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DMP 導入でなにができる?活用次第でCVが約15倍に

みなさま、こんにちは。
グラッドキューブ プロモーション事業部の野村です。
今回のエントリでは、「 DMP (=データ・マネジメント・プラットフォーム)」についてお話しいたします。
DMP をマーケティングに導入することで、アクセス解析や自社の顧客データにインターネット上の様々なデータをかけ合わせてより精緻なターゲティングを行なうことが可能となります。

DMP とは

DMP は、インターネット上のあらゆるデータを一元管理し、「誰にいつ、どのような形でアプローチするか」という広告配信のアクションプランを最適化できるプラットフォームです。
DMP を導入することで取得できるデータは、以下になります。

・ホームページのアクセス解析データ(閲覧ページ数や閲覧ページの内容など)
・インターネット広告配信データ
・属性データ
・購買データ

DMP 導入のメリットは、これらのデータを蓄積・分析し、従来ではアプローチできなかった層に向けてターゲティングして広告を配信できる点です。
また、ターゲティングをコントロールできるということは、広がり過ぎたターゲティングを絞り、訴求したいユーザー層を限定して配信することも可能です。

理想的なインターネット広告の配信は、自社の商品やサービスと親和性が高く、コンバージョンへのモチベーションが高いユーザーに向けて訴求することです。
DMP は、ユーザーの過去の行動や嗜好をさまざまな角度から自動で分析してくれるため、最適な訴求対象に向けて効率的にマーケティング施策を打つことができるのです。

DMP と一口に言っても、大きく分けて2つの種類があり、「オープン DMP 」「プライベート DMP 」と呼ばれています。
それぞれの特徴と、国内の主要な DMP を見ていきましょう。

オープン DMP

オープン DMP は、自社以外のさまざまなウェブサイトへのアクセス履歴から、ユーザーの属性情報や興味関心・嗜好性などのオーディエンスデータを取得できるものです。
自社で保有していない莫大な量のデータを活用して消費者行動や属性を獲得し、広告の配信を行なえるのが魅力です。
国内の主要なオープン DMP をご紹介します。

● Yahoo! DMP
Yahoo! DMP は、月間740億PVを誇る国内最大級の DMP です。
商品の購入履歴データはもちろん、 Yahoo! JAPAN のページ閲覧履歴なども活用できます。
データの収集・保管は原則無料で提供されており、専門のチームが導入に向けた設定のサポートをしてくれるため安心です。

● Intimate Merger
Intimate Merger は、 DMP 専業最大手の株式会社インティメート・マージャーが提供する DMP です。
約4億件のオーディエンスデータを提供し、Google や Yahoo! のディスプレイネットワークをはじめとした広告掲載面や、アクセス解析などの各種マーケティングツールとの連携が充実しています。

プライベート DMP

オープン DMP が自社以外のオーディエンスデータを収集できるのに対し、プライベート DMP は自社で保管している既存顧客のデータを管理・保管できるプラットフォームです。
上で紹介いたしましたオープン DMP と、このプライベート DMP をかけ合わせてユーザー分析を行ない、自社の顧客が外部サイトでどのような行動をしているのかを把握することができます。

● Rtoaster
プライベート DMP として、国内で最大の規模を誇るのは Rtoaster です。
大手企業をはじめとした250社以上の企業で導入されています。
このサービスでは、サイトやアプリ内でのユーザー行動や、 SNS のデータも一元で管理できます。
Rtoaster の強みは、収集したデータをもとにレコメンドエンジンを駆使してターゲットにアプローチできる点です。
レコメンドエンジンは、ECサイトを見ているとよく表示される「この商品を見た人はこんな商品も見ています」といったおすすめ機能です。
膨大なデータからユーザーを分析できるため、このレコメンドの精度も高く、併売促進やリピート促進の質を向上させることができます。

● Juicer
Juicerは、無料で提供されている国内プライベート DMP です。
このサービスの最大の特徴は、誰にでもわかりやすい、ユニークなUXです。

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データから洗い出したターゲット像を写真付きで解説してくれるので、どんなユーザーにアプローチをかけるのがいいのかイメージがしやすくなっています。
また、無料にもかかわらずPV制限なしでA/Bテストやユーザーの導線分析を行なうことができるのも、このサービスの大きな魅力です。

DMP 導入の事例

ここまでは主要な DMP についてご紹介してまいりました。
では、 DMP をどのような方法でマーケティングに活用できるのか、実例を用いてご紹介いたします。

● DMP × ランディングページ最適化で会員登録促進

自社のデータとオープン DMP を掛け合わせて会員登録数を伸ばした例があります。

株式会社マクロミルは、ウェブサイトの来訪者を DMP を用いて「会員」「非会員」に分類しました。
会員のみがアクセスできるページに DMP タグを埋め込んで会員用cookieを発行し、「cookie保持者=会員」「cookie非所持者=非会員」と定義しました。
さらに、非会員をオープン DMP に蓄積されたオーディエンスデータで分析して、性別×年代でセグメント化したのです。

まず、「会員」がウェブサイトに訪れた際には、お友達紹介キャンペーンのバナーをサイト上に掲載。
「会員」が知り合いにサイトを紹介して、知り合いが登録を完了すると、「会員」にポイントが付与される仕組みを展開しました。
一方で、「非会員」がウェブサイトに訪れた際はユーザーを性別×年代で12通りのセグメントに分類し、それぞれに対してサイトのデザインを変更、さらに新規会員登録バナーを掲載しました。
つまり、DMP で分析したデータからユーザーをセグメント化し、属性ごとにランディングページを最適化することで訴求力を強化したわけです。

DMP を導入するまでは、そもそもウェブサイトに訪れているのが会員なのか非会員なのかも把握できていませんでした。
しかし、 DMP のデータを用いてユーザーひとりひとりの属性を分けることで、ターゲティングとクリエイティブを最大限にマッチさせたマーケティング施策を可能にしたのです。

● DMP データから、潜在ユーザーの中でも確度の高いユーザーだけをターゲティング

ANA グループの航空・運送事業を担う全日本空輸株式会社は、ANA マイレージクラブの会員に向けて提供している『 ANA カード』のデジタルマーケティングを成功させるために、 Yahoo! DMP を導入しました。
このキャンペーンでは、カード会員の中でも「ゴールドカード会員」の増加を目的としていました。

同社では、ウェブサイト訪問ユーザーに対して、サイトリターゲティングで再訪を促す方法を取っていました。
しかし、この方法ではすでにカードを持っているユーザーへの広告は無駄になるうえ、サイトに訪問していないユーザーに訴求ができませんでした。

そこで同社は DMP を導入し、既存の会員が持つステータスのデータによって「ゴールドカード所持へのモチベーションの高いユーザー」のセグメントを作成しました。
そのセグメントごとに広告クリエイティブの要素を変更し、サイト訪問者以外のユーザーにアプローチをかけました。
結果、的確にターゲットの幅を拡大し、コンバージョン数は約15倍に増加、CPAも約7%減という素晴らしい成果を上げることに成功したとのことです。

実際に飛行機に搭乗したユーザーや ANA カードの会員など、すでに自社で保有していた顧客データは限定的なものにすぎませんでした。
そこに Yahoo! DMP が持つ多種多様なビッグデータをかけ合わせて分析し、PDCAを回していくことで、従来では気づくことがなかったセグメントへのアプローチが可能になったのです。

おわりに

DMP の導入によってターゲットを明確にし、広告配信を最適化できるメリットをお伝えしてまいりました。
とはいえ、顧客データをやり取りするため、導入の敷居が高いと感じる方もいらっしゃるかと思います。
上記で紹介いたしました国内の大手 DMP は、高いセキュリティ体制下でデータを管理しています。
そのため、当エントリの事例のような大手企業をはじめ、旅行代理店や化粧品会社など多くの企業で導入が進んでいます。

しかし、ただ単に DMP を導入してデータを分析するだけでは意味がありません。
人の手で処理するのは到底不可能なほど膨大なデータを DMP が蓄積・分析した後は、それをいかに自社のマーケティング戦略に落とし込み、成果を改善していくかが重要です。

ターゲティングの改善ポイントを洗い出し、PDCAサイクルを高速で回すことができるのが DMP 導入におけるメリットです。
この機会に DMP 導入をご検討いただき、御社のマーケティングに活かしてみてはいかがでしょうか。

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