はほとんどないというケースがあり、ビジネスの成果に直結するのは推奨です。
Q. SEOで検索1位なら、AI検索でも引用されますか?
A. 必ずしも引用されるとは限りません。従来の SEO はキーワード関連性・被リンク・サイト構造を評価して順位を決めますが、生成 AI は質問のたびに複数の情報源を組み合わせて回答を作ります。評価の仕組みが異なるため、「SEO では1位なのに AI には推薦されない」という状態が起こります。順位対策と AI 可視性対策は、別々に取り組む必要があります。
Q. 自社でAI可視性を監査するには何から始めればよいですか?
A. まず Search Console から商業意図の強いクエリを抽出し、AI への自然な質問文に書き換えます。それを複数の AI エンジンでログアウト状態で実行して回答を記録し、引用率・言及率・推奨率・シェアオブボイスを算出したうえで、ギャップリストと引用元の内訳を洗い出す、という4ステップで進められます。
Q. 手作業での監査にはどんな限界がありますか?
A. 複数の AI モデルに複数のプロンプトを実行し、回答を記録・分類する作業を日次・週次で継続するのは負荷が大きく、現実的に困難です。AI 検索の露出状況は日々変化するため、単発の監査で終わらせず、継続的な計測と改善のサイクルに載せる仕組みが必要です。

参照・引用出典

一次情報(株式会社グラッドキューブ 自社調査)

  • グラッドキューブ調べ(LLMOA 計測):金融業(個人向け融資サービス:BtoC)の可視性データ。2026年8月計測時点。言及率0%(125回中0回)、引用率33.6%(125回中42回)
  • グラッドキューブ調べ(LLMOA 計測):製造業(計測機器分野:BtoB)の可視性データ。2026年8月計測時点。言及率0%(135回中0回)、引用率1.5%(135回中2回)
  • グラッドキューブ調べ(LLMOA 計測):8業種の AI 回答根拠データ。引用率 平均8.7%: https://www.glad-cube.com/insightcube/archives/3638
  • グラッドキューブ調べ(LLMOA 計測):9業種のモデル別可視性データ。言及率 平均12倍差:https://www.glad-cube.com/insightcube/archives/3658
  • グラッドキューブ調べ(LLMOA 計測):11サービス分野データ。出現率と採用順位の乖離:https://www.glad-cube.com/insightcube/archives/3687
  • グラッドキューブ調べ(LLMOA 計測):サンプルレポート。28日間・2,133回計測、言及率29.7%:https://www.glad-cube.com/insightcube/archives/3291

外部情報源