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【Google広告】拡張コンバージョンの種類と導入の際の注意点について解説!

本記事のポイント
■ 拡張コンバージョンは、顧客のメールアドレスなどのデータを安全にハッシュ化してGoogleに送信し、Cookie規制下でも正確にコンバージョンを計測する機能です。
■ オンラインで完結する「ウェブ向け」と、オフラインの営業活動や商談データを連携させる「リード向け」の2種類があり、自社のビジネスモデルに合わせて選択できます。
■ 導入には計測精度の向上や自動入札の最適化といったメリットがある一方、プライバシーポリシーへの明記やユーザーの事前同意など、個人情報の厳格な取扱いが必須です。
近年、インターネット上におけるプライバシー保護の動きが急速に強まっています。ブラウザのセキュリティ強化やCookie(クッキー)規制などの影響によって、従来のタグだけではCVを正確に計測することが難しくなってきました。
このような課題に対する強力な解決策として、Google広告が提供している機能が「拡張コンバージョン」です。自社で獲得したファーストパーティデータをハッシュ化して安全に活用することで、Cookieに頼らない正確な計測環境を整えることができます。
本エントリでは、拡張コンバージョンの基本的な概要から仕組み、ウェブ向けとリード向けの種類、導入するメリットやデメリット、および導入前に必ず押さえるべき個人情報の取扱いやプライバシーポリシーの整備など、導入にあたって必要な情報を網羅して解説いたします。
目次
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拡張コンバージョンとは
拡張コンバージョンは、従来のタグベースのCV計測を補完する仕組みとして提供されています。
ウェブサイトの問い合わせフォームなどを通じてユーザーが入力した氏名、メールアドレス、電話番号、住所などのファーストパーティデータをハッシュ化し、Googleに送信します。
送信されたハッシュ化データと、広告をクリックした際にログインしていたGoogleアカウントの情報を照合することにより、計測漏れとなっていたCVを補完することができます。
近年個人情報保護の観点から、Safari・FirefoxではサードパーティCookieが既定でブロックされていること、Google Chromeは廃止は撤回されていますが、従来の計測方式では一部のブラウザやデバイスにおいてCVが計測されなくなっています。 拡張コンバージョンは、こうした技術的な変化に対応し、広告配信の計測精度を持続可能なものにするために提供されています。
(参照: Google広告ヘルプ 拡張コンバージョンについて)
Google広告で提供されている拡張コンバージョンについて
Google広告の拡張コンバージョンには、広告主様の目的やCVの発生する場所に合わせて、大きく分けて2つの種類が提供されています。それぞれの特徴と適したビジネスモデルについて解説いたします。
拡張コンバージョン(ウェブ向け)
拡張コンバージョン(ウェブ向け)では、ユーザーがウェブサイト上でCVした際、フォームに入力されたメールアドレスや電話番号などのデータをハッシュ化してGoogleに送信することで、コンバージョン計測を補完できる機能です。
例えば、BtoB向けのクラウドサービスにおいて、ウェブサイト上で無料トライアルの申し込みや資料ダウンロードが完了した時点で、そのフォームデータをGoogleに送信することでコンバージョン計測を補完します。 オンライン上でユーザーのアクションが完結するため、ECサイトはもちろん、ウェブサイトを起点としたリード獲得を狙うBtoBビジネスにおいても活用ができます。
(参照: Google広告ヘルプ 拡張コンバージョンについて)
リードの拡張コンバージョン
リードの拡張コンバージョンは、顧客データを活用し、オフライン コンバージョンのデータを補完することができる機能です。
この手法では、ユーザーがウェブサイトでフォームに入力した際に、システムがその顧客データ(メールアドレスなど)をハッシュ化してGoogleに送信します。その後、リードが商談化したり受注に至ったりしたタイミングで、広告主側でCRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)から、成約した顧客のハッシュ化された顧客情報をGoogle広告にインポートします。
これにより、Googleに送信されたデータとインポートデータが照合され、オフライン コンバージョンの貢献度が割り当てられ、計測精度を高めることができます。
例えば、資料請求や問い合わせフォームからリードを獲得した後、商談を経て数週間後や数ヶ月後に受注が決定するBtoBビジネスにおいては、オンラインのタグだけでは最終的な成果を計測できません。リードの拡張コンバージョン機能を使用することで、どの広告をクリックしたユーザーが最終的な受注に至ったのかを分析する等に活用できます。
(参照: Google広告ヘルプ 拡張コンバージョンについて)

拡張コンバージョンの仕組み
拡張コンバージョンがどのようにしてプライバシーを守りながら、正確なデータを計測しているのか、その技術的な仕組みについてお話しいたします。
(1)データ取得からハッシュ化の処理
ユーザーが広告からウェブサイトを訪れ、フォームへの入力を伴うCVアクションを起こすと、ウェブサイト上に設定されたCVタグが動作します。 このタグは、ユーザーがフォームに入力したメールアドレス、電話番号、氏名、住所などの個人データを取得します。
タグがデータを取得すると、Googleに送信する前に、ブラウザ上で自動的にハッシュ化の処理が行われます。ハッシュ化には「SHA-256」と呼ばれるアルゴリズムが使用されます。
※拡張コンバージョン(ウェブ向け)の場合のみ。リードの拡張コンバージョンではインポートする際にハッシュ化が必要です。
ハッシュ化は不可逆的な処理であるため、一度ハッシュ化した文字列から元のメールアドレスや氏名を復元することはできません。このようにハッシュ化された安全なデータ形式でGoogleのサーバーへと送信されます。
(2)ハッシュ化データの照合
Googleのサーバーに届いたハッシュ化データは、データが一致した場合、そのユーザーが過去に広告に対してどのような操作(クリックや視聴など)を行ったかを特定し、CVデータとして管理画面に反映します。その後Googleが保有している、ログイン中のGoogleユーザーアカウントのハッシュ化データと照合されます。
照合が終わると、Googleの広告アカウントでコンバージョンがレポートされます。
(参照: Google広告ヘルプ 拡張コンバージョンについて)

他の計測手法との違い
ここでは、通常の計測方式や、同じく顧客データを活用する「カスタマーマッチ」との違いを整理いたします。
通常のコンバージョン計測との違い
通常のCV計測は、主にウェブブラウザのCookieや、広告をクリックした際に付与されるパラメータ情報(GCLIDなど)を利用して、ユーザーの行動を追跡します。ユーザーが広告をクリックしてウェブサイトに流入し、CVに達するまでのセッションが同一のブラウザ内で維持されていれば、問題なく計測できます。
しかし、ブラウザのCookie制限が適用されている場合や、広告をクリックした端末(スマートフォンなど)と、実際にCVを達成した端末(PCなど)が異なる「クロスデバイス」の状況では、従来の仕組みではデータの紐づけが途切れてしまいます。
拡張コンバージョンでは、Cookieの有無に関わらず、ハッシュ化されたデータを用いて直接紐づけを行います。そのため、ブラウザの規制によってCookieが削除されてしまった場合でも、Googleアカウントを介して欠損したCVを補完することができます。
カスタマーマッチとの違い
拡張コンバージョンとカスタマーマッチは、どちらも広告主様が保有するファーストパーティデータを活用し、ハッシュ化を行ってGoogleアカウントと照合する仕組みは共通しますが、利用目的が明確に異なります。
カスタマーマッチは、すでに自社が保有している既存顧客のリストをCSVなどのファイルで広告管理画面にアップロードし、特定の配信対象(ターゲティング)を定義する機能です。
「このリストに載っているユーザーだけに広告を配信する」、あるいは「既存顧客リストを配信から除外する」といった、広告を配信する対象を決定するために使用します。
カスタマーマッチが配信ターゲットをコントロールする「ターゲティング機能」であるのに対し、拡張コンバージョンは広告の成果を正しく把握するための補完機能が大きな違いです。

カスタマーマッチについては、以下の記事で紹介しておりますので、合わせてご覧ください。
【Google広告】カスタマーマッチ完全ガイド!導入方法と押さるべきポイントについて解説 | 株式会社グラッドキューブ
https://www.glad-cube.com/blog/?p=52826
拡張コンバージョンを導入するメリット
拡張コンバージョンを導入することによる具体的なメリットは大きく3点あります。
(1)コンバージョン数の補完
サードパーティCookieの規制や、Apple社のITP(Intelligent Tracking Prevention)などのプライバシー保護機能により、従来のCVタグでは計測漏れが発生していると言われています。
拡張コンバージョンを実装することで、これらの技術的要因によって計測できていなかったCVデータを補完し、広告成果を漏れなくレポーティングすることが期待できます。
(2)自動入札(スマート自動入札)の最適化精度の向上
広告アカウント上のCVデータが不足していると、自動入札戦略がうまく働きません。 拡張コンバージョンによってCVの学習データが量・質ともに改善することで、AIが正しく学習を進め、結果としてCPA(顧客獲得単価)の抑制や獲得数の最大化に繋がります。
(3)クロスデバイスCVの正確な補足
例えば、仕事中にスマートフォンでGoogle検索を行い、気になったBtoBのサービス広告をクリックしたとします。 その場では登録せず、帰宅後に自宅のPCから同じサービスを検索して資料請求を完了させる、といった行動は日常的に行われています。
このようなデバイスをまたいだ行動は、従来のCookieベースの追跡では同一人物と特定しづらいです。 しかし、拡張コンバージョンであれば、スマホ時とPC時の両方で同じGoogleアカウントにログインしていれば、異なるデバイス間でのアクションであっても1つのCVとして正確に紐づけることができます。
(参照: Google広告ヘルプ 拡張コンバージョンについて)
拡張コンバージョンを導入するデメリット
拡張コンバージョンには多くのメリットが存在しますが、一方で導入に伴うデメリットや考慮すべき課題も存在します。
(1)導入時の技術的なハードルと開発工数
拡張コンバージョンを動作させるためには、ウェブサイトのソースコードを直接改修するか、Googleタグマネージャー(以下:GTM)を利用して、フォームに入力された値を正しく取得してハッシュ化する設定を組み込む必要があります。
特に、フォームの記述形式が複雑な場合や、動的に値が変わるウェブサイトを運用している場合、適切な変数の設定やテスト送信の検証など、専門的な技術知識を持つエンジニアの協力が不可欠です。 自社内のリソースだけで設定を完結させることが難しく、導入完了までに一定の社内調整や開発工数が発生する点が課題に挙げられます。
(2)十分なデータ量が必要
広告アカウントの配信ボリュームが極端に少なく、月に数件程度しかCVが発生しないような初期フェーズのアカウントにおいては、計測補完による最適化の影響を実感しにくいことがあります。
拡張コンバージョンは、ある程度のデータ量が蓄積されることでAIの機械学習が真価を発揮するため、まずは最低限のアカウント規模や予算を確保した上で実装を検討することが望ましいです。
(参照: Google広告ヘルプ 拡張コンバージョンについて)
【重要】拡張コンバージョンを導入する前に確認すべきポイント
拡張コンバージョンは、自社のウェブサイトを訪れた顧客の個人データをGoogleに送信する仕組みを伴うため、個人情報保護法をはじめとする法的な観点やプライバシーに関する取扱いを慎重にクリアしておく必要があります。
プライバシーポリシーへの明記
広告主様は、自社のウェブサイト上に掲載している「個人情報保護方針(プライバシーポリシー)」の内容を見直し、適切に改定する必要があります。
Google広告のカスタマーマッチや拡張コンバージョンのポリシーにおいては、顧客のプライバシー保護を担保するため、第三者とデータを共有していることを明確にプライバシーポリシーで開示することが義務付けられています。
具体的には、以下のような内容を分かりやすくウェブサイト上に明記する必要があります。
■ 広告の配信、計測、および最適化の目的で、顧客の個人データ(メールアドレス、電話番号など)を収集する場合があること
■ 収集した個人データはハッシュ化を行った上で、広告プラットフォーム(Google等の第三者配信事業者)に送信、照合されること
■ 照合されたデータは広告効果の測定やターゲティングの目的にのみ使用され、照合後は速やかに削除されること
(参照: Google広告ポリシーヘルプ カスタマーマッチのポリシー)

ユーザーの個人情報の使用許諾(事前同意)を必ず行う
個人情報保護法において、顧客の氏名やメールアドレス、電話番号などのデータは「個人情報」の保護対象です。
拡張コンバージョンを利用して、ウェブサイト上で入力された顧客データをハッシュ化した上でGoogle(第三者)へ送信する行為は、原則として「個人データの第三者提供」に類する取扱となります。
そのため、法令を遵守し、ユーザーとのトラブルを防ぐためには、データを第三者へ送信することについて本人から明確な使用許諾(事前同意)を得ることが望ましいです。具体的には、ウェブサイト上の資料請求フォームや会員登録フォームにおいて、以下のようなプロセスを設計することが必要です。
■ 個人情報の送信ボタンを押す前に、「当社のプライバシーポリシーおよび個人情報の取扱い(第三者提供を含む)に同意する」旨の文言を表示する
■ 同意を示すチェックボックスを設置し、ユーザーが能動的にチェックを入れた状態でなければ、フォームの送信ができない仕組み(オプトイン)を構築する
単にプライバシーポリシーへのリンクを設置しておくだけでは、十分な「本人の同意」を得たとは見なされない場合が多いです。ユーザーが「自分のデータが広告計測のためにハッシュ化され、安全な方法で照合に利用されること」を理解、承諾した上で情報を入力できるような、丁寧なフォームの画面設計を心がけてください。
(参照: 個人情報保護委員会 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編))

BtoB向け事業者さまでの導入例
ここでは、当社の実際のお客さまで拡張コンバージョンを導入した例を解説いたします。
(1)拡張コンバージョンを導入した背景
拡張コンバージョンを導入した背景として、当時Google ChromeでCookieが廃止される発表があり、従来のコンバージョン計測ができなくなる懸念がありました。
Cookieの廃止は2024年7月に撤回されましたが、従来のコンバージョン計測は欠損が発生する懸念は残るため、Cookieによらずにコンバージョンの欠損を補いつつ、広告のパフォーマンス改善に向けた分析にも活用する点が導入の背景としてありました。
(2)導入後のコンバージョンデータの変化
お客さまで導入した機能はリードの拡張コンバージョンで、前述の通りユーザーが入力した顧客情報と、Googleが保有するGoogleアカウントとの照合により、実際に広告管理画面上でもオフライン コンバージョンとして確認ができるようになりました。
一方で顧客情報とGoogleアカウントが一致しない場合、実際のお問い合わせデータとの不一致が発生するケースもあるため、広告管理画面上のデータと、実際のリード情報は照合しながら広告の成果を評価することが重要です。
拡張コンバージョンに関するよくある質問(FAQ)
Q1:拡張コンバージョンとはどのような機能ですか?
A1:拡張コンバージョンは、従来のタグベースのコンバージョン計測を補完する機能です。顧客のメールアドレスや電話番号などのファーストパーティデータを暗号化(ハッシュ化)してGoogleに送信し、Cookie規制下でも正確に効果測定を行うことができます。
Q2:拡張コンバージョンの「ウェブ向け」と「リード向け」の違いは何ですか?
A2:ウェブ向けはオンライン上で資料請求や購入などのアクションが完結するビジネスに適しています。一方、リード向けは、オンラインで獲得した見込み顧客がその後オフラインの商談や営業活動を経て成約に至るBtoBビジネスなどに適しています。
Q3:導入する前にプライバシーポリシーの改定は必要ですか?
A3:はい、必須です。Google広告のポリシーにおいて、広告主は第三者とデータを安全に共有している旨をプライバシーポリシーに開示することが義務づけられています。また、ユーザーから事前に個人情報の第三者提供に関する同意(使用許諾)を得る必要があります。
まとめ
本エントリでは、Google広告が提供する「拡張コンバージョン」の全体像から種類、仕組み、および導入前にクリアすべき重要なプライバシー対応についてお話しいたしました。
拡張コンバージョンの導入にあたっては、システム上のタグ設定を正しく完了させることだけでなく、ユーザーの個人情報を安全に守るためのルール作りや、プライバシーポリシーへの明記、使用許諾の獲得といった「プライバシーに配慮した設計」を両立させることが絶対条件です。
適切な準備を行い、正しい手順で拡張コンバージョンを実装して、機械学習の力を最大限に活かした効率的な広告運用を実践してください。
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