5つのモデル「アトリビュージョンとは?」おススメ設定・それぞれのモデルを簡単解説
みなさま、こんにちは。
グラッドキューブ プロモーション事業部の野村です。
前回までのエントリでは、 Google 広告のアカウント構造や各階層ごとの役割、設定方法をご紹介してまいりました。
参考: Google 広告リスティング設定ガイド(アカウント構造編)
参考: Google 広告リスティング設定ガイド(アカウント・キャンペーン編)
参考: Google 広告リスティング設定ガイド(広告グループ編)
参考: Google 広告リスティング設定ガイド(共有ライブラリ編)
本エントリでは、 Google 広告の「アトリビューションモデル」についてお話しいたします。
アトリビューションモデルとは
ユーザーがコンバージョンに至るまでは、同じ広告主の複数の広告に接触している可能性があります。
アトリビューションモデルを活用することによって、その経路を可視化し、コンバージョンへの貢献度を正しく評価することができます。
アトリビューションモデルは、検索ネットワーク及びショッピング広告のコンバージョンアクションで利用することが可能です。
ディスプレイネットワークや、アプリ、電話発信のコンバージョンアクションでは、後述いたします「ラストクリックモデル」のみ利用することができます。
アトリビューションモデルの種類
Google 広告で利用できるアトリビューションモデルは以下の通りです。
- ■ラストクリックモデル
- ■ファーストクリックモデル
- ■線形モデル
- ■減衰モデル
- ■接点ベースモデル
- ■データドリブンモデル
次の項目からは、例をもとに各モデルでの考え方をご説明いたします。
今回のエントリでは、ユーザーがとある商品の購入に至るまでの、以下の4つの接点を例にお話しいたします。
- 1.ディスプレイのバナー広告をクリックして商品の存在を知る
- 2. YouTube にて動画広告を閲覧する
- 3.リマーケティングによって表示されたディスプレイのバナー広告をクリックする
- 4.ユーザーが商品名を検索して表示されたリスティング広告をクリックし、ランディングページにて商品を購入
■ラストクリックモデル
ラストクリックモデルは、ユーザーがコンバージョンに至る前、最後に利用したチャネルにコンバージョンへの貢献度を100%割り当てるモデルです。
このモデルでは、4.のリスティングのチャネルに100%の貢献度が割り当てられます。
■ファーストクリックモデル
ファーストクリックモデルは、ユーザーがコンバージョンに至るまでの経路における最初の接点となったチャネルに、すべての貢献度を割り当てるモデルです。
このモデルでは、1.のディスプレイのチャネルに100%の貢献度が割り当てられます。
■線形モデル
線形モデルは、ユーザーがコンバージョンに至るまでの経路におけるすべてのチャネルに均等に貢献度を割り当てるモデルです。
このモデルでは、1.から4.のモデルに25%ずつ均等に貢献度を割り当てられます。
■減衰モデル
減衰モデルは、コンバージョンまでの時間が短いクリックに、より多くの貢献度を割り当てるモデルです。
このモデルでは、1.のディスプレイチャネルに最も低い貢献度が割り当てられ、コンバージョンに至った4.のリスティングチャネルに最も高い貢献度が割り当てられます。
■接点ベースモデル
接点ベースモデルは、コンバージョン経路の最初と最後のクリックに40%の貢献度を割り当て、それ以外のクリックに残りの20%を均等に割り当てるモデルです。
このモデルでは、最初の接点である1.のディスプレイチャネルとコンバージョンに至った4.のリスティングチャネルに40%ずつ、残りの2.と3.のディスプレイチャネルにはそれぞれ10%ずつの貢献度が割り当てられます。
■データドリブンモデル
データドリブンモデルは、アカウントにおける過去のコンバージョンデータに基づいて貢献度を割り当てます。
データドリブンモデルを使用するには、アカウントに十分なデータが蓄積されている必要があります。
このモデルでの貢献度は各アカウントの状況に応じて Google の機械学習が自動的に割り当てるため、各広告主固有のモデルとなります。
アトリビューションモデルの設定方法
それでは、実際の画面を参照しながらデフォルトで設定されている「ラストクリックモデル」から「接点ベース」にアトリビューションモデルを変更する方法を解説いたします。
アカウント管理画面の上段ツールバーからツールを選択し、「測定タブ」の「コンバージョン」をクリックします。
コンバージョンアクションの設定画面で、アトリビューションモデルを利用したいコンバージョンアクションを選択します。
コンバージョンアクションの詳細設定画面から「設定を編集」をクリックします。
「アトリビューションモデル」を選択し、プルダウンから任意のモデルをクリックすると、アトリビューションモデルの変更が実行されます。
アカウントでデータドリブンモデルを利用できる場合は、このプルダウンで選択することが可能になります。
アトリビューションモデルの確認方法
次は、アトリビューションの成果の確認方法についてご説明いたします。
ツールから「検索アトリビューション」を選択します。
アトリビューションのページでは、アカウント内のコンバージョンデータをさまざまな側面から確認・分析することができます。
今回は、概要内の「経路」から、「コンバージョン経路」でユーザーがコンバージョンに至るまでのデータを確認してみます。
上部の「経路の数」を「 2+ 」に設定すると、2つ以上の経路をたどってコンバージョンされたデータのみ確認することができます。
キャンペーン、広告グループ、キーワードの単位でパスを設定できるため、今回はキーワードのパスを選択して確認してみます。
一番上のコンバージョンのアトリビューションを見ると、コンバージョン完了までに11回もの検索を行い、広告をクリックしていることが分かります。
このケースでは、最初は「ビッグキーワード」と呼ばれる一般的な語句で流入し、サービスに関連するさまざまな語句を経て、最終的には広告主のサービス名でコンバージョンしていました。
Google 広告でこれまで一般的に用いられてきたのは「ラストクリックモデル」でした。
例えば「接点ベースモデル」を用いて評価を行った場合、最終的なコンバージョンに至ったサービス名のキーワードだけではなく、広告との最初の接点となったビッグキーワードも評価し、貢献度を割り当てることができます。
Google はアトリビューションモデルについて、広告主のサービスや商材、広告配信を通して達成したい目標によって使い分けることを推奨しています。
仮に、ブランド認知を拡大したいという明確な目標がある場合は、広告の初回接触を重んじるファーストクリックモデルを利用するとよいでしょう。
あるいは、最終的な商品の購入に寄与したキーワードや広告に重点を置いて運用したい場合は、ラストクリックモデルが適切です。
ビジネス目標に合わせてそれぞれのアトリビューションモデルを適切に選択し、コンバージョン経路における個々のポイントが及ぼす影響を正しく把握して、価値あるインサイトを明らかにすることが重要です。
おわりに
今回のエントリでは、コンバージョンに対する貢献度を正しく測定するためのアトリビューションについてお話しいたしました。
アトリビューションモデルを用いれば、ユーザーがどのような経路を辿ってコンバージョンに至ったのかをより詳細に知ることができ、そのデータを元に効率的にアカウントの運用を行うことができます。
グラッドキューブでは、お客様の商材に合わせてアトリビューションモデルを検討し、運用に活かしています。
広告運用でお悩みのお客様は是非、当社へご相談ください。
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