【記事の要約(ここだけでもポイントは掴めます)】
AI の回答に自社の名前を出すために、外部メディアへの掲載や被リンク、サイテーション(第三者サイトでの言及)を増やす外部対策は効くのでしょうか。自社で提供している BtoB サービスで、AIO 対策の1つとして進めてきた外部対策の掲載41本を、LLMOA で計測した AI の回答8,673回と突き合わせて検証しました。
- 紹介記事26本のうち、AI に引用されたのは1本・1回だけ: 個人ブログに新しく書いてもらった紹介記事は、ほぼ AI の根拠になっていませんでした
- 既存記事へのリンク15本では432回引用、ただし2本で94%: 法人メディアの既存記事に入れてもらったリンクは引用されていましたが、効いていたのはごく一部です
- 掲載本数が増えても、言及率はほぼ横ばい: 7〜10月の言及率は33.6%から35.5%への小さな変化にとどまりました
- AI がよく引用するページの約半分に、自社は載っていなかった: 自社が載っていないページだけを根拠にした回答では、自社の名前が出たのは7.8%でした
外部対策は、掲載本数を目標にするのではなく、AI が実際に引用しているページに載ることを目標にするのが最初の一歩です。
AI 検索の時代に SEO の何が変わったのかは「AI時代のSEOとは|「SEOは終わった」は誤解、変わったのは評価のルール」で整理しています。引用率・言及率などの指標の定義と計測の手順は「AI引用率の計測方法|生成AIの言及率を自社で測る4ステップ」をご覧ください。
本記事は、株式会社グラッドキューブが提供する AIO・LLMO 対策プラットフォーム LLMOA(エルモア)で計測した、自社で提供している BtoB サービス1つの回答データ(2026年6月27日〜10月26日計測、指名の質問を除く19の質問、5つの AI モデル、回答8,673回)と、同サービスの外部対策の実績(2026年2〜10月公開の掲載41本)に基づいています。1つのサービスのデータであり、すべての業種・サービスに当てはまるものではありません。ここで示すのは相関であり、掲載が言及の直接の原因であることを確かめたものではありません。
外部対策で獲得した掲載41本のうち、AIに引用されたのは9本だけだった
自社で提供している BtoB サービスでは、2026年2月から、AIO 対策の1つとして外部メディアへの掲載を進めてきました。内容は大きく2種類です。
- 紹介記事: 個人ブログに、サービスを紹介する記事を新しく書いてもらう
- 既存記事へのリンク: 法人が運営するメディアの既存記事に、サービスの紹介とリンクを入れてもらう(相互リンク)
この41本の掲載 URL が、AI の回答の根拠として引用されたかを、LLMOA の計測データで1本ずつ調べました。
| 掲載の種類 | 本数 | 引用された本数 | 引用された回数 | いずれかの記事を引用した回答の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 紹介記事(個人ブログ) | 26本 | 1本 | 1回 | 0.01% |
| 既存記事へのリンク(法人メディア) | 15本 | 8本 | 432回 | 4.9% |
41本のうち、一度でも AI に引用されたのは9本でした。残りの32本は、計測期間中に一度も AI の根拠になっていません。
被リンクを増やしても効かなかった理由:紹介記事はほぼ引用されず、効いたのは一部のリンクだけ
紹介記事26本は、比較・検討の質問ではほぼ使われていない
個人ブログに書いてもらった紹介記事26本のうち「〇〇ツールのおすすめは?」のような比較・検討の質問で引用されたのは、1本・1回だけでした。その1回の回答にも、自社の名前は出ていません。
紹介記事が引用されたのは、サービス名を挙げて「〇〇とはどんなサービスですか?」と尋ねた質問でした。この指名の質問(回答169回)では、3本の紹介記事が合計9回引用されています。
つまり AI は、紹介記事を「そのサービスを名指しで調べたときの参考情報」としては使っても、「どのサービスを薦めるか」を決める根拠には使っていないということです。指名の質問は、もともと引用の有無に関係なく自社名が出やすい質問です(「AIに名前を挙げられる分かれ目は「引用率10%」」参照)。
既存記事へのリンク15本では、2本が引用の94%を占めていた
法人メディアの既存記事に入れてもらったリンク15本は、8本が引用されていました。ただし、その中身には大きな偏りがあります。
| 既存記事へのリンク | 引用された回数 | 公開後の回答のうち、その記事を引用した割合 |
|---|---|---|
| 記事A | 358回 | 4.13% |
| 記事B | 50回 | 0.58% |
| 残り6本の合計 | 24回 | 各0.01〜0.11% |
| 一度も引用されなかった7本 | 0回 | 0% |
432回の引用のうち、上位2本で408回(94%)を占めていました。引用されていた記事は、どちらも複数のツールを並べて比べる記事で、AI が比較・検討の質問に答えるときの根拠として繰り返し使われていました。
外部対策の本数は増えたのに、AIに引用される割合は下がった
同じ15の質問に対する回答で、掲載記事のいずれかが引用された割合を時期ごとに比べました。
| 時期 | 外部対策の掲載の累計本数(期末時点) | 掲載記事のいずれかを引用した回答の割合 |
|---|---|---|
| 2026年6月27日〜8月31日 | 37本 | 6.6% |
| 2026年9月1日〜9月14日 | 38本 | 4.6% |
| 2026年9月22日〜10月26日 | 41本 | 3.3% |
この間、自社の言及率(回答の本文に自社の名前が出た割合)は33.6%から35.5%へ、2ポイントほどの変化にとどまりました。掲載本数の増加が、AI の回答での言及の増加にはつながっていなかったということです。
AIに効く外部対策とは:AIが根拠にするページに、自社が入っているか
では、外部メディアのどこに載れば効くのでしょうか。まず、AI の回答の仕組みを確認しておきます。
AI は1回の回答で、平均10.3ページを根拠として引用していました。わかりやすく言えば、AI は10ページほどの「参考資料」を読んでから、おすすめのサービスを答えています。その参考資料の中に自社が載っているページが入っているかどうかで、回答に自社の名前が出るかが大きく変わる、というのが今回の検証で見えたことです。
そこで、掲載先からではなく、AI が実際によく引用しているページから逆に調べました。
AIがよく引用するページの約半分に、自社は載っていなかった
計測データで引用の多かったドメインのうち、自社サイトと競合ツールの公式ページを除いた上位45ドメインについて、最も引用されていたページを1つずつ開き、自社が載っているかを確認しました(2026年10月27日時点)。内容を確認できた43ページの結果です。
| AI がよく引用するページ | ページ数 | そのページを引用した回答(延べ) | 引用されたときに自社の名前が出た割合 |
|---|---|---|---|
| 自社が載っているページ | 23 | 6,259回 | 49.2% |
| 自社が載っていないページ | 20 | 4,323回 | 20.3% |
AI の主な参考資料43ページのうち、20ページには自社が載っていませんでした。 その中には、AI の引用が特に多い比較サイトの「おすすめツール」一覧のページも含まれています。AI がこうしたページを参考にして答えるとき、自社は最初から候補に入っていないということです。
自社が載っているページが引用された回答では、約半分(49.2%)で自社の名前が出ていました。載っていないページの20.3%と比べて、約2.4倍です。
載っていないページだけを参考にした回答では、名前が出たのは7.8%
自社が載っていないページが引用された回答でも、20.3%では自社の名前が出ています。これは、同じ回答の参考資料の中に、自社が載っている別のページや、自社サイトも入っていたからでした。
自社が載っていないページを引用した2,525回の回答を、一緒に引用されていたページで分けると、違いがはっきりします。
| 同じ回答で、一緒に引用されていたページ | 回答数 | 自社の名前が出た割合 |
|---|---|---|
| 自社が載っているページと、自社サイトの両方 | 53回 | 84.9% |
| 自社サイト | 417回 | 48.9% |
| 自社が載っているページ | 648回 | 28.2% |
| どちらもない(自社が載っていないページだけ) | 1,407回 | 7.8% |
自社が載っていないページだけを参考にした回答では、自社の名前が出たのは7.8%でした。 約13回に1回です。
つまり、AI の回答に名前を出すために必要なのは、外部メディアの数を増やすことではなく、AI が参考にする10ページほどの中に、自社が載っているページを1つでも多く入れることです。そのためには、AI がよく引用しているのに自社が載っていないページから、順に手を打つのが近道になります。
相互リンク先でも、AIが引用していたのは別の記事だった
この視点で、既存記事へのリンクを入れてもらった法人メディアも見直しました。すると、リンクを入れてもらった記事ではなく、同じサイト内の別の比較記事が、AI に最もよく引用されていた例が2つありました。
- あるメディアでは、AI が最も引用していた「おすすめツール◯選」の記事は、直近の回答の4.5%で引用されていました。ところが、この記事には自社が載っていませんでした
- 別のメディアでも、AI が最も引用していた記事には自社が載っておらず、その記事が引用された回答で自社の名前が出た割合は0%でした
掲載先のサイトを選ぶだけでは足りず、そのサイトの中で、AI がどのページを引用しているかまで見る必要があるということです。
AI時代の外部対策を見直す3つのステップ
① 自社のテーマで、AIがよく引用しているページを特定する
まず、自社の顧客が AI にしそうな質問について、AI が根拠として引用しているページを洗い出します。ドメイン単位ではなく、ページ単位で、引用の多い順に並べてください。
比較・検討の質問(「〇〇のおすすめは?」など)で引用されるページは、比較サイトの一覧ページや、支援会社が書いた「おすすめ◯選」の記事が中心です。
② そのページに、自社が載っているかを確認する
引用の多いページを開き、自社が載っているか、載っている情報が最新かを確認します。
- 載っていない: 掲載や追記を依頼する先の候補にする
- 載っているが情報が古い・扱いが小さい: 情報の更新や、紹介の拡充を依頼する
- 載っている: 現状を維持する
すでに相互リンクなどの関係があるメディアは、AI がよく引用している別の記事への追記を頼むのが近道です。
LLMOA のデータで、AI が引用しているページをリスト化する
①と②は、AI の回答と、回答の根拠として引用された URL を記録していれば、一覧表にまとめられます。グラッドキューブの LLMOA(エルモア)では、主要5つの AI モデルの回答と引用された URL を、質問ごと・AI モデルごとに自動で記録しています。
今回の検証でも、LLMOA の計測データから、AI がよく引用するページを引用の多い順に並べ、ページごとに「引用されたときに自社の名前が出た割合」まで集計しました。自社が載っているかは、リストの上位からページを開いて確認しています。実際に作ったリストの一部が次の表です。

このリストがあれば、どのページに載れば効果が見込めるか、どこから手をつけるべきかを、データで判断できます。
③ 外部対策のKPIを「被リンク数・掲載本数」から「AIに引用されたか」に変える
外部対策の成果を振り返るときに見る指標を変えます。
| これまでの指標 | これからの指標 |
|---|---|
| 掲載本数、獲得したリンク数 | 掲載したページが AI に引用されたか |
| 掲載先のドメインの強さ | 掲載したページが引用されたとき、自社の名前が出たか |
| ― | AI がよく引用するページへの掲載・追記の件数 |
今回のサービスでは、引用されにくい個人ブログへの紹介記事を増やすのをやめ、AI がよく引用するページへの掲載・追記に切り替えます。その結果は、改めて INSIGHT CUBE で報告する予定です。
調査の概要と注意点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計測ツール | LLMOA(エルモア) |
| 対象 | 自社で提供している BtoB サービス1つ |
| 計測期間 | 2026年6月27日〜10月26日(9月15日〜21日は計測データなし) |
| 質問 | サービスの分野で「〇〇のおすすめは?」と尋ねる比較・検討の質問など19問(サービス名を挙げて尋ねる指名の質問1問は別に集計) |
| AI モデル | Google AI Overviews、Google AI モード、ChatGPT(gpt-4o-mini)、Gemini(gemini-2.5-flash)、Perplexity(sonar) |
| 回答数 | 8,673回(指名の質問を除く) |
| 外部対策の掲載 | 同サービスの外部対策で獲得した掲載41本(2026年2〜10月公開。紹介記事26本、既存記事へのリンク15本) |
判定の方法: 掲載記事が引用されたかは、回答の根拠として示された URL と掲載 URL の一致で判定しました。自社の名前が出たかは、回答の本文に自社のサービス名が含まれるかで判定しています。
ページの確認: AI がよく引用する45ページに自社が載っているかは、2026年10月27日時点でページを開いて確認しました。ページの更新によって、現在は内容が変わっている可能性があります。
注意点: 1つのサービスのデータで、他の業種やサービスで同じ結果になるとは限りません。2月〜6月中旬に公開された掲載は、計測を始める前の状態と比べられていません。言及率の差は相関で、掲載すれば同じだけ言及率が上がることを示すものではありません。また、ChatGPT・Gemini・Perplexity は API 経由で計測しており、一般向けのアプリの回答とは異なる場合があります。
まとめ:AI時代の外部対策は、AIが引用するページから逆算する
- 自社で提供している BtoB サービスで外部対策として獲得した掲載41本のうち、AI に引用されたのは9本。個人ブログの紹介記事26本は、比較・検討の質問では1回しか引用されなかった
- 法人メディアの既存記事へのリンク15本は432回引用されたが、上位2本で94%を占めた
- 掲載本数が増えても、掲載記事が引用される割合は6.6%から3.3%に下がり、言及率はほぼ横ばいだった
- AI がよく引用する43ページのうち、20ページに自社は載っていなかった。自社が載っていないページだけを根拠にした回答では、名前が出たのは7.8%。載っているページが引用されると49%だった
外部対策は、掲載本数ではなく、AI が実際に引用しているページに載っているかで考えることが出発点です。
📬 INSIGHT CUBEの最新情報をいち早く受け取る
INSIGHT CUBEでは、当社一次情報によるコラムやエージェンティック・コマース、AI検索の最新動向など、デジタルマーケティング責任者が押さえておくべき最新情報を継続的にお届けしています。いち早く情報をキャッチアップし、限定のコンテンツを受け取りたい方はニュースレターへのご登録、SNSでのフォローを是非お願いいたします。
📩 ニュースレターに登録する | 𝕏 Xでフォローする | f Facebookでフォローする
関連記事
- AIに名前を挙げられる分かれ目は「引用率10%」|LLMOA(エルモア)が計測した21サービス実測データが示す調査レポート を解説。引用率10%の先では、第三者メディアでの言及が効いてくることを確認できます。
- AIの回答根拠、自社サイトは平均8.7%だけ|LLMOA(エルモア)が計測した8業種データが示す「第三者メディア依存」の実態 を解説。AI の回答の根拠の多くが第三者メディアであることを確認できます。
- AIの引用元ランキング|比較・検討では企業サイトが約半数【LLMOA(エルモア)による5モデル23万件調査】 を解説。AI が根拠にする「おすすめ◯選」記事の約半数を、メディアではなく企業が書いていることを確認できます。
- AIの回答は毎回変わる|自社名が毎回出る質問は3%【LLMOA 2.5万回の実測レポート】 を解説。施策の効果を1回の計測で判断できない理由を確認できます。
よくある質問(FAQ)
- Q. 被リンクや紹介記事などの外部対策を増やせば、AIの回答に自社の名前は出ますか?
- A. 本数を増やすだけでは出にくいと考えられます。自社で提供している BtoB サービスの検証では、外部対策で獲得した掲載41本のうち AI に引用されたのは9本でした。個人ブログの紹介記事26本は、比較・検討の質問では1回しか引用されませんでした。
- Q. 外部メディアのどこに載れば、AIの回答に効きますか?
- A. AI が実際によく引用しているページです。AI は1回の回答で平均10ページほどを根拠にしており、その中に自社が載っているページがあるかどうかで結果が変わります。自社が載っているページが引用された回答では49%で自社の名前が出ましたが、自社が載っていないページだけを根拠にした回答では7.8%でした。まず自社のテーマで AI が引用しているページを特定し、そこに載っているかを確認してください。
- Q. 紹介記事(個人ブログ記事)は、AIにまったく使われていないのですか?
- A. 今回対象サービス(BtoB)の調査では、比較・検討の質問でほぼ使われていませんでした。紹介記事が引用されたのは、主にサービス名を挙げて「どんなサービスですか?」と尋ねた質問です。AI は、紹介記事を「どれを薦めるか」の根拠にはほとんど使っていませんでした。ただし、対象はBtoBサービスであり、他のサービスがすべてこの結果になるとは限りません。まずは自社のサービスを計測し、どこから参照・引用されているのかを確認することをおすすめします。
- Q. AI時代の外部対策は、何を指標にすればよいですか?
- A. 掲載本数ではなく、掲載したページが AI に引用されたか、引用されたときに自社の名前が出たかを指標にしてください。AI がよく引用するページへの掲載・追記の件数も、あわせて追うことをおすすめします。
参照・引用出典
一次情報(株式会社グラッドキューブ 自社調査)
本記事のデータは、株式会社グラッドキューブが提供する AIO・LLMO 対策プラットフォーム「LLMOA(エルモア)」で計測した自社調査の結果です(2026年6月27日〜10月26日計測)。サービス名と掲載先の名称は伏せています。
- グラッドキューブ調べ(LLMOA 計測):自社で提供している BtoB サービスの回答データ(指名の質問を除く19の質問、5つの AI モデル、回答8,673回)。外部対策の掲載41本の引用回数・引用率
- グラッドキューブ調べ(LLMOA 計測):同サービスで AI がよく引用した45ページの、自社の掲載有無と、引用されたときの言及率(掲載有無は2026年10月27日時点で確認)




