あなたの広告は何点?品質スコアが与える影響とは
みなさま、こんにちは。
グラッドキューブ プロモーション事業部の釜谷です。
本エントリでは、主要な広告媒体である Google AdWords 、 Yahoo! プロモーション広告 、 Facebook 広告で、キーワードや広告につけられているスコアについてご紹介いたします。
このスコアは掲載順位を決めるオークションに欠かせないものと言われており、スコアを上げることで広告の費用対効果を改善できます。
スコアとは何なのか、何がスコアを決めるのか、またどのようにスコアを向上させるのかを併せてお伝えいたします。
※2018年7月24日をもって Google AdWords の名称は Google Ads に変更になります。
本エントリでは Google AdWords の名称を用いて記載いたします。
スコアとは何か
キーワードや広告につけられているスコアは媒体によってその呼称が異なりますが、基本的には1~10の10段階の数字で表されるものです。
- ■ Google AdWords : 品質スコア
- ■ Yahoo! プロモーション広告 : 品質インデックス
- ■ Facebook 広告 : 関連度スコア
スコアを決める要素は媒体によって異なります。
Google 検索ネットワーク(以下: GSN )と Yahoo! スポンサードサーチ広告(以下: YSS )のように、同じ検索広告を比較しても、スコアを決める要素は異なるので注意が必要です。
実際のオークション時に参照されている広告の品質は、より多くの要素を考慮した上で算出されています。
品質スコアや品質インデックス、関連度スコアは広告の全般的な品質を10段階の数字で表したものです。
媒体別スコアについて
Google AdWords
Google AdWords では、主に以下の3つの要素が品質スコアを決定しています。
- ■ 広告の関連性
- ■ ランディングページの利便性
- ■ 推定クリック率
参考: 品質スコアとは | AdWords ヘルプ
それぞれの要素を詳細に説明すると以下の通りです。
広告の関連性
検索内容に込められたユーザーの意図と広告との一致の度合
ユーザーが検索している内容と広告が示している内容の一致の度合いが見られています。
例えばユーザーが「牛乳 パン」と検索しているとき、求めているものが「牛乳パン」であれば「食べ物」の広告はユーザーが意図する結果と一致したものになるでしょう。
ですが、求めているものが「ミルクパン」であれば「調理器具」が意図する結果と一致することが予想されます。
検索語句が一部異なるだけでユーザーの求めるものが食べ物にも調理器具にもなり得るため、ユーザーの検索語句から意図をしっかりと掴み取る必要があります。
改善策
- ■ 関連性の低いキーワードで広告が表示されないよう除外キーワードを設定する。
「牛乳 パン」での検索では食べ物に関するウェブサイトが上位に表示されており、「ミルク パン」での検索では調理器具に関するウェブサイトが上位に表示されています。
参考:牛乳 パン | Google 検索
参考:ミルク パン | Google 検索
検索結果の傾向から、「牛乳 パン」で検索するユーザーは食べ物を求めている可能性が高いと判断できます。
調理器具を販売している場合は、「牛乳 パン」を除外することで食べ物を求めている傾向の高い検索を除外できます。
食べ物を販売している場合は、「ミルク パン」を除外することで調理器具を求めている傾向の高い検索を除外できます。
-
他には以下のような改善策が考えられます。
- ■ ユーザーが検索している語句と広告文の内容が一致するように表現を調整する。
- ■ 広告のターゲットを絞り込んだ小規模な広告グループにキーワードを移動させる。
- ■ 同一の広告では対応しきれないキーワードを他の広告グループに移動させ、対応した広告文を作成する。
出典: 品質スコアの診断結果をもとに対策を施す | AdWords ヘルプ
ランディングページの利便性
ユーザーにとってのページの関連性、情報の透明性、操作性
訪れたウェブサイトがユーザーの求めているものと一致しているかどうか、求めている情報が手に入りやすいかどうか、ウェブサイトがユーザーにとって使いやすいものかどうかが見られています。
例えば服が購入できるウェブサイトだと思ったら、服の組み合わせをプレビューできるウェブサイトだった場合、ウェブサイトの内容はユーザーが期待しているものとは異なりますので、ユーザーがウェブサイトから離脱してしまうことが予想されます。
もしくは存在しない「購入」ボタンを探してウェブサイト内を回遊し続けるかもしれません。
実際に服が購入できる EC サイトだったとしても、購入までの流れが不透明で分かりづらかった場合、ユーザーは服の購入を諦めてしまう可能性があります。
改善策
- ■ ユーザーの検索語句に対応したランディングページにユーザーを誘導する。
検索窓に文字を入力して検索する一連の行動は同じですが、検索語句が異なると求めているものも異なります。
「ワンピース おすすめ」で検索しているユーザーは、様々なワンピースの比較を検討していると考えられます。
「ワンピース 購入」で検索しているユーザーは、ワンピースを購入するサイトや場所を探していると考えられます。
参考:ワンピース おすすめ | Google 検索
参考:ワンピース 購入 | Google 検索
複数商品を販売している EC サイトを運営されているとしたら、検索語句によって遷移先を変更することをおすすめします。
「ワンピース オンライン」の検索には、ワンピースの一覧ページを遷移先に指定した広告を表示します。
「ワンピース 黒」の検索には、黒いワンピースの一覧ページを遷移先に指定した広告を表示します。
またどれだけ素敵な服の写真を掲載していても読み込みに時間が掛かっていてはユーザーはたちまち離脱してしまうでしょう。
なかなかページが読み込まれない時、閲覧を諦めた経験はございませんか。
実際に、読み込み時間が2秒経過すると9%のユーザーが離脱し、5秒経過すると38%ものユーザーが離脱してしまうというデータがあります。
参考: Does Page Load Time Really Affect Bounce Rate? | Pingdom Royal
改善策
- ■ モバイル端末でもスムーズに動作するようにウェブサイトを作り変える。
近年スマートフォンをはじめとしたモバイル端末ユーザーが増えている傾向にあります。
そのため、モバイル端末でも滞りなく読み込めるウェブサイトに設計することが大切です。
ウェブサイトのコンテンツを厳選し、画像の量やバックで動作するスクリプトを減らしてウェブサイトを軽量化しましょう。
Google が提供しているサービスを用いて、お持ちのモバイルサイトの読み込み速度と離脱率をシミュレーションできます。
参考:モバイルサイトの読み込み速度とパフォーマンスをテストする – Google
-
他には以下のような改善策が考えられます。
- ■ 広告のクリックの先にあるユーザーが得られるものを明確にした広告文を作成する。
出典: 品質スコアの診断結果をもとに対策を施す | AdWords ヘルプ
推定クリック率
過去の掲載結果から推定されるクリック率
広告の過去のクリック数やインプレッション数が考慮されています。
例えばブランドバッグを販売しているウェブサイトを探している複数のユーザーは、それぞれ求めているものが違うと予想されます。
同じブランドバッグに興味のあるユーザーでも、魅力に感じるポイントは人によって異なります。
「最大20%オフ」のような割引や、「最高品質の革素材」のような高級感など、思わずユーザーがクリックしたくなるポイントは様々です。
複数の訴求ポイントを交えて、ユーザーのニーズに合った広告を作成する必要があります。
改善策
- ■ 商品やサービスが持つ特長を強調する。
販売している商品の強みを分析し、競合商品に優っているポイントを積極的に強調します。
牛革の中でも特に品質の高い牛革を用いたバッグであれば、「最高品質の革素材」というポイントはユーザーにとって魅力的なポイントになります。
-
他には以下のような改善策が考えられます。
- ■ よりユーザーを説得できるような広告文を作成する。
- ■ 行動を促すフレーズを含む広告文を複数作成しユーザーが求めている行動を測定する。
- ■ ユーザーにイメージを持ってもらえるように具体性の強い広告文を作成する。
出典: 品質スコアの診断結果をもとに対策を施す | AdWords ヘルプ
Yahoo! プロモーション広告
Yahoo! プロモーション広告 では主に以下の2つの要素が品質スコアを決定しています。
- ■ 広告の関連性
- ■ 推定クリック率
参考: 品質インデックス | Yahoo!プロモーション広告 ヘルプ
Yahoo! プロモーション広告 の改善策については Google AdWords のものと著しく類似しているため、本エントリでは省略いたします。
Facebook 広告
Facebook 広告では大きく分けて以下の2種類の要素が品質スコアを決定しています。
- ■ リンククリック、いいね!やシェア
- ■ 広告の非表示や報告
参考:関連度スコアについて | Facebookヘルプセンター
それぞれの要素を詳細に説明すると以下の通りです。
リンククリック、いいね!やシェア
ユーザーによる広告に対するエンゲージメント
ユーザーが広告を見てリンクをクリックしたり、いいね!やシェアなどの行動を起こしているということは、ユーザーが広告内容に興味を持っているということです。
広告の内容がユーザーにとって興味のあるコンテンツとして Facebook に認識されることで、広告が掲載されやすくなります。
また同じ広告が長期間配信されているとユーザーが広告内容に飽き、エンゲージメント率が低下することがあります。
エンゲージメント率が低下することで、ユーザーにとって興味のないコンテンツとして認識されるため、広告の掲載オークションにおいて不利になります。
改善策
- ■ 年齢や興味・関心のターゲティングを詳細に設定し、想定されるペルソナに適した広告を配信する。
年齢や興味・関心を適切に設定していても、商材に興味のあるユーザーの地域分布には偏りがあることが考えられます。
配信のパフォーマンスデータを確認し、成果の良いターゲティングへの配信を強める調整をすることをおすすめします。
-
他には以下のような改善策が考えられます。
- ■ カスタムオーディエンスを利用し、広告に対して「いいね!」や「シェア」などの反応を起こしたユーザーと類似したユーザーに広告を配信する。
- ■ 同一の広告を配信し続けるとエンゲージメント率が低下することがあるため、ターゲット層に合わせた新しい広告を配信する。
広告の非表示や報告
ユーザーによる広告の非表示や報告の否定的な行動
ユーザーが広告を非表示にするということは、ユーザーにとってその広告は不必要だということです。
また、ユーザーが広告を報告するということは、ユーザーにとってその広告は不適切だと考えられているということです。
ユーザーが広告が不適切であると Facebook に報告することで、その広告は Facebook から低い評価を受ける可能性があります。
ユーザーによる報告は、広告の右上部からメニューを開き「広告を報告」を選択することで行われます。
改善策
- ■ 不適切または誤解を招くコンテンツの使用を避ける。
受け取る人によって著しく意味が変わる表現の使用は避けることをおすすめします。
ユーザーが期待しているものと異なる印象を与えてしまいかねないため、ターゲットしているユーザーの誰が見ても広告内容が伝わる広告を作成します。
-
他には以下のような改善策が考えられます。
- ■ 広告の A/B テストを実施して、ターゲット層が求めている広告内容を測定する。
- ■ より広告に興味を持ってもらえるユーザーに広告を配信するため、ターゲティングを再設定する。
おわりに
複数の要素が影響しあって算出される10段階のスコアは、広告のパフォーマンスを客観的に見る指標として用いられます。
スコアを上げることが目標になってしまっては元も子もありませんが、ユーザーに対して適切な広告を配信することがスコア増加に繋がることを考えれば、時にはスコアに注目してパフォーマンスを分析してみるのも良いのではないでしょうか。
当社ではスコアをはじめ、様々な指標を確認しながらきめ細やかな広告運用を行っております。
インターネット広告の配信をご検討中の方は是非お気軽にお問合せくださいませ。
SNSでもお役立ち情報をお届けします!