AIに名前を挙げられる分かれ目は「引用率10%」|LLMOA(エルモア)が計測した21サービス実測データが示す調査レポート

AIに名前を挙げられる分かれ目は「引用率10%」|LLMOA(エルモア)が計測した21サービス実測データが示す調査レポート

【記事の要約(ここだけでもポイントは掴めます)】

AI に名前を挙げてもらうには、どれくらい自社サイトが引用されればよいのでしょうか。
21サービス・25,281回の回答データから、その目安が見えてきました。

  • 引用率10%以上のプロンプトでは、言及ゼロは4.3%: 言及率の平均は27.7%でした
  • 一度も引用されないプロンプトでは、言及ゼロは63.8%: 引用率0%と10%以上で、結果ははっきり分かれます
  • 引用率10%を超えた先は、伸びがゆるやか: 言及の約半分は、自社サイトが引用されていない回答から生まれているためです
  • この目安が当てはまるのは「推薦型」の質問: 自社名を含む質問や、用語を解説させる質問では、引用と言及の関係がまったく違います

上記について、本記事で詳細を解説します。まずは自社の「推薦型プロンプト」ごとに引用率を出し、10%未満のものを洗い出すことが最初の一歩です。

AI 検索の時代に SEO の何が変わったのかは「AI時代のSEOとは|「SEOは終わった」は誤解、変わったのは評価のルール」で整理しています。

本記事では、AI 検索対策の担当者がもっとも知りたい「どこまで引用を増やせば、名前を挙げてもらえるのか」という問いに、プロンプト単位の実測データで答えます。引用率・言及率・推奨率の定義と計測の手順は「AI引用率の計測方法|生成AIの言及率を自社で測る4ステップ」をご覧ください。

本記事のデータは、株式会社グラッドキューブが提供する AIO・LLMO 対策プラットフォーム LLMOA(エルモア)で計測した21サービスの回答データ(2026年3〜9月計測、回答総数25,281回、BtoB 6サービス・BtoC 15サービス)に基づいています。プロンプト単位の分析は、「推薦型の質問(※後述で解説)」のうち回答が20回以上ある200プロンプトが対象です。各データは個別企業を対象とした匿名化データで、各業界全体の傾向を代表するものではありません。ここで示すのは相関であり、引用が言及の直接の原因であることを確かめたものではありません。生成 AI の回答はアルゴリズムの変動によって短期間で変わるため、今後も同じ傾向が続くとは限りません。

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結論:AIに名前を挙げられる分かれ目は「プロンプトごとの引用率10%」

引用率10%以上の94プロンプトでは、言及ゼロは4.3%にとどまった

本記事の「引用率(Citation Rate)」は、ある1つのプロンプト(AI への質問文)に対する回答のうち、自社サイト(ドメイン)が根拠として1本以上引用された回答の割合です。言及率(Mention Rate)は、同じ回答のうち自社名・自社サービス名が本文に登場した割合を指します。

分析の対象は、AI に候補となる会社やサービスを挙げさせる「推薦型」の質問です。たとえば次のような質問が当てはまります。

  • 「格安スマホのおすすめを教えて」
  • 「初心者におすすめのジムはどこ?」
  • 「中小企業でも使える電話システムって何かある?」
  • 「〇〇業界に強い転職エージェントは?」
  • 「ポスター印刷を即日でお願いできる会社は?」

この推薦型の200プロンプトを、引用率の高さで分けて比べました。引用率が10%以上だった94プロンプトでは、期間中に一度も自社名が出なかったプロンプトは 4.3%(4プロンプト)だけでした。言及率の平均は 27.7% です。

プロンプトの引用率プロンプト数言及率(平均)推奨率(平均)言及ゼロのプロンプトの割合
0%(一度も引用されない)476.1%5.4%63.8%
0〜10%5915.2%12.9%30.5%
10〜20%2627.3%23.5%0.0%
20〜30%1221.6%20.8%8.3%
30〜50%2724.3%21.6%3.7%
50%以上2933.6%29.3%6.9%

※ 推奨率は、回答のうち自社が3位以内で紹介された割合です。

一度も引用されない47プロンプトでは、63.8%が言及ゼロだった

反対に、自社サイトが一度も引用されなかった47プロンプトでは、63.8% が言及ゼロでした。引用率が0%から10%未満に上がるだけでも、言及ゼロの割合は 30.5% まで下がります。

この結果には、計測期間中に一度も言及がなかった4サービスのプロンプトも含まれています。これらを除いて集計し直しても、言及ゼロの割合は引用率0%で 37.5%、10%以上で 3.2% と、同じ傾向が残りました。

どのサービスでも、引用率10%前後を境に「名前が一度も出ない」状態から抜け出しているということです。


10%を超えると、なぜ伸びがゆるやかになるのか

言及の約半分は、自社サイトが引用されていない回答で起きている

表を見ると、引用率が10%を超えたあとは、引用率を上げても言及率は 21〜34% の範囲で大きくは伸びていません。理由の1つは、言及がすべて自社サイトの引用から生まれているわけではないことです。

推薦型の質問で自社名が出た回答のうち、自社サイトが引用されていたのは 46.2% でした。残りの半分以上は、自社サイトが引用されていない回答で名前が出ています。

10%の先は、第三者メディアでの言及とAIの学習済み知識が効いてくる

自社サイトが引用されていない回答で名前が出るのは、比較サイトや専門メディアなど第三者のページに自社が載っているか、AI がすでに自社のことを知識として持っているためです。

つまり、引用率10%は「名前が出ない状態」を抜け出すための目安であり、その先で言及率をさらに伸ばすには、自社サイトの外側で語られる機会を増やす施策が必要になります。


同じ質問・同じAIで比べても、引用された回答は言及率が25.8ポイント高い

プロンプトとAIモデルをそろえた19,338回の比較でも、差は残った

「引用率が高いプロンプトは、もともと自社が答えに入りやすい質問なのではないか」という見方もできます。そこで、同じプロンプト・同じ AI モデルの中で、自社サイトが引用された回答と引用されなかった回答の言及率を比べました。

推薦型の19,338回を対象に、プロンプトとモデルの組み合わせ443通りの中で比べると、引用された回答の言及率は平均で 25.8ポイント高く なりました(オッズ比 8.7)。

ただし、因果関係までは断定できない

この結果は、引用と言及が強く相関していることを示しています。

ただし、「引用されたから名前が出た」のか、「AI が自社を候補として検討したから自社サイトも読んだ」のか、という因果関係までは断定できません。
どちらにせよ、引用される回答を増やすことが、言及される回答を増やすことと強く相関している点は変わりません。


推奨されるかどうかは、言及された時点でほぼ決まる

言及された回答の87.9%は3位以内に入っていた

引用・言及・推奨の3つは「引用される(読まれる)→ 言及される(名前が出る)→ 推奨される(薦められる)」と順に積み上がる段階です。

このうち、言及から推奨への段階はほとんど詰まっていませんでした。推薦型の質問で自社名が出た回答のうち、87.9% が3位以内に入っています。21サービスを横断して見ても、言及率と推奨率の相関係数は 0.99 で、ほぼ一緒に動いています。

ただし1位に限ると、言及された回答の約半分

一方で、1位として紹介された回答は、言及された回答の 48.8% でした。AI は名前を挙げた時点でほぼ上位の候補として扱うものの、筆頭に置くかどうかは半々です。

言及率が上がってきた段階では、1位率を次の指標として追う価値があります。


この目安が当てはまるのは「推薦型」の質問だけ

「自社名を含む質問」は、引用の有無に関係なく言及率は約75%

本記事の分析は、AI に候補を挙げさせる「推薦型」の質問(「〇〇のおすすめは?」「〇〇に強い会社は?」など)を対象にしています。質問の型によって、引用と言及の関係はまったく違うためです。

プロンプトの型は、編集部が質問文の内容から分類しましたので、自社サイトの引用状況を計測する際の参考にしてみてください。

質問の型回答数引用率言及率言及率(引用あり)言及率(引用なし)
指名(自社名を含む)86349.0%75.1%74.0%76.1%
推薦型(候補を挙げさせる)19,33822.1%18.1%37.8%12.5%
解説型(用語や方法を説明させる)5,08020.7%3.9%16.8%0.5%

自社名を含む質問では、引用の有無に関係なく言及率は約75%でした。AI は質問に出てきた名前を、そのまま回答に使います。指名の質問に対して、引用対策はほぼ必要ありません。

用語を解説させる質問は、引用されても名前が出るのは16.8%

「〇〇とは?」「〇〇の違いは?」のような解説型の質問では、自社サイトが引用されても、名前が出るのは 16.8% でした。

AI は解説の根拠として自社サイトを使っても、事業者の名前を挙げる必要がないためです。計測するプロンプトに指名や解説型が混ざっていると、言及率の平均は実態からずれます。 KPI は質問の型ごとに分けて見ることをおすすめします。


AIモデル別:引用率10%を狙いやすいAI、狙いにくいAI+

AI Overviewsでは、言及の3分の2が自社サイトの引用から生まれている

引用が言及に結びつく度合いは、AI モデルによっても違いました。推薦型の質問について、モデル別に集計した結果です。

AI モデル引用率言及率言及率
(引用あり)
言及率
(引用なし)
自社名が出た回答のうち、自社サイトが引用されていた割合
Google AI Overviews32.9%19.5%39.6%9.7%66.6%
Google AI Mode24.5%22.5%49.2%13.8%53.5%
Perplexity25.5%10.9%15.9%9.2%37.1%
Gemini17.8%24.4%49.4%19.0%36.0%
ChatGPT11.2%13.3%38.0%10.2%32.0%

Google AI Overviews では、自社名が出た回答の3分の2で自社サイトが引用されていました。 引用を取ることが、そのまま言及につながりやすい AI です。

引用率10%を目標にした施策の効果が、もっとも表れやすいと考えられます。

GeminiとChatGPTは、引用以外の要因の比重が大きい

一方、Gemini は引用がない回答でも言及率が 19.0% と高く、自社名が出た回答のうち自社サイトが引用されていたのは 36.0% でした。

AI が学習済みの知識で名前を挙げている割合が大きいと考えられます。ChatGPT は引用率そのものが 11.2% と低く、引用の効き方が見えにくい AI です。

Perplexity は引用率が高い一方で、引用されても名前が出るのは 15.9% にとどまりました。Gemini・ChatGPT では、第三者メディアでの露出や指名検索の底上げなど、引用以外の打ち手の比重を上げる必要があります。


自社のプロンプトを「引用率10%」で仕分ける3ステップ

①計測しているプロンプトを「指名・推薦型・解説型」に分ける

まず、計測しているプロンプトを質問の型で分けます。

自社名を含む質問は指名、「おすすめ」「比較」など候補を挙げさせる質問は推薦型、「〜とは」「違い」「方法」など説明を求める質問は解説型です。

ただし、引用率10%の目安を使うのはこのうち「推薦型」のプロンプトだけです。

分けたあとは、型ごとに見る目的を変えます。新しい見込み客の候補に挙がるかどうかが決まるのは推薦型なので、計測するプロンプトの大半を推薦型にし、言及率・推奨率・1位率の KPI も推薦型で見るのがおすすめです。指名と解説型は、次のような確認用に数本ずつ残しておけば十分であると考えます。

質問の型見る目的見るべき指標計測する量の目安
推薦型候補として挙がるか言及率・推奨率・1位率(主な KPI)全体の大半
指名自社がどう語られているか説明が正確か、好意的か、誤った情報がないか数本
解説型情報源として使われているか引用率、AI 経由の流入数本

②推薦型のプロンプトごとに引用率を出し、10%未満を洗い出す

次に、推薦型のプロンプトごとに、回答のうち自社サイトが引用された割合(引用率)を出します。

サービス全体の平均ではなく、プロンプト1つずつに出すのがポイントです。そのうえで、引用率が10%未満のプロンプトを一覧にします。

③10%未満は引用される情報源づくり、10%以上は自社サイトの外側での言及を増やす

引用率が10%未満のプロンプトは、まず AI に引用される情報源になることを優先します。

そのプロンプトの質問に回答できるページが存在しなければ、引用されることはありません。そのため、まずは正面から答えるページを用意する、すでに AI が参照している第三者メディアに掲載される、といった施策がマストです。

10%以上のプロンプトは、引用率をさらに上げるよりも、比較サイトや業界メディアなど自社サイトの外側で自社名が語られる機会を増やす施策に切り替えます。

LLMOA(エルモア)で、プロンプトごとの引用率を確認する

プロンプトごとの引用率を出すには、AI の回答1回ごとに、自社名が出たかどうかと、どの URL が根拠として引用されたかを記録し続ける必要があります。

グラッドキューブの LLMOA(エルモア)では、プロンプト一覧で質問ごとの言及状況を確認でき、情報源分析では自社のどのページが、どのプロンプト・どの AI モデルの回答で引用されたかを確認できます。

引用率10%に届いていないプロンプトを見つけ、優先して手を打つ起点として活用できます。

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まとめ:AI対策は、まずプロンプトごとの引用率10%から

本記事のデータをもとにした、取り組みをロードマップにまとめました。

ステップやること目安・判断基準
1. 仕分ける計測するプロンプトを指名・推薦型・解説型に分け、大半を推薦型にするKPI は推薦型の言及率で見る
2. 測る推薦型のプロンプトごとに引用率を出す10%未満のプロンプトを洗い出す
3. 引用を取る10%未満のプロンプトに答えるページを用意し、AI が参照する第三者メディアに載るまず引用率10%(10%以上のプロンプトでは言及ゼロは4.3%)
4. 外側で語られる10%を超えたプロンプトは、比較サイトや業界メディアで自社名が語られる機会を増やす言及の約半分は自社サイトの外側から生まれている
5. 順位を上げる言及されるようになったら、1位率を追う言及の87.9%は3位以内、1位は約半分

AI モデル別では、Google AI Overviews がもっとも引用と言及の結びつきが強く、ステップ3の効果が表れやすい AI です。「どこまで引用を増やせばよいか」の答えは、まずプロンプトごとに引用率10%です。

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よくある質問(FAQ)

Q. AI に名前を挙げてもらうには、どれくらい自社サイトが引用されればよいですか? 
A. 目安は、プロンプトごとの引用率10%です。LLMOA で計測した推薦型の200プロンプトでは、引用率10%以上のプロンプトで言及ゼロは4.3%にとどまり、一度も引用されないプロンプトでは63.8%が言及ゼロでした。
Q. 引用率を10%より高くすれば、言及率はさらに上がりますか?
 A. 上がりますが、伸びはゆるやかです。自社名が出た回答のうち自社サイトが引用されていたのは46.2%で、残りは第三者のページや AI の学習済み知識から名前が出ています。10%を超えたら、自社サイトの外側で自社名が語られる機会を増やす施策が有効です。
Q. 引用率10%の目安は、どんな質問にも当てはまりますか? 
A. 当てはまるのは、候補を挙げさせる推薦型の質問です。自社名を含む質問では引用の有無に関係なく言及率は約75%、用語や方法を説明させる解説型の質問では、引用されても名前が出るのは16.8%でした。
Q. 引用率を上げる施策の効果が出やすい AI はどれですか? 
A. Google AI Overviews です。自社名が出た回答のうち、自社サイトが引用されていた割合は66.6%で、5つの AI モデルの中でもっとも高い結果でした。Gemini や ChatGPT は、引用以外の要因で名前が出る割合が大きくなっています。

参照・引用出典

一次情報(株式会社グラッドキューブ 自社調査)

本記事のデータは、株式会社グラッドキューブが提供する AIO・LLMO 対策プラットフォーム「LLMOA(エルモア)」で計測した自社調査の結果です(2026年3〜9月計測時点)。サービス名は匿名化しており、個別の測定条件は非開示です。プロンプトの型(指名・推薦型・解説型)は、編集部が質問文の内容から分類しました。

  • グラッドキューブ調べ(LLMOA 計測):21サービスの回答データ(回答総数25,281回、BtoB 6サービス・BtoC 15サービス)。質問の型別の引用率・言及率、言及率と推奨率の相関係数 0.99
  • グラッドキューブ調べ(LLMOA 計測):推薦型の200プロンプト(回答20回以上)のプロンプト単位分析。引用率10%以上の94プロンプトで言及ゼロ 4.3%・言及率平均 27.7%、引用率0%の47プロンプトで言及ゼロ 63.8%
  • グラッドキューブ調べ(LLMOA 計測):推薦型19,338回の、同一プロンプト×同一 AI モデル内での比較(443通り)。引用あり・なしの言及率の差 平均25.8ポイント、オッズ比 8.7
  • グラッドキューブ調べ(LLMOA 計測):推薦型の AI モデル別集計(ChatGPT・Gemini・Perplexity・Google AI Overviews・Google AI Mode)