【初心者向け】動画広告の作成・改善ノウハウまとめ – 設計フレームワーク AIBAC ・ ABCD ・ CAMS –
YouTube / Instagram / TikTok などの SNS や、街中のモニター、タクシー車内などユーザー体験の中で動画が占める割合が増加しております。
そんな中、インターネット広告でも動画広告の需要が増えており、実際に静止画と比較して動画のほうが成果が良くなるケースも増えてまいりました。
ですが動画広告は静止画と比較し、画像やテキスト、時間軸、音楽など複雑な要素が組み合わさってできているため、ポイントを押さえた制作や長期的な改善が必須です。
本エントリでは、動画広告の作成ノウハウ、改善していくための AB テストの方法をお伝えいたします。
目次
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動画広告概要
動画広告は、現代のマーケティング戦略において重要な役割を果たしています。
動画はストーリーテリングや感情の伝達に優れており、商品やサービスをより魅力的に伝えることができます。さらに、動画は多くのオンラインプラットフォームで広告配信が可能であり、視聴者の目に触れやすい状況を作り出せます。
なぜ動画広告なのか
YouTube / Facebook / Instagram / X (旧 Twitter ) / TiKTok などの SNS のユーザーの増加で、インターネットで動画を見るユーザーは爆発的に伸びており、市場もかなり拡大しています。
目的も多種多様で、顧客獲得、認知度向上、アプリインストール、マーケティングデータ収集など、どのような業種にも求められてきております。
動画広告の市場規模
動画広告市場規模は右肩上がりで伸びており、2024年には7,209億円を突破する予測となっています。
スマートフォンが普及し、 YouTube などのプラットフォーム、 SNS での動画利用が当たり前になる中で広告枠としてユーザーに触れる機会が増えています。広告におけるクリエイティブとして、静止画バナーでなく動画がメインになってきつつあります。
(出典:サイバーエージェント 2023年国内動画広告の市場調査を発表)
動画広告ではフレームワークが重要
動画広告は、魅力的なコンテンツを提供するだけでなく、正しいフレームワークに基づいて構築されることで目的に応じた成果を獲得しやすくなります。
動画広告で代表的なフレームワークは3点あります。
(1) AIBAC
(2) ABCD
(3) CAMS
以下では、そのポイントを分かりやすく解説します。
(1)動画広告制作フレームワーク AIBAC
実際の動画広告を作成できる際に活用できるフレームワーク「 AIBAC 」をご紹介いたします。
AIBAC は 成果フォーカスの動画コミュニケーション開発ツール「 リチカ クラウドスタジオ」を提供する株式会社リチカ が提唱するフレームワークです。
(出典:リチカ クラウドスタジオ)
(引用:PRTIMES 動画広告の制作ノウハウや知識がなくても、簡単に最適なクリエイティブ制作が可能な新しいフレームワーク『AIBAC(アイバック)』を公開)
A:Attention
「 Attention 」は「注意を引く」を意味し、視聴者の関心を引き付けることを指します。
動画広告の冒頭部分に挿入され、視聴者の注意を引くことが主な目的です。
「 Attention 」では、冒頭2秒間でユーザーの興味関心を惹くキャッチコピーや画像を配置します。
動画広告は平均再生時間が冒頭の数秒になることが多く、冒頭が占める成果への影響はかなり大きい傾向にあります。
I:Interest
「 Interest 」は「興味を引く」を意味し、視聴者の興味を引くことを目指します。動画広告の中間部分に配置され、視聴者の興味を惹きつける内容が含まれます。
「 Interest 」は冒頭の次のカットが該当します。商品に絞って伝えることで冒頭で興味を惹いたユーザーに対しサービスの興味関心を惹くことを狙います。
あらゆる情報を入れるのではなく、ユーザーに刺さる特徴のみを簡潔に伝えることで、短い間でも効果的に興味関心を惹くことができます。
B:Benefit
「 Benefit 」は「利益を伝える」を意味し、視聴者に商品やサービスの利点を伝えることを指します。動画広告の中盤に挿入され、製品やサービスのメリットや利点が強調されます。
「 Benefit 」では、前カットでサービスの概要をつかんだユーザーに対しサービスのメリットを伝えることで、実際に使用したときに結果としてどうなるのかなどをイメージしてもらい興味関心を強めることが狙いです。
この部分でも内容を詰め込みすぎずあくまでユーザーに一番伝えたい内容のみで構成することがおすすめです。
AC:Action
「 Action 」は「行動を促す」を意味し、視聴者に特定の行動を起こすように促すことを指し、主に最後のカットが該当します。具体的な行動を示すことで動画広告を視聴したユーザーに対し行動を促します。
主な文言としては、「広告をクリック」や「まずは資料請求から」などのワンフレーズが挙げられます。
(2)ABCD フレームワーク
「 ABCD フレームワーク」とは、 Google が推奨する動画のフレームワークで、効果的な動画クリエイティブを生み出すために必要な要素をまとめたものです。
フレームワークの構成要素である「 ATTRACT (引きつける)」、「 BRAND (ブランド)」、「 CONNECT (つなげる)」、 「 DIRECT (指示する)」の各要素をそれぞれ紹介します。
(参照:Think with Google コンバージョンを促す動画広告に必要な「ABCD フレームワーク」で TrueView アクション広告を分析する)
A:ATTRACT
「 ATTRACT 」 は「惹きつける」を表し、視聴者の興味関心を動画広告に引き付けることを指します。 ATTRACT の重要な要素は以下の3つです。
(1)構図:被写体をアップで映すこと。商品や人物などを映像の中心に配置する。
(2)ペース:冒頭5秒間に複数のシーンを交えること。シーンの切り替えを早めることで視聴者の興味を引き続ける。
(3)人物:冒頭に人物を映すこと。可能であれば、人物が視聴者に語りかけるシーンを盛り込む。
視聴者の興味を動画冒頭で引くには、短時間で映像を切り替えたり、被写体をアップで映すなどインパクトを持たせる工夫が必要です。
B:BRAND
「 BRAND 」は「ブランド」を指し、自社ブランドを強調し、視聴者にブランドを認知してもらいます。
BRAND の重要な要素は以下の3つです。
(1)紹介:冒頭の5秒間で商品やブランドを視聴者に紹介します。
(2)強調:各企業のマーケティング目標に合わせて、効果的なロゴ表示を行います。
(3)位置:YouTubeの表示方法に配慮し、ロゴは通常中央から左に配置します。
「 ATTRACT 」で視聴者の興味を引いた後のシーンでは、宣伝したいサービスや商品、ブランドロゴを強調してアピールします。繰り返しアピールすれば良いわけではなく、表示するタイミングや配置も重要です。
C:CONNECT
「 CONNECT 」は「つながる」を指し、広告を視聴した視聴者とブランドを結びつけることを意味します。 CONNECT の重要な要素は以下の2つです。
(1)惹きつける:視聴者の感情に訴える手法を活用します。(感動、ユーモアなど)
(2)関連付ける:広告の冒頭に人物を登場させると、視聴者を引き込むことができ、感情的なつながりを築けます。そのため、人物はストーリーの中心に置かれます。
CONNECT では、視聴者の感情に訴えるために音楽やエフェクトなどを用いてストーリーを伝える工夫を施します。
D:DIRECT
「 DIRECT 」は 「誘導する」を指し、視聴者に具体的な行動を提示することを意味します。
「 DIRECT 」の重要な要素は以下の3つです。
(1)提示する:アニメーションやナレーション、テキストカードなどを使い、行動を促すフレーズを示します。
(2)動機付ける:「期間限定」「数量限定」「無料モニター」など、切迫感やお得感を与えます。
(3)行動を促す:具体的な行動を促すフレーズ「詳細はこちらから」「購入はこちら」などを使用し、行動喚起を行います。
(3)CAMS フレームワーク
CAMS は、 YouTube 広告やテレビ番組などで利用されるフレームワークです。このフレームワークは、視聴者から期待する行動を引き出しやすい特徴があります。
C:CATCH
「 CATCH 」は「つかみ」を意味し、視聴者の注意を引く部分です。
動画の冒頭数秒間に1〜2カット挿入します。視聴者を引きつけ、最後まで見てもらうことを目指します。
特に、視聴者の感情に寄り添った内容を入れることが効果的です。
A:APPEAL
「 APPEAL 」は「アピール」を意味し、商品やサービスの魅力を伝える部分です。
視聴者が認識しやすいブランドのロゴや商品の特長、サービスの利点などを視聴者に紹介します。
M:MOTIVATE
「 MOTIVATE 」は「動機づける」を意味し、視聴者に行動を起こす動機を与える部分です。
視聴者の課題や悩みを解決できることを伝え、行動を促します。
情報は詰めこまずに簡潔に伝え、視聴者にとって理解しやすい内容にすることが大切です。
S:SUGGEST
「 SUGGEST 」では、視聴者に行動を促す提案をします。
商品の購入やダウンロード、申し込みなどの行動を促します。視聴者が行動しやすいように、具体的な理由やメリットを伝えると効果的です。
また最後の後押しとなるような「今だけ無料」などのおトクさや手軽さを加えることで、よりユーザーのアクションに繋げやすいです。
動画広告の AB テストのステップ
次に動画の改善ステップに関してご紹介します。
動画広告は、画像やテキスト、時間軸、音楽など複雑な要素が組み合わさってできているためテストを繰り返し最善の組み合わせを見つけることが成果改善には必須になります。
その改善のステップとしては以下が一例として挙げられます。
(出典:リチカ クラウドスタジオ)
STEP 1:訴求テスト
ユーザーに刺さると思われる訴求をテストしていきます。
具体的には、冒頭2-3秒間のテキストや素材を訴求に合わせたものにするなどが挙げられます。
動画広告は平均再生時間が1-5秒程度になる傾向が多く、訴求テストにより成果が大きく分かれるケースが多くあります。
STEP 2:ブラッシュアップテスト
効果的に訴求をより魅力的にするために、動画全体のテキストや素材をテストしていきます。
一度にすべてを行うのではなく、一回のテストに対し変更点は1つのみに限ることでどこが成果に影響したのかがわかるように行っていきます。
STEP 3:見せ方テスト
訴求と動画全体のテキスト、素材のテストが定まってきたらフォーマットのテストを行います。
アニメーションの見せ方によってもユーザーが受ける印象は異なるので、これまでのテスト結果をもとにユーザーに刺さりそうなデザインにしていきます。
STEP 4:複数サイズ展開
動画の内容、見せ方が決定したら最後にサイズの展開や訴求内容をLPに反映させるなど動画以外の部分にもテスト結果を活用します。
おわりに
本エントリでは、 動画広告の作成ノウハウ、 PDCA の回し方をお伝えしてきました。
動画広告は静止画に比べ伝えられる情報量やユーザーの理解度にも違いがあります。しかし複数の要素が組み合わさって動画になっているため、作り切りではなく細かな調整を長期にわたって行っていくことで成果改善につながります。
動画広告を作成、調整していく際には、ぜひ本エントリでご紹介したノウハウをご活用ください。
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