Google 広告の数値とGoogle Analyticsの数値が異なる理由とは?
こんにちは。
グラッドキューブ マーケティングソリューション事業部の久保です。
近年、アクセス解析の重要性が説かれ、多くの企業様でGoogle Analyticsなどのアクセス解析ツールの導入が進んでます。
2013年8月では、上場企業の64%がGoogle Analyticsが導入しておりましたが、2015年12月になると上場企業の78%が導入をしているといった調査結果が出ております。
・2013年 上場企業におけるGoogle Analyticsの導入状況調査
http://nexal.jp/blogs/2645.html
・2015年 上場企業におけるGoogle Analyticsの導入状況調査
http://nexal.jp/blogs/20151225170217.html
インターネット広告を配信する際にも、ランディングページの改善は非常に重要になります。
ユーザーはランディングページの内容を見て、購入や申し込みなどのコンバージョンを行うのかの判断をしておりますので、ランディングページを改善することはCVRに直結する非常に重要な施策になります。
例えば、流入が10,000あるランディングページでCVRが1%とするとコンバージョンは100件となります。
このランディングページを改善することでCVRが0.1%上昇し1.1%になると、コンバージョンは110件と増加します。
たった0.1%の違いで、コンバージョンが10%も増加することになるので、ランディングページの改善は非常に重要になります。
弊社でもサイト解析のコンサルティングを行っており、ページの遷移数や遷移率を分析、ユーザーのフォームの使い方をチェックし、導線の改善や、操作をわかりやすくする改善を行った結果、フォームの入力完了率が167%改善された事例もあります。
http://sitest.jp/blog/?p=2620
サイト解析ツールの導入数が増加していることは好ましい傾向ですね。
また、パラメータを付与して広告の成果をGoogle Analyticsで確認されている方も多々いらっしゃるかと思います。
しかし、しばしばお客様から
「広告配信の数値とGoogle Analyticsの数値が異なる」
とご質問をお受けすることがあります。
そこで改めて、Google AnalyticsとGoogle AdWordsの数値の定義の違いをまとめてみたいと思います。
なぜGoogle AnalyticsとGoogle AdWordsで数字に違いがでるの?
・Google Analyticsのセッション数とGoogle AdWordsクリック数が一致しない
・コンバージョン数やコンバージョン率が違う
・そもそもきちんと計測できているの?
など疑問に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
Google AnalyticsとGoogle AdWordsでは指標の定義が異なり、それぞれ計測されるタイミングが異なります。
従って、Google AnalyticsとGoogle AdWordsで数値が異なるのは正常の反応となります。
各指標の定義と計測タイミング
クリック数とセッション数の違い
Google AdWordsのクリック数とGoogle Analyticsのセッション数はイコールではありません。
数値が異なる理由として、下記の理由が考えられます。
1.計測方法の違い
クリック数とセッション数では、計測方法が異なります。
Google AdWordsでは、広告のクリック毎に計測するのに対し、
Google Analyticsでは、30分以内のクリックは同一セッションとしてみなされるので1回しか計測が行われません。
例えば、ユーザーがブラウザを閉じることなく30分以内に広告を2回クリックした場合、Google Analyticsではセッション数に1回が計測されますが、Google AdWordsのクリック数には2回が計測されます。
具体的には、広告を1回クリックした後、[戻る]ボタンをクリックしてもう1回広告をクリックした場合、Google Analyticsでは1回のセッション、Google AdWordsでは2回のクリックが計測されるといったケースが考えられます。
上記の例外として、同一のユーザーであっても一度ブラウザを閉じたり、別のブラウザでサイトを訪れた際にも別のセッションとして記録が行われ、必ずしも例の通りに計測されるとは限りません。
その他にも、日付、参照元が変わると別セッションとカウントされ、同じユーザーでも複数回セッションが計測されます。
2.計測タイミングの違い
Google AdWordsとGoogle Analyticsでは計測のタイミングが異なります。
Google AdWordsでは広告がクリックされた瞬間にクリック数が計測されるのに対し、Google Analyticsではサイトに訪れタグが動作した瞬間に計測されます。
ユーザーは広告をクリックしても、ページの読み込み途中で別のページに移動したり、ブラウザの [中止] ボタンをクリックして表示を取り消したりする場合があります。
この場合はGoogle Analyticsのタグが実行されず、計測されませんが、Google AdWordsにはクリックが記録されます。
3.無効なクリックの除外
Google AdWordsでは、意図しないクリックや、不正なソフトウェアによるクリックなどは無効なクリックと判断され、数値から除外されます。
しかし、Google Analyticsではすべてのセッション数が計測されます。
4.Google Analyticsでの計測除外設定
ブラウザの拡張機能などでGoogle Analyticsをオプトアウトしているユーザーが広告をクリックした際には、Google AdWordsではクリックが計測されますが、Google Analyticsではセッション数が計測されず、差異が生じることがあります。
その他にも、Google Analyticsタグ設置の漏れやリダイレクトなどによりGoogle Analyticsのタグが正常に動作しないなどといった不具合も考えられます。
コンバージョンと目標の違い
Google AdWordsのコンバージョンとGoogle Analyticsのコンバージョンもイコールではありません。
Google Analyticsのコンバージョンの指標として、目標とトランザクションがあり、それぞれ計測方法は異なっておりますが、今回は目標について書かせて頂きます。(以下、目標をコンバージョンと記載しております。)
数値が異なる理由として、下記の理由が考えられます。
1.計測日時の違い
Google AdWordsでは、ユーザーがコンバージョンを達成した日ではなく、最後に広告をクリックした日にコンバージョンを記録します。
遅れコンバージョンと呼ばれているものです。
それに対して、Google Analyticsでは、ユーザーがコンバージョンを達成した日に計測が行われます。
例えば、11月20日に広告をクリックし、11月25日にブックマークを経て再度サイトにアクセスしコンバージョンをしたとします。
この場合、Google Analyticsでは11月25日にコンバージョンが計測され、
Google AdWordsでは11月20日にコンバージョンが計測されます。
2.関連付けの違い
Google Analyticsでは、ラストクリック型のアトリビューションモデルを使用しておりますので、最後にクリックした流入経路にコンバージョンが関連づけられます。
一方、Google AdWordsでは最後にクリックされた広告にコンバージョンが関連付けられます。
例えば、あるユーザーが広告をクリックし、一度離脱。
その後、オーガニック検索にて再度サイトにアクセスしコンバージョンをしたとします。
この場合、Google AdWordsでは広告の成果としてコンバージョンが計測されますが、
Google Analyticsではオーガニック検索からコンバージョンが達成されたとみなされます。
3.コンバージョンの計測方法の違い
Google Analyticsでは、コンバージョンは1セッションごとに各目標は1回のみ計測されます。
1セッションの間に複数同じコンバージョンを達成しても、1回のコンバージョンしか計測されません。
しかし、Google AdWordsではコンバージョンの計測方法を「すべて」と「1回」と切り替えることができます。
「すべて」で設定していると、1セッションの間に複数同じコンバージョンを達成しても複数回のコンバージョンが計測されます。
4.レポートへの反映時間の違い
Google Analyticsでは、最大72時間のデータ処理後にレポートへ反映が行われます。
Google AdWordsでは、毎日レポートに反映が行われ、データを見る期間によってはレポートへの反映ができておらず数値が異なる可能性があります。
5.Google Analyticsでの除外設定
クリックとセッション数の違いと同じように、ブラウザの拡張機能などでGoogle Analyticsをオプトアウトしているユーザーが広告をクリックしコンバージョンした際には、Google AdWordsではコンバージョンが計測されますが、Google Analyticsではコンバージョンが計測されず、差異が生じることがあります。
このようにコンバージョンの計測方法の違いにより、差が生じる場合があります。
おわりに
サイト解析ツールを導入している会社が増加しているように、サイト解析が重要という認識が広まってきました。
Google AdWordsの成果計測にしても、Google Analyticsの成果計測にしても、各指標の意味や定義をきちんと理解し分析を行う必要があります。
各数値の意味を理解することでなんとなくなどと感覚ではなく、しっかりと数値などの根拠に基づいた改善や提案が行えるようになります。
また、弊社でも自社開発のツールSiTestを開発し、サイト解析や改善など行っております。
ヒートマップ分析などの各ページ単位での分析に加え、デザイン・コーディングが不要でA/Bテスト行える機能やEFO対策として、入力支援機能の追加やフォーム統計の取得、モニタリングができるオールインワンのアプリケーションになります。
その他にも、AIを搭載し、SiTestを導入して頂いている150,000サイト以上のユーザーデータを集約し、自動的にサイトを改善するためのアクションプランをコメントで解説する機能も搭載しております。
広告だけの改善、サイトだけの改善など片方だけの改善では、効果は半減します。
広告配信の最適化とサイトの最適化を両軸から行っていきましょう。
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