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ITP 対策完全マスター(概要編)

みなさま、こんにちは。
グラッドキューブ プロモーション事業部の袁です。

2017年9月に Safari ブラウザに「 Intelligent Tracking Prevention (以下: ITP )」と呼ばれるトラッキング抑制機能が搭載されたことが発表されました。
さらに2018年6月に、 ITP 1.0 を強化するため、 Apple ・ iOS 12 のウェブブラウザに搭載された ITP 2.0 が発表されました。

これらのアップデートによって、 Safari ブラウザ上でトラッキングが機能せず、ウェブ広告でのコンバージョンを正確に計測できない可能性があります。
従来通り Safari ブラウザ上でコンバージョン計測ができるように、 新しいコンバージョン計測方法を導入することをおすすめいたします。

今回のエントリでは、 ITP 対策の意味を概要編として解説します。
ITP 対策の設定手順は次回以降の記事でご紹介してまいります。

ITP 対策を未だ実施していない広告主様はぜひご覧ください。

Cookie とトラッキング

ITP を理解するためには、 Cookie とトラッキングの仕組みを理解することが非常に重要です。
そのため、 ITP をご紹介する前に、まずは Cookie とトラッキングの仕組みについてご説明いたします。

Cookie とは

Cookie とは、ウェブサイトがブラウザを通じて訪問者ごとに識別データを発行し、一時的に訪問者のパソコンやスマートフォンに保存させる仕組みです。
識別データには、ユーザーが訪問したウェブサイト、訪問回数、会員登録情報など様々な情報が記録されています。

例えば、 ユーザーが EC サイトに ID とパスワードを入力してログインすると、会員登録情報が保存され、 Cookie が生成されます。
ユーザーがもう一度同じ端末の同じブラウザにアクセスすると、上述した Cookie はブラウザからサーバーに送信されるため、 ID とパスワードを入力せず、すぐにログインすることができます。

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なお、 Cookie には2種類あります。
1つが 1st Party Cookie 、もう1つが 3rd Party Cookie です。
両者間の違いは Cookie の発行元のドメインです。

1st Party Cookie は、ユーザーが訪問しているウェブサイトのドメインから直接発行されます。
3rd Party Cookie は、ユーザーが訪問しているウェブサイト以外のドメインから発行されます。

例えば、ユーザーがあるウェブサイト( www.gladcube.com )に訪れたとします。
このとき、「 www.gladcube.com 」は 1st Party と呼ばれます。
そして、「 www.gladcube.com 」が発行している Cookie が 1st Party Cookie です。

また、ユーザーがこのウェブサイトのバナー広告を閲覧すると、訪問しているウェブサイトは別のドメイン( www.adserver.com )になります。
1st Party である「 www.gladcube.com 」から見て第三者であるため、「 www.adserver.com 」は 3rd Party となるのです。
そして、「 www.adserver.com 」から発行されている Cookie が 3rd Party Cookie となります。

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この2つの Cookie の違いは、 1st Party Cookie が閲覧中のサイトポリシーに則り個人的な情報を取得するのに対し、 3rd Party Cookie はユーザーが自ら意識して選んだ閲覧中のサイト以外の仕組みにより、個人的な情報が流用されている点です。

そのため、ユーザーがブラウザやセキュリティソフトにより Cookie の受け入れを制限する傾向が、近年高まっています。

トラッキングとは

トラッキングとは、ユーザーのインターネット上での行動を追跡し、情報を収集することです。
様々な情報を収集するため、 上述した Cookie を利用します。

例えば、ユーザーがアパレルを販売しているウェブサイトにアクセスする際に、ユーザーの閲覧履歴を記録した Cookie が発行され、ブラウザ上で保存されます。
そのユーザーが前回と同じ端末の同じブラウザで、前回訪問したアパレル会社の広告を出しているウェブサイトにアクセスすると、保存された Cookie の閲覧履歴が参照され、ユーザーが興味を持つ可能性がある新商品の広告が表示されます。

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トラッキングによって、ウェブサイトを訪問した、製品を購入した、あるいは購入しなかった、など様々なセグメントのユーザー行動データを取得することができます。
これにより、より詳細にユーザーの行動を分析することができ、ユーザービリティの良いウェブサイトに改善するなど、様々な用途に活用することができます。

ITP 1.0 と ITP 2.0

ITP 1.0 は、 Apple ・ iOS 11 のウェブブラウザ「 Safari 」に搭載された、トラッキングを制限するセキュリティ機能です。
ITP 2.0 は ITP 1.0 の強化バージョンであり、 iOS 12 のウェブブラウザに搭載されています。

ITP は 3rd Party Cookie の動きを制限し、複数のウェブサイトを跨いたトラッキング(クロスサイトトラッキング)を防止することでユーザーのプライバシーを守ります。

ITP 1.0 では、3rd Party Cookie の24時間以内でのクロストラッキングが可能ですが、24時間を超える場合は、 3rd Party Cookie は消滅し、トラッキングができなくなります。
30日を超えると、 3rd Party Cookie 、 1st Party Cookie が両方無効になり、トラッキングができなくなります。
さらに、 ITP 2.0 のリリースにより、これまでは24時間保持されていた 3rd Party Cookie も、即時利用不可となります。

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なぜ ITP 対策が必要なのか

コンバージョンとは、予め決めた成果ポイントをユーザーが達成することです。
インターネット広告経由でどのくらい成果が出ているかを把握できることから、インターネット広告を行う際にはとても重要な指標です。

インターネット広告配信サービスや広告効果測定ツールでは、通常 3rd Party Cookie でデータを取得します。
そのため、 ITP 2.0 のセキュリティが強化されたことによって、 3rd Party Cookie の動きが制限されると、ユーザーが広告経由でウェブサイトに訪問し、達成したコンバージョンを測定できなくなります。

そのため、広告による効果を正常に把握していくために、 ITP 対策は必須です。

まとめ

今回のエントリでは、 ITP 対策の概要をご紹介いたしました。
また、対策の具体的な設定手順は今後のエントリでご紹介いたします。

変化の早いインターネット広告業界では、新しい情報をキャッチアップし、柔軟に対応することが必要です。

当社では、インターネット広告の効果を正しく測定するため、常に知識の蓄積と成果測定方法の更新を行っております。

インターネット広告の成果測定と改善にお困りの方は、是非お問い合わせください。

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