Google 広告の部分一致とフレーズ一致の違いについて詳しく解説!
Google 広告では、2021年7月に絞り込み部分一致が廃止され、フレーズ一致がアップデートされました。
アップデートに伴って、絞り込み部分一致を設定していたキーワードは、すべて新しいフレーズ一致と同様の動作に統一されました。現在、Google 広告では部分一致が推奨されていますが、運用する目的や目標によっては3つのマッチタイプを使い分けることが必要です。
本エントリでは、 Google 広告の部分一致とフレーズの違いや、推奨されている部分一致について詳しく解説します。
目次
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Google 広告のキーワードマッチタイプは3種類
Google 広告では、3つのマッチタイプをキーワードに設定し、表示したい広告に応じて検索語句の拡張範囲をコントロールすることができます。
先述したように、2021年7月に絞り込み部分一致が廃止されたため、現在は「完全一致・フレーズ一致・部分一致」の3つのタイプを設定することが可能です。
(参照: Google 広告 ヘルプ フレーズ一致と絞り込み部分一致の変更について)
(参照: Google 広告 ヘルプ キーワードのマッチタイプについて)
以下、3つのマッチタイプについて詳しく解説します。
マッチタイプ①:完全一致
完全一致は、指定したキーワードと同じ意味または意図の検索クエリに対して、広告を表示するマッチタイプです。3つのキーワードマッチタイプの中で最も絞り込めますが、広告を表示する対象となる検索語句の数はフレーズ一致・部分一致よりも少なくなります。
(参照: Google 広告 ヘルプ キーワードのマッチタイプについて)
マッチタイプ②:フレーズ一致
フレーズ一致は、指定したキーワードと同じ意味の内容を含む検索クエリに対して、広告を表示するマッチタイプです。フレーズ一致は、完全一致よりも絞り込むことができ、広告を表示する対象となる検索語句の数は完全一致よりも多く、部分一致よりも少なくなります。
同じ意味合いを含む検索クエリに対して広告を表示できるため、関する検索にのみ広告を表示することが可能です。
(参照: Google 広告 ヘルプ キーワードのマッチタイプについて)
マッチタイプ③:部分一致
部分一致は、指定したキーワードに関連する内容を含む検索クエリに対して、広告を表示するマッチタイプです。そのため、キーワードが入っていない検索クエリも表示対象に含まれます。
部分一致は、3つのマッチタイプの中で最も多くの検索クエリに広告を表示でき、1つのキーワードで多様な検索の網羅が可能です。
以前は関連性のないクエリへの拡張が非常に多くあまり使用されませんでしたが、機械学習の精度が高まり、現在では Google が使用を推奨するマッチタイプです。
(参照: Google 広告 ヘルプ キーワードのマッチタイプについて)
2021年7月に「絞り込み部分一致」が廃止
Google 広告では2021年7月以前まで4種類のマッチタイプが使用可能でした。
旧マッチタイプ
・完全一致
・フレーズ一致
・絞り込み部分一致(廃止)
・部分一致
絞り込み部分一致とは「+〇〇」で表記し、指定したキーワードが検索クエリに含まれる場合に広告が表示されました。しかし、絞り込み部分一致が廃止されフレーズ一致と統合されるような形になりました。
また、アップデート前は設定したキーワードが検索語句に含まれるかどうかが重視されていました。そのため、絞り込み部分一致で「+テニス +シューズ」と設定すると、検索クエリ「テニスラケットとトレーニングシューズ」にも広告が表示される可能性がありました。
アップデート後は、単純にキーワードが含まれるかどうかではなく、意味の一致が表示の条件に含まれることになりました。そのため、フレーズ一致「“テニス シューズ”」と設定すると、検索クエリ「テニスラケットとトレーニングシューズ」には表示されないようになり、以前よりもクエリのコントロールがしやすくなりました。
「フレーズ一致」と「部分一致」の違いについて
フレーズ一致と部分一致の大きな違いは、検索クエリとの一致率です。部分一致の方がより幅広い検索クエリに対して広告が表示されます。
公式ヘルプの言葉を引用すると、フレーズ一致は「キーワードと同じ意味の内容を含む検索」
が表示対象になるのに対し、部分一致は「キーワードに関連する内容の検索」
が表示対象になります。
例えば、部分一致で「炭水化物ダイエット プラン」と設定すると、「炭水化物ダイエット プラン」という検索クエリの他に、炭水化物不使用 食品、ロカボ ダイエット、低カロリーレシピ、地中海 ダイエット 本、炭水化物摂取制限 ダイエット プログラムなども表示対象になります。
いずれも「炭水化物ダイエット プラン」という語句を含んでおらず、意味も異なりますが、ユーザーの潜在的なニーズは共通している可能性が高い検索クエリです。このように関連性のある検索クエリにも表示対象が拡張されるのが部分一致の特徴です。
一方、フレーズ一致は部分一致ほど拡張されません。例えば、フレーズ一致で「“テニス シューズ”」と設定すると、セール テニス シューズ 購入、テニス用シューズ、快適なテニス スニーカーなどが表示対象になります。
設定した「テニス シューズ」と同じ意味を含む語句(例:テニス用シューズ、テニススニーカー)も表示対象になりますが、部分一致のよりもキーワードに近い検索クエリにのみ表示されます。
そのため、 CPA が高い部分一致キーワードをフレーズ一致に変更した場合、配信ボリュームは減少しますが CPA を改善できる可能性があります。
リスティング広告の仕組みを知りたい方は以下のブログをご覧ください。
【初心者向け】リスティング広告とは?配信の仕組みから運用まで詳しく解説! | 株式会社グラッドキューブ
https://www.glad-cube.com/blog/?p=51539
またリスティング広告の運用と分析について以下のブログで解説しております。
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媒体の推奨「部分一致」を使用するメリット
部分一致キーワードの追加は以下3つのメリットがあります。
- コンバージョンが期待できるキーワードを見つけることができる
- 1つの検索キーワードで多くのキーワードを網羅できる
- 多様なシグナルを使用した配信が可能
3つのメリットについて詳しく解説します。
(1)コンバージョンが期待できるキーワードを見つけることができる
部分一致キーワードは拡張性が高いため、運用者が予測できないキーワードを検索クエリから見つけることが可能です。現在、ユーザーの検索語句数は日に日に増加しており、運用者の予測だけでは、検索キーワードの考案に限界があります。
部分一致を活用して、コンバージョンに繋がりやすいキーワードを見つけていきましょう。
(2)1つの検索キーワードで多くのキーワードを網羅できる
他のマッチタイプで細かく設定する必要がある内容を、部分一致キーワード1つで網羅できる可能性があります。完全一致・フレーズ一致でキーワードを設定すると登録キーワード数が膨大になり、管理が難しくなるため、運用者の負担を減らすためにも部分一致を活用することは効果的です。
(3)多様なシグナルを使用した配信が可能
部分一致では、他のマッチタイプでは活用できないシグナルを加味した広告表示が可能です。ランディングページの内容や過去の検索履歴、見込まれるパフォーマンスなどを考慮して、オークションに参加することができます。 Google の機械学習により、見込みの高いユーザーへ効果的に広告を配信できます。
ちなみに Yahoo! 検索広告の部分一致のシグナルは Google と少し異なるため、詳細は以下からご覧ください。
Yahoo! 広告「部分一致」判断要素の追加でより正確な広告配信が可能に | 株式会社グラッドキューブ
https://www.glad-cube.com/blog/?p=43386
「部分一致」を使用する際にすべきこと
部分一致は拡張性がメリットですが、完全一致・フレーズ一致に比べ検索クエリのコントロールが難しいというデメリットもあります。部分一致を使用する際は、以下をこまめに実施し、無関係なクエリでのクリックを防ぐ必要があります。
- 定期的に検索クエリの精査・キーワードの精査を実施する
- 除外キーワードを設定する
(1)定期的に検索クエリの精査・キーワードの精査を実施する
部分一致は他のマッチタイプと比べて、検索クエリの拡張性が高く、意図しない検索クエリに対して広告が表示される可能性があります。部分一致がローンチされた当時よりも、機械学習の精度が高まっているとはいえ、予想外の拡張で無駄なクリックに繋がる可能性があります。
そのため、部分一致キーワードを設定した後は、高頻度で検索クエリを確認し、適切なクエリで広告を表示できているのかを確認することをおすすめします。どういった検索クエリから広告の表示に繋がっているのか「検索語句」から個別に確認できますので、チェックしてみてください。
(2)除外キーワードを設定する
先述した検索クエリの精査を通して、競合他社のブランド名や関連性のないクエリなどコンバージョンが見込めない検索クエリは除外することをおすすめします。
運用に際して、目標 KPI を設けている場合は、CPC や CPA・ROAS などを基準に除外するのも良いでしょう。部分一致で幅広いリーチをしながら、除外を繰り返すことで、より洗練された部分一致の配信が可能です。
キャンペーンで成果を上げるためのマッチタイプのポイント
実際に成果を上げるためには、マッチタイプをどのように活用するとよいのでしょうか。リスティング広告運用時のポイントを3つご紹介します。
- キーワードの入札単価を調整する
- 新しいキーワードを追加する
- 除外キーワードを追加する
(1)キーワードの入札単価を調整する
検索キーワードのマッチタイプは、機械学習を元に検索クエリから広告を表示するか動的に判断されるため、マッチタイプキーワードの追加でトラフィックが急激に増加する可能性があります。定期的にパフォーマンスを確認して入札単価や予算の調整を行いましょう。
(2)新しいキーワードを追加する
2021年7月以前に設定していた「+コーヒー 豆」のような、一部の語句にのみ絞り込み部分一致を設定しているキーワードではトラフィックが減少する可能性があると Google では紹介されています。
(参照: Google 広告 ヘルプ フレーズ一致と絞り込み部分一致の変更について)
キーワードのトラフィックが減少する場合は、フレーズ一致・部分一致キーワードを追加して配信ボリュームの増加を狙っていきましょう。
また Google 広告の「最適化案」では、キャンペーンのパフォーマンス向上のため、新しいキーワードの追加や重複キーワードの削除など、おすすめの設定を表示してくれるので、積極的に活用することをおすすめします。
(3)除外キーワードを追加する
広告表示の意図から外れる検索語句は、除外キーワードとして追加していきましょう。除外キーワードの設定内容からも機械学習が働くため、「部分一致のキーワードの設定から除外キーワードの設定」内容を元に、より精度の高いマッチング動作が期待できます。
おわりに
本エントリでは、 Google 広告の部分一致とフレーズの違いや、媒体で推奨されている部分一致について詳しく解説しました。
Google 広告の機械学習の精度が向上しているため、以前までの部分一致よりも精度が増しています。関連性のないものを除外しつつ、部分一致で検索クエリの開拓を進めていきましょう。
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