Google 広告のカスタム列にスプレッドシート関数が追加!使用可能な関数や設定方法をご紹介
みなさま、こんにちは。
グラッドキューブ マーケティングソリューション事業部の殿下です。
2022年4月、 Google 広告のカスタム列に新機能が追加され、新しいスプレッドシート関数の使用や、複数期間の集計・比較などが可能になりました。なかでも関数の追加によって複雑な計算も可能になり、これまでより幅広い種類の指標が作成できるようになりました。
本エントリでは、カスタム列に使用可能な関数や設定方法についてご紹介します。
▼カスタム列とは
――カスタム列の機能紹介
――カスタム列のメリット
▼関数の追加で新たにできるようになったこと
――データの内訳を一度に確認できる
――条件分岐「~を果たしているかどうか」を作成・表示できる
カスタム列とは
カスタム列の機能紹介
カスタム列とは、「条件を指定して Google 広告のデータの一部を取り出し、分析することができる機能」
です。(引用: Google 広告 ヘルプ カスタム列について)
例えば、コンバージョンアクションに「資料請求・お問い合わせ・バナーをタップ」の3つを設定している場合、デフォルト指標の「コンバージョン」では3つのコンバージョンアクションの合計値が表示されます。そのため、どのコンバージョンが何件獲得できているのか、一度に確認することができません。
カスタム列を使用すれば、それぞれのコンバージョンの数値を個別に表示できるため、管理画面で数値の確認・比較ができます。
カスタム列のメリット
カスタム列のメリットは、分析に適したオリジナルの指標を作成できる点です。
計算式や条件を組み合わせたオリジナルの指標を作成しておけば、分析のたびに「分類」からデータの内訳を表示させたり、データをエクスポートして手動で集計したりする時間を削減できます。
その他にも下記のような機能があります。
■ カスタム列とラベルを組み合わせることで、指標に「ラベル」を追加できる。設定したラベルを指標として表示でき、必要なデータを表示する工数を削減できる。
■ Web 広告の知識がないユーザーにも分かりやすいように指標名を変更できる。(例:「コンバージョン」→「購入」)
■ リアルタイムで集計されるため、常に最新のデータを表示できる。
(参照: Google 広告 ヘルプ カスタム列について)
関数の追加方法
戻り値とパラメータについて
関数を組み立てるには「戻り値」と「パラメータ」の入力が必要です。
「戻り値」とは関数によって出力される値を指します。関数によって戻り値の形式は異なり、数値・テキスト・日付・ True / False などがあります。
「パラメータ」とは関数の定義内に入力する変数を指します。後述する「設定可能な関数の紹介」でxやyが()内に記載されていますが、そこがパラメータの入力箇所です。
「パラメータ」を材料に関数を動かし、その結果出力されたものが「戻り値」になります。
続いて関数の追加方法についてご説明します。
① 管理画面の[表示項目]→[カスタム列]→[+カスタム列]をクリックします
② [+関数]ボタンをクリックしてメニューから関数を選択するか、関数名の冒頭を入力して、プルダウンに表示される候補から選択します
③ パラメータを関数名の後のカッコ内で指定し、複数ある場合はカンマで区切ります。
挿入した関数には仮の値としてプレースホルダー文字列が入っているので、そこを実際のパラメータ値に書き換えて、関数を完成させます。
④ 作成したカスタム列が追加され、戻り値が表示されます
関数の追加で新たにできるようになったこと
データの内訳を一度に確認できる
Google 広告で算出されたデータを管理画面で分析する際、データの内訳はカスタム列を使用することで一度に確認できます。しかし、デバイスごとのクリック率・コンバージョン率などの細かいデータの内訳は既存のカスタム列では作成できません。
追加されたスプレッドシート関数を使用すれば、上記のような細かいデータの内訳を管理画面で項目として追加でき、一度にデータの内訳を確認できます。
条件分岐「~を満たしているかどうか」を作成・表示できる
スプレッドシート関数を使用することで、関数にある「 if 文」のような条件分岐「~を満たしているかどうか」が確認できるようになりました。
「<」「>」などの不等号も使用できるため、設定した金額・数値よりも成果がどれだけ出ているのか・出ていないのか一目で確認することができます。
設定可能な関数の紹介
(1)算術
round(x)
[ x ] を最も近い整数に丸めます
戻り値の型:数値floor(x)
[ x ] 以下の最大の整数を返します
戻り値の型:数値ceiling(x)
[ x ] 以上の最小の整数を返します
戻り値の型:数値(2)論理
if(condition, if_true, if_false)
[ condition ] を評価し、条件が true である場合に [ if_true ] を、条件が false である場合に [ if_false ] を返します。戻り値のデータ型は、[ if_true ] ないし [ if_false ] と同じになります。
戻り値の型:場合によって異なるor(x, y, …)
パラメータのいずれかが true である場合に true を返します
戻り値の型: True / Falsenot(x)
[ x ] が false の場合に true を、[ x ] が true の場合に false を返します
戻り値の型: True / Falseand(x, y, …)
すべてのパラメータが true である場合に true を返します
戻り値の型: True / False(3)テキスト
concat(text1, text2, …)
2つ以上の文字列を組み合わせます
戻り値の型:テキストtrim(text)
文字列の前後の空白文字を削除します
戻り値の型:テキストright(text, length)
[ text ] の最後の [ length ] 文字を返します
戻り値の型:テキストleft(text, length)
[ text ] の最初の [ length ] 文字を返します
戻り値の型:テキストsubstitute(haystack, needle, replacement)
[ haystack ] に含まれる [ needle ] というテキストをすべて [ replacement ] に置き換えます
戻り値の型:テキストupper(text)
[ text ] 内のすべての文字を大文字に変換します
戻り値の型:テキストlower(text)
[ text ] 内のすべての文字を小文字に変換します
戻り値の型:テキストis_empty(text)
[ text ] に文字が含まれない場合に True を返します
戻り値の型: True / Falsestarts_with(needle, haystack)
[ haystack ] の文字列が [ needle ] で始まる場合に True を返します
戻り値の型: True / Falseends_with(needle, haystack)
[ haystack ] の文字列が [ needle ] で終わる場合に True を返します
戻り値の型: True / Falsecontains(needle, haystack)
[ haystack ] の文字列に [ needle ] が含まれる場合に True を返します
戻り値の型: True / Falselength(text)
[ text ] の文字数を返します
戻り値の型:数値search(needle, haystack)
[ haystack ] 内の最初の [ needle ] の開始位置を返します
戻り値の型:数値(4)変換
to_text(value)
[ value ] をテキストに変換します
戻り値の型:テキストto_number(value)
[ value ] を数値に変換します
戻り値の型:数値(5)日付
date(year, month, day)
数値で指定した年月日の日付を、日付データとして返します
戻り値の型:日付day(date)
日付データ [ date ] の日(月の何日目か)を数値で返します
戻り値の型:数値month(date)
日付データ [date] の月(1月~12月)を数値で返します
戻り値の型:数値quarter(date)
日付データ [ date ] の四半期(第1~第4四半期)を数値で返します
戻り値の型:数値year(date)
日付データ [ date ] の年(西暦)を数値で返します
戻り値の型:数値weekday(date)
日付データ [ date ] の曜日を数値(日曜を1として1~7)で返します
戻り値の型:数値weeknum(date)
日付データ [ date ] の週番号(日曜始まりで第1週~第54週)を返します
戻り値の型:数値daynum(date)
日付データ [ date ] の年間通算日番号(1~365または366)を数値で返します
戻り値の型:数値days_between(date1, date2)
[ date1 ] から [ date2 ] までの日数を返します
戻り値の型:数値offset_days(date, days)
[ date ] の日付を [ days ] の日数分だけ進めた(マイナス値なら戻した)日付を返します
戻り値の型:日付offset_months(date, months)
[ date ] の日付の月を [ months ] の月数分だけ進めた(マイナス値なら戻した)日付を返します。計算後の月の日数が足りず、存在しない日付になった場合は、その月の最終日を返します。
戻り値の型:日付offset_years(date, years)
[ date ] の日付の年に [ years ] の年数を加えます
戻り値の型:日付today()
カスタム列の所有者のアカウントのタイムゾーンで、当日の日付を返します
戻り値の型:日付yesterday()
カスタム列の所有者のアカウントのタイムゾーンで、前日の日付を返します
戻り値の型:日付week_start_sunday()
カスタム列の所有者のアカウントのタイムゾーンで、当日以前で直近の日曜日の日付を返します
戻り値の型:日付week_start_monday()
カスタム列の所有者のアカウントのタイムゾーンで、当日以前で直近の月曜日の日付を返します
戻り値の型:日付month_start()
カスタム列の所有者のアカウントのタイムゾーンで、当月の初日の日付を返します
戻り値の型:日付year_start()
カスタム列の所有者のアカウントのタイムゾーンで、当年の初日(1月1日)の日付を返します
戻り値の型:日付report_range_start()
そのレポートの現在の対象期間の開始日を返します
戻り値の型:日付report_range_end()
そのレポートの現在の対象期間の最終日を返します
戻り値の型:日付report_days_count()
そのレポートの開始日と最終日をもとに、対象期間の日数を返します
戻り値の型:日付
(引用: Google 広告 カスタム列で使用する関数について)
おわりに
本エントリでは、新しく Google 広告のカスタム列に追加されたスプレッドシート関数についてご紹介しました。
この機能の追加により、以前よりも効率的にデータを分析することが可能になりました。
スプレッドシート関数を用いて作成した列は、Google 広告のレポートエディタやダッシュボードなどのレポートツールでも利用が可能ですので、レポートを作成する際はぜひ活用してみてください。
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