【記事の要約(ここだけでもポイントは掴めます)】
- SparkToro(Rand Fishkin著)/ Similarweb が2026年6月8日に発表したデータによると、2026年1〜4月の米国Googleにおけるゼロクリック率は68.01%。2024年の60.45%から+7.56ポイント上昇し、10年前の約45%から見ると23ポイント増加。この加速の主因はAI Overviewsの拡大(全検索の20%超に展開)で、AI Overview表示時のCTRは約60%低下(Ahrefs調査)。
- 「今回のゼロクリック増加はAI ModeではなくAI Overviewsが主因」:重要な補足として、2026年1〜4月の期間でAI Modeへ進んだ検索はわずか0.34%。AI Modeはほぼ影響していない(SparkToro原文より)。
- SEOチームが今すぐ変えるべき3つのKPI:①セッション数→AI引用率(AI Share of Voice)、②クリック獲得→ブランド権威形成、③検索依存チャネル→メール・SNS・コミュニティなど検索外チャネルへの予算シフト。
最新情報データまとめ
| 68% ゼロクリック率(2026年Q1) | +7.6pt 2年間の上昇幅(2024→2026) | -60% AI Overview表示時のCTR低下率 |
1. 背景理解:「ゼロクリック率」68%という数字について
2026年1〜4月の米国Googleデータを分析したSparkToro(Similarwebのクリックストリームデータを使用)の調査によれば、Googleで行われた全検索のうち68.01%が「ゼロクリック」、つまり何もクリックせずに終わっていることが明らかになりました。

📊 SparkToro / Similarweb 調査データ(2026年Q1)
- 2026年Q1(1〜4月)ゼロクリック率:68.01%(米国)
- 2024年のゼロクリック率:60.45%(2年間で+7.56ポイント)
- 検索からのクリック獲得率:2024→2026で22.9%減少(「Clicks 1X+」の最大変化)
- 10年前(2016年頃)のゼロクリック率:約45%(過去10年で23ポイント上昇)
- AI Overviewsが表示される検索の割合:20%超(全検索のうち)
- AI Overview表示時のCTR低下率:約60%減(Ahrefs 調査)
- AI Modeへ進んだ検索の割合(2026年1〜4月):わずか0.34%(主因はAI Overviewsであり、AI Modeではない)
10年前は「検索の半分はクリックされる」という前提がありました。それが今や、クリックされる検索は3割以下という状態です。この変化は突然起きたわけではありませんが、AI Overviewsの大規模展開によってその速度が急激に加速しています。
データの注記(SparkToro原文より):2016・2019年のデータはJumpshot、2024年はDatos(Semrush傘下)、2026年はSimilarwebのクリックストリームパネルを使用しており、厳密には同一パネルではありません。ただしRand Fishkinは「最も近い比較データ」として公開しています。
2. なぜ今これほど速く進んでいるのか:AI Overviewsの影響
Googleは2025年以降、AI Overviews(旧SGE)を全検索の20%以上に展開しています。問題は、AI Overviewsが表示された検索でのCTRが約60%低下するという実証データ(Ahrefs調査)です。

ユーザーはもはや、検索結果ページを離れる必要がなくなりつつあります。料理レシピ・製品比較・旅行情報・ビジネス用語の定義・ライフハックまで、かつてクリックを生んでいたあらゆるクエリで、Googleが「その場で答え」を提供し始めました。
また、SparkToroのデータで見逃せないのはもう一つの変化です。「検索を実行した割合」が2024年→2026年で+7.2ポイント増加しています。つまり、ゼロクリックが増える一方で、Googleは「もっと検索させる」ことには成功しています。その結果、広告収入も増加しており、この構造はGoogleが意図的に設計したものです。
重要な補足:「今回の急増はAI ModeではなくAI Overviewsが主因」
SparkToro原文では、2026年1〜4月にAI Modeへ進んだ検索はわずか0.34%と明示されています。AI Modeの影響はまだ軽微であり、ゼロクリックの主因はAI Overviewsです。ただし、AI ModeはI/O 2026時点で月間10億ユーザー超に急成長中であり、2026年後半以降のデータには影響が出始める可能性があります。
一方、AIが回答として引用するコンテンツはどこかから来ています。引用されたサイトには一定のトラフィックが流れますが、引用されなかったサイトのトラフィックはほぼゼロになります。これが「AI時代の勝者総取り」構造です。

3. 日本企業への影響:決して「対岸の火事」ではない
この調査は米国のデータですが、日本市場も例外ではありません。GoogleのAI Overviewsは2024年後半から日本でも段階的に展開されており、2026年には主要ジャンルで常時表示される状態になりつつあります。
特に影響を受けやすい分野は以下の通りです。
- 情報収集型コンテンツ(「〜とは」「〜の方法」「〜比較」系記事)
- 医療・金融・法律・不動産など専門性の高いジャンル
- レシピ・旅行・ライフスタイル系メディア
- BtoB企業の「用語解説」「ハウツー」ページ

逆に相対的に影響が小さいのは、ブランド指名検索・EC商品検索・ローカル検索(店舗来店目的)など、ユーザーが特定の行動先を決めている検索です。ここに「次の戦い場」があります。
4. 戦略的示唆:今すぐ変えるべき「3つのKPI」
① セッション数からAI引用率(AI Share of Voice)へ

Google Analytics上のオーガニックセッション数だけを見ていては、ビジネスインパクトの実態が見えなくなります。自社ブランド名・商品名・サービス名がAI検索の回答にどれだけ引用されているかを計測する仕組みを今から整備すべきです。
Googleは2026年6月にSearch Consoleに「生成AIパフォーマンスレポート」を追加しており、AI Overviewsからのインプレッション計測が可能になりました。まずここからデータ取得を開始してください(詳細はINSIGHT CUBEの関連記事を参照)。
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【Search Console 新機能の詳細】AIに「選ばれるサイト」と「無視されるサイト」の差が、数字でわかる:Google Search Console AI検索レポートとコンテンツ除外機能の全貌
② コンテンツ投資の判断基準を「クリック獲得」から「ブランド権威形成」へ

「検索順位1位を取れるコンテンツ」ではなく「AIに引用されるコンテンツ」を書くことが目標になります。以下の要素が重要です。
- 一次情報・調査データ・自社事例など「AIが自身では生成できない情報」の包含
- 著者名・組織名・専門性の明示(エンティティとしてのブランド認知向上)
- 権威あるメディア・業界媒体からのアーンドメディア露出の拡大(Highly Cited獲得)
- 構造化された簡潔な回答フォーマット(AI要約に引用されやすい形式)
③ 「検索外チャネル」のLTV最大化へ予算をシフト
ゼロクリック化が進む中で相対的に重要性が増しているのが、メール・SNS・コミュニティなど、「検索に依存しない顧客接点」です。一度「ファン化」した顧客はAI検索に影響されにくく、リテンション率も高い傾向があります。
「AIに引用されているか」を可視化する
ゼロクリック化が進む今、「AIが自社ブランドをどう認識・引用しているか」を把握していないマーケターは、競合に後れを取るリスクがあります。グラッドキューブのLLMOA(エルモア)は、ChatGPT・Gemini・AI Overviewsなど主要な生成AIが自社ブランドをどう認識・引用しているかを可視化し、GEO・LLMO施策の立案から実行・効果検証までをワンストップで支援します。
5. 編集後記:「SEOは終わった」のではなく「進化した」
この数字を見て「SEOは終わりだ」と結論づけるのは早計です。正確には「クリック獲得ゲームとしてのSEOは終わりに近づいている」ということです。
AIに引用される信頼できる情報源(Preferred Source)になること、ブランド名を指名検索されること、ゼロクリックでも「認知だけは刷り込まれる」コンテンツを作ること。
これらが次の「コンテンツマーケティング」の姿です。

さて、「あなたのサイトは今、AIに引用されていますか?」その答えが「わからない」であれば、今日から計測を始める価値があります。ぜひ、以下の5つのアクションプランに沿って、明日から対策をしていきましょう。
今日から取れる5つのアクション

- 1. Search Consoleの「生成AIパフォーマンスレポート」でAI Overviews経由のインプレッションを確認する
- 2. 主要キーワードでChatGPT・Gemini・Perplexityに自社が引用されているか手動チェックする
- 3. コンテンツ方針に「AI引用されやすい一次情報の包含」を明示的に加える
- 4. SEOチームのKPIに「AI Share of Voice」指標を試験的に追加する
- 5. アーンドメディア戦略(PR・業界媒体掲載)をSEO予算と統合して議論する
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【参照・引用出典】
In 2026, Less than One Third of Google Searches Still Send a Click(SparkToro / Rand Fishkin, 2026年6月8日):https://sparktoro.com/blog/in-2026-less-than-one-third-of-google-searches-still-send-a-click/
Google zero-click searches hit 68% in early 2026: Study(Search Engine Land / Barry Schwartz, 2026年6月):https://searchengineland.com/google-zero-click-searches-2026-study-479717
AI Overviews Reduce Clicks(Ahrefs):https://ahrefs.com/blog/ai-overviews-reduce-clicks-update/
AI Overview Triggers(Ahrefs):https://ahrefs.com/blog/ai-overview-triggers/


